工藤博士のタンバ国出張計画 その1
「工藤博士、工藤博士、タンバ国に行きませんか?」
「え!、アラン、急に何を言い出すんだね?」
「実は、タンバ国で、世界ロボット展覧会を企画して、世界中のロボット研究者に、参加を呼び掛けているんですよ。工藤博士、アダムス4世のついて、研究発表をすれば、タンバ国で、交通費、宿泊費をすべて出してくれるそうですね。ぜひ、発表しましょうよ。ついで、タンバ国の観光旅行をしましょう。アランが、ご案内します。夕日を眺めるライオン、朝日のあびるキリン なんでも、工藤先生の望む場所にご案内しますよ。」
「そうか、ルルンバ山は、その会場から近いのかな?」
「ルルンバ山ですか? 最近道路事情が良くなったと聞いていますが、車で3時間ぐらいはかかりそうですね。」
「3時間か、そうか。最近ルルンバ山についてなにか、発見はあったかね。」
「特に、ないようですが」
「ルルンバ山の聖地の洞窟は、だれでも、自由に入ることはできるだろうか」
「大分、観光地化しているという話ですが、自由に入れるかは、わかりません。なにせ、山の中腹で、そのまで、たどり着くには、現在、徒歩しかないので、観光地としては、開放できないようです。検討は進めているようですが。」
「誰かの案内があれば、入れるだろうか」
「入ることはできると思いますが、タダの洞窟です。何もない、タダの洞窟ですよ。」
「そうか、タダの洞窟か。たしか、タダの洞窟だったな。」
「???」
「ところで、その世界ロボット博覧会には、世界中からたくさんの研究者がくるのだろうか?」
「一応、世界中のロボット研究者に声をかけたそうですから、たくさん集まると思います。」
「たしか、政治家秘書ロボットの売れ行きが順調だとか。このロボットを購入すると選挙に負けないというのは、謳い文句だが、双方で、ロボットを購入している場合は、一体、どうなるのでしょうね。」
「さあ、それはやってみないとわからないと思いますが、最後の決め手は、政治家の人格ではないでしょうか?」
「やはり、政治家の人格が、決めてだろうな。」
「タンバ国では国にあげて、この博覧会を行う予定です。」
「少し前まで、電気も自動車のないような未開の国と思われていたのに、この数年で、地球の未来を引っ張るような国に変化するとは驚きだ。ぜひ、その秘密を知りたいな。」
「そうですよね。私も、ビックリしているんです。どこに、そんなロボットを作成する技術をもった人がいるのか、信じられませんが、いたようですね。僕たち以外の人たちが。」
「日本で、うだうだしていると、その若者たちに、追い抜かれてしまうぞ。」
「いいではありませんか?たくさんの若者ががんばる国にタンバ国がなったのです。素晴らしい。」
「自分で、自分の国をほめていれば、世話がなくていいですね。」
「あはは」
「では、アランに案内してもらって、タンバ国にいってみようかな?」
「よかった、工藤博士、行きましょう。行きましょう。」
「まず、妻にも相談しないとな。きった彼女の行きたいというし、オサムもついていくというにきまっている。それにハル君も行きたいといいだすだろうな。」
「工藤博士にはたいへんお世話になっているので、ぜひ、皆さんをタンバ国につれていきたいです。」