相対、本性
更新空いてしまいごめんなさい;
頑張って書きました!
よろしくお願いしますm(_ _)m
「ごめんね。時間作って貰っちゃって。」
「いや?俺もちゃんと話したいと思ってたし。」
「えぇ〜?…本当に、そう思ってた?」
「本当だって!信じてよ。」
放課後の教室で、俺は小林と向かい合っていた。心にもないことを言えば冗談めかして疑いの言葉を投げかけられる。小林の目を見てにこにこと笑い返した。しばし黙って見つめ合う。
「…尚が別れようって言ったのは、私が高橋先輩を好きなんだと思ったからだよね?」
「うん。それもあるけど、そもそも小林さんは俺のこと好きじゃないでしょ?だから別れた方がいいと思うんだよね。」
「好きじゃないなんて、そんな…私はちゃんと尚のこと、」
「あのさ、もう面倒だからやめない?それ。ていうか小林さんも、俺が君のこと好きじゃないって分かってるでしょ?」
弁解が続きそうな小林の台詞を遮り、お互いに見て見ぬふりをしていたことを突きつける。時間の無駄だと思ったし、演技を続ける小林の姿が痛々しかったからだ。好きでもない人間に愛想を振りまき続けるのはさぞかし大変だったろう。
俺の言葉を聞いた小林が大きなため息を吐き、ゆっくりと顔を上げた。うんざりしたような顔。分かった。やめる。そう言うと教壇の前の席に座り、頬杖をつきながら横目に俺の方を見た。視線に促がされ、俺もその隣の席に座る。
「好きじゃないなら…私のこと、好きじゃなかったんなら。何で告白したの?私がOKした時に、冗談だって取り消せば良かったのに。」
「小林さんが嫌がるかと思って告白したのにまさかのOKだったからね。取り消すのも格好悪いし、嫌がらせ継続って訳。」
笑顔で目を合わせながら、お互いの隠していた本音を相手にぶつける。言い終えれば小林は露骨に俺への嫌悪を滲ませるが、俺はむしろこの状況を楽しんでいた。思わず薄く笑ってしまうと、俺に馬鹿にされたと感じたのか、小林が眉を顰めて視線を外した。
「はぁ…もういいです。それで?」
「ん?それでって、何が?」
「だから!…高橋先輩に言うんですか?私が、先輩のこと好きだって。」
決してこちらを見ない様子が酷く頑なで子供っぽく、悔しそうで女々しくて、凄く可愛いと思った。あぁ、俺って本当に性格悪い。
「それは〜、小林さん次第…かな?」
「…私は何をすればいいの。」
「流石!察しがいいね。そういうところ好きだよ。とりあえず…一つ質問していいかな。」
「質問?いいよ。どうぞ?」
「どうして俺と付き合ったの?君は高橋のことが好きなのに。俺と高橋はクラスメイトなんだから、俺と付き合えばそれはほぼ間違いなく高橋に伝わっちゃうでしょ。…なのに何で?」
興味が無いと言いながら、それでもずっと気になっていた。今さら、今までの彼女の行動は照れ隠しで以前から俺のことが気になっていたのかもしれない、なんてことは思わない。こいつ俺に気があんじゃねぇの?なんて勘違いは、小学生か、遅くとも中学生で卒業するべきだ。好意を抱かれていないのは確実。だからこその疑問。
まっすぐ目を見て問えば、気まずそうに顔を伏せ、両手の指先を顔の前でこすり合わせながら一息で答えた。
「そんなの…高橋先輩の気を引くために決まってるでしょう?告白してもそういう風に見れないからって決まり文句で断られるのは分かってたし。」
何て、つまらない理由。ありきたり過ぎて笑えもしない。
「…がっかり。」
「え?」
「がっっかりだよ。君には。本当つまんない。恋する乙女ってやつ?あ〜あ。君さ、痛いよ。分かってる?大体、そういう風に見たことないってのはこれから見てもらえる可能性が必ずある訳じゃないからね。人間関係とかで断るのが面倒な場合に使う定番だから。君のせいじゃないんだよ、怒らないでね〜。ってね。そんなことも分かんないの?今までよくそんな都合のいい脳みそで過ごしてこれたよね。そもそも当てつけのために好きな人の友達に近づくとかね〜、性格悪いっていうか人としてどうなの?ちょっとドン引き。」
つまらない。はぁ〜…ちょっと夢見てたのかなぁ?いや、自分でもさ、思ったよ。ふとしたときの影のある感じに惹かれるとかさ。お前は中二病かって。でも仕方ないじゃん。俺、自分大好きなんだから。自分が性格悪いから、同じような奴見ると好きになっちゃうんだよ。
自覚しているとはいえ、自分の見る目の無さに心底失望する。ぶつぶつと不満を言えば、俺の長台詞に呆気に取られた顔をしていた小林が怒りをあらわにする。
「な、ば…!先輩にそんなこと言われたくありません‼性格悪いのはそっちだって同じじゃないですか!」
「あぁ、俺は君と違って自覚あるから心配しないでよ。それにしても…なんで君のこと好きになったんだろうね?見た目はすごくタイプだけど性格は最悪なのに。まぁそこに惚れたんだけど、見る目なさ過ぎだよね、俺。」
うんざりしたように言いながら、教室を出て行く。小林のことはこの時点で完全に興味なしのカテゴリに分けられている。帰ったらケイにリクエストして、好物ばかり作ってもらおう。廊下を歩きながら俺は、そんなことを考えていた。だから。
「神田先輩が、私のこと、好きだった…?」
小林が俺の言葉を思い返し、呆然としながらその場を動けずにいたことなんて、知るはずもなかった。
キャラ崩壊(((o(*゜▽゜*)o)))
そして尚のターン!
読んで下さりありがとうございます!
誤字っていうか意味不明な所を
訂正しました(;´Д`A
ご指摘ありがとうございました!
今さら気付いたんですが、コピペを
ミスって重複してたんですね(汗)
また訂正しました!
これで大丈夫だと思います!