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工藤博士の驚き

タンバ国のルル族の文化伝統を保存するための活動は、第一段階を終了した。研究チームは、その保存のむけて、ノーマンの7日間の語った内容等の整理を始めた。いずれ、大部の本をだす予定だ。

タンバ国でも、ルル族の話は話題になり、タンバ国のインーネットテレビが、連日その様子をダイジェストで伝えていた。

フィンランドいるゴードンや日本にいるアラン達も、あまりの話題ため、インターネットテレビを覗き込んでいた。事前の噂では、預言者ノーランが、自由に空を飛んだり、自由に金を出現することができるなどがいわれていたので、それを一目みようと、ルルンバ山の麓に大勢の人があつまったということだ。


1日8時間以上、7日間に語られた話は、あまりにも膨大で、そのダイジェストをつくるのもに、相当の時間が必要だった。タンバ国のインターネットテレビ局は、膨大な映像資料を得て、当分、放送するネタにはこまらないという感じではあった。

ゴードンやアラン達も、あまりの膨大なため、そのダイジェストみる程度しかできなかったが、そのダイジェストさえ、かなりの量があった。


アランも興味が引かれたので、工藤博士の研究室の昼休みなどを利用して、そのダイジェストを眺めていた。

8日目の聖地の洞窟の神社の風景が映し出されているところに、偶然、工藤博士がアランの横を通り過ぎて、そのパソコンに映っていた神社を一瞬みた。神社の正面の天井近くに、絵とも文字ともつかない模様が掘られていた。


突然、工藤博士の頭の中に「神がすべての根源である」という言葉が飛び込んできた。

一瞬なんだったのか、工藤博士も解らなかった。心を落ち着けて、アランのパソコンの画像を改めてみると、その洞窟の神社の正面の書かれた文字のような模様は、たしかに「神がすべての根源である」と書かれているのだった。それは、日本語でも、英語でもない。ルル族には、文字はないため、ルル族の文字ではない。


工藤博士のおばあちゃんから小さい時に、習った不思議な文字を、この40年年間どこでも、出会うこともなかった。工藤博士とすでに死んでしまったおばあちゃんの二人だけの秘密だった。教えてくれたおばあちゃんも、その場で厳しく教えてくれただけで、教科書のようなものもなく、練習に使った紙もいっさい残させなかったため、その不思議な文字の痕跡らしきものさえ、工藤博士の家にもなにもなかった。おばあちゃんが死んだ時も、不思議な文字に関するものは、いっさい存在しなかった。

工藤博士は、あの不思議な文字は、おばあちゃんの創作かもしれないし、おばあちゃんのいたづらだったのかもしれないと、なんども記憶をたどりながら考えてみた。なぜなら、工藤博士が、どんなに、その不思議な文字についても、探しても探しても、その痕跡さえ見つからないのだ。工藤博士は、その不思議な文字を探し当てようと、様々な検索エンジンを駆使した。文字発見のための映像認識検索エンジンまで、開発して、その性能の良さに、多くの映像認識方法として、KUDOUメソッドという方法が確立して、映像認識技術を60倍ほど向上させたといわれたいた。

そのため、工藤博士に頼めば、どんなものでも、短時間で探し当てるというので、有名だったのだ。その工藤博士が、探しに探してついに見つけることができなかった不思議な文字を、とうとう、今日、アランのパソコンの中でみつけたのだ。


しかし、アランには、なにが、どうなったのか、まったく、見当がつかなかった。工藤博士が、とんでもなく驚き、興奮しているのだけがわかった。よほど、工藤博士が、ルル族のことに興味があるのかなと思った。


工藤博士は、洞窟の神社の映像をアップさせて、正面の文字を大きくさせた。アランになんて書いてあるかときくと、アランは「単なる模様で、文字ではありません」と答えた。それに、ルル族には、文字はありません。そのため、預言者ノーランというものの記憶の中のものを今回、語ってもらったのですと、答えた。


