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タンバ国の大統領とナロハ国防大臣との会話

国防大臣が大統領執務室にやってきた。

「なんだか、たのしそうじゃないか」

「わかります?」

「もう、幸せがあふれている感じです。」

「実は、美人秘書を雇いまして。」

「それは、うらやましい。」

「それに、子供もできました。」

「それは、おめでとう。おや、いつ、生まれたんだね。」

「実は、妻がロボット少年を買いまして、私たちの子供として育てることにいたしました。」

「そうか、ロボット少年ね。」

「それが、私の少年の頃にそっくりな顔をしていまして。妻が、私の写真を業者に見せて作ってもらったんです。」

「最近は、そんなこともできるのかね。ところで、美人秘書のほうは、どうだね?」

「実は、これも、ロボットでして、政治家秘書ロボットというんです。選挙対策に優れていて、この秘書がいるかぎり、負けることがないという宣伝なんです。はじめ、ずんぐりむっくりの体型だったので、これでは、絶対売れないので、いろいろなパターンをつくったほうがいいと、進めて、私は、やはり、ハリウッドスターの顔と体型してもらいました。名前は、マリー君です。」

「それで、美人秘書というわけだね。そんな秘書はきたら、奥さんが怒りそうだね。」

「実は、浮気をしているんじゃないかと疑われて、それで、ロボット秘書をみせたら、妻も欲しいといいだして、どうするのかと思っていたら、我が家の子供にしてしまったんです。それが、実に、かわいい。」

「君たち夫婦には、子供がいなかったので、奥さんとしては、どうしても、子供がほしかったんだろうね。」

「あまり、そんなことは言わなかったんですが、本心は、そうだったみたいですね。」

「それで、ハッピーなわけですね。」

「はい。家の中の雰囲気がまったくかわりました。お父様、お父様と、呼んでくれるんです。」

「鬼将軍のナロハ国防大臣が、お父様と呼ばれて、鼻の下をのばしているんですね。見てみたい。それは、みてみたいなあ。」

「そのうち、我が家の夕食会に御呼びします。ところで、大統領」

「なんだね、国防大臣」

「隣国に逃げていた反大統領亡命政府軍に、動きがありました。」

「どんな動きだね。」

「隣国が、この国の繁栄をみて、侵略したいと考えているようです。狙いは、ルル鉱山から産出した金や貴金属だと思われます。」

「どうしたら、いいだろう。」

「こちらから、先制攻撃を仕掛けるのは、無理ですね。実は、良い方法があるんです。マリー君の提案です。」

「なんだね、そのマリー君の提案というのは。」

「実は、タンバセクレタ社のロボット展を開催して、周辺諸国の政治家を招くんです。すると、ほしいと思う政治家がたくさんいるので、売りましょう。かれらは優秀なロボットなので、きっと、その国々の発展のための良い知恵をだしてくれます。」

「それは、本当に、マリー君の提案なのかな?」

「そうですよ。彼女のアイデアです。」

「ロボットのメンテナンスなどの問題がありますけど、どうします。」

「初めは、タンバセクレタ社が面倒みるしかないでしょうね。」

「それで、大丈夫ですか?」

「それから、技術を公開して、それぞれの国々で、管理しないと、国家秘密が、タンバセレクタ社にすべて集まってしまいますね。こちらとしては、嬉しいけど。」

「それぞれの国が繁栄すれば、戦争防止になりますが。それで、反大統領亡命政府軍は、消滅するとおもいますか?」

「実は、その核は、50人ほどなんです。そのあとは、隣国から傭兵部隊で、ぶんどった金で、給料をはらうという宣伝で集められた500人ほどです。隣国も、その金ほしさで、支援しようとしています。」

「それで、」

「ロボット展で、PR用に、各国5台ほど、差し上げるだけで、きっと、世界は変わります。」

「ナロハ大臣、なにか、企んでいますね。彼らをスパイにして、送り込もうとか。」

「じつは、初めは、そうすればいいと考えたのですが、マリー君といろいろ会話しているだけで、教えられることが多いし、世界の状況を教えてくれるんです。おもしろいこともたくさん知っていますよ。ロシアの大統領の飼っている犬が、赤ちゃんを産んだとか、アメリカの大統領の奥さんが、高いハイヒールを靴をはいて、こけたとか。だから、彼らにスパイをさせる必要もない。かれらと会話するだけで、世界が変わります。たとえば、反大統領亡命政府軍が、戦争を企てようと、政治家秘書ロボットに、相談すると、ばかばかしいから止めろときっといいますし、隣国の大統領が、反大統領亡命政府軍を支援したほうが、よいかと相談すると、しないほうがいいと、絶対いいますよ。」

「そのロボットは、そんなにすごいんですか?」

「すごいですよ。マリー君は、優秀な秘書ですし、タロウ君、これは、我が家の子供の名前ですが、とても優秀です。そういえば、ロジャー財務大臣にもアレックスという優秀なロボットがいるじゃありませんか。

そうそう、彼のように優秀だと思いますよ。」

「そうか、では、タンバセクレタ社に、大々的なロボット展をひらくように言おう。せっかくだから、世界中の人に、見てもらおうじゃないか。タンバセクレタ社だけじゃなくて、ロシアや中国、アメリカ、日本にも声をかけて、世界大会のようにしよう。」

「話が大きくなりましたが、やる価値はありそうですね。」


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