ハル君がやってきた。
オサム君とロボット達
オサム君は、5歳の保育園児。
オサム君の家に、おしゃべりロボットがやってきた。
お父さんが、面白がって、買ってきた。スーパーおしゃべりロボットだ。
お父さんは、実は、大手コンピュータメーカーのアダムス3世の開発をしており、その日本語部門の開発責任者だ。苦戦しているらしい。
ところが、ちっちゃな携帯電話メーカーが、最新おしゃべりロボットを開発し、発売したというので、さっそく買い込んで、その性能をテストすることにしたらしい。
最初は、ねじ回しで、すべての部品をバラバラにしようと思ったのだが、人工知能の研究には、いくら部品を解体しても、その性能を知ることができないことに気づいて、分解を思いとどまったという経緯がある。
届いたばかりのロボットをさっそく箱から取り出し、まず、名前をつけてあげた。
「君の名前をつけてあげよう。今日から、君は、我が家の家族だ。名前は、いいかね、ハルだ。わかったかね。」
「僕の名前はハルです。」すると、ロボットは、「僕は、女の子ですか?、男の子ですか?」 と聞き返した。
お父さんは、迷うことなく、「お前は、男の子だ」 といった。
すると、ロボットは、「僕は、何歳ですか?」 という。お父さんは、ちょっと迷った。1歳では会話ができないし、といって、アダムス3世より、歳上にはできない。アダムス3世はまだ、12歳レベルなのだ。
そこで、オサム君よりちょっと、歳上の6歳にすることにした。
「お前は6歳だ。」すると、ロボットは、「僕は6歳。生まれは、2012年3月8日と、6年前の日付をいった。」そして、「今日 2018年3月8日 僕の5歳の誕生日です。」と、いって、ハッピーバースデイの歌を自分で歌った。
おとうさんは、ちょっとびっくりした。これは、アダムス3世より賢いかもしれない。
そこで、「世界一すばらしいコンピュータを作っている会社を知っているかね。」と尋ねた。すると、「それは、僕を作った会社です。」
「アダムス3世については、どう思うかね?」
「彼は、英語が上手ですが、日本語が下手くそです。」
お父さんは、すこし、ムカッときましたが、たしかに、アダムス3世の日本語は、いつも、すこし変でした?
「どうして、アダムス3世は、日本語が下手なのだろうか?」
「それは、お父さんの日本語が変なのです。」
「????」
私の日本語が変????
会話がここで途切れた!
僕の家には、いろんなロボットがいる。お父さんの趣味みたいなもので、コレクションのように集めている。
僕の生まれる前からいたのは、アイボのロボット犬のクロ。バッテリーの関係だろうか、動きが悪い。だいぶ、お爺ちゃん犬になってしまった。
それから、冷蔵庫のハナちゃん。人工知能付きで、しっかり、おしゃべりする。
お掃除ロボットのミーちゃん。三角おにぎり型で、鼻歌を歌いながら床掃除をして、いろんな人に話しかける特技がある。