工藤博士は、混乱した。「ルル族に、文字はない。しかし、ここに、その不思議な文字がある。そして、それは、模様ではなく、ちゃんと意味ある言葉になっている。」


工藤博士は、かなりの混乱をきたしていた。アランから、そのインターネットテレビのアドレスを確認して、今日は体調不良なので、早退するといって、家に帰ってしまった。


工藤博士は、家のもどると書斎に閉じこもり、ルルンバ山の洞窟の神社の映像をなんども眺めた。正面の文字以外に、文字らしいものは見当たらなかった。アランのよれば、ルル族にも文字はないので、どこかになにかを書くということはないということだ。

預言者ノーランさえも、ルル族の文字を知らないという。今回、ノーランが語ったのは、英語だった。預言者ノーランは、語学の達人のようだ。もしかすると、今回、ノーランの語ったことは、英語文化圏の情報を混ぜこぜにした、とんでもない創作で、ルル族の伝統文化ではない可能性もあった。どこかインチキくさい。ペテンのにおいもする。

しかし、映画のセットでもあるまいし、洞窟の中には、いつ造られたかも不明の洞窟をくりぬいた神社があったのだ。まだ、年代も特定されていないが、数百年、数千年、数万年の前のものかもしれなかった。ノーランの語った2億年の歴史を持ち出せば、なんでもありだろう。2億年前に造られたのかもしれなかった。アランがいうには、ルリ星からやってくるのにつかった空飛ぶ円盤、宇宙船が、どこかに埋められているといっている。それが、どこかはわからないが、ルルンバ山の近くらしい。


もしかすると、ルルンバ山で、貴重なレアメタルが産出するのは、この2億年前の大規模宇宙船の残骸を掘っているのかもしれなかった。


預言者ノーランによれば、すべての根源はルル族にあるというのだった。世界的な宗教も、文化も、言語も文字も科学も。そのすべては、ルリ星で、実現されており、そのルリ星の超高度な文明、平和や調和を再現するために、現代地球人は奮闘しているのだという。

ルリ星に行くことができれば、どんなことも答えがそこにある。この地球は、それを具現するための発展途上の星なのだ。地球の現在状況を考えると、ルリ星のように成るには、10万年の時が必要だろうということだった。


ルル族は、ほとんど、近代文明を無縁で、電気などのない文明を、何十万年と変わらずに生きてきた。そこに高度な文明や高度な政治など存在していないようだが、どうも、預言者ノーランの話は、あまりにも突飛で、ルル族の伝統文化とは、たいぶかけ離れている。


しかし、巨大洞窟やその洞窟の中に掘られた神社の大きさからみて、かつてのルル族が、文明のない民族とはいえないようだった。

そして、文字の痕跡もある。いま、それが文字だと言えるのは、世界中を見渡しても、工藤博士ただ一人だろう。だれにも、それは、文字だとは思えない。もし、それを文字だと仮定しても、解読する手がかりはmどこにもないようにおもわれた。

もしかすると、その神社の奥に、たくさんの文字でかかれたものでも、出てくれば、文字の存在の証明にはなるのだが、まだ、それはない。もしかすると、いずれ、なにか、出てくるのかもしれない。


宇宙船の残骸も見つかるかもしれない。


とにかく、工藤博士は、誰も知る人もいなかった、不思議な文字をルルンバ山の巨大洞窟の神社の中にあるのを見つけたのだ。


しかしこのことは、妻にも、子供達にも、アランにも、ハルにも、話すことはできなかった。話しても理解できることではないことは明らかだった。


アランには、ルル族や予言者ノーランのことは、いろいろ教えてほしいと伝えた。特に巨大洞窟の研究と文献などは発見されたら、すぐ知りたいといった。

聖書の死海文書のように、隠された壁の奥に眠っている可能性もある。もし、それが発見されれば、工藤博士のみが、解読することができるかもしれなかった。



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