友人と恋人
何これ。・゜・(ノД`)・゜・。
どこに向かってるんでしょう…。
良ければ感想お願いします!
批判も覚悟してますので!
土曜日。俺と優希は映画館に来ていた。俺が勧めた映画の上映時間を事前に調べ、13:30に上映開始されるものを見ることにする。どうせならと映画の前に、映画館の隣にあるファミリーレストランで昼食をとることになった。
「オムライス好きなんだ?なんか可愛いね。」
「別に可愛くないですよ。ていうかオムライスって可愛いんですか?」
優希が食べているのはケチャップのかかったオムライス。玉子がふわふわとろとろしている奴だ。凄く美味しそうなのに直視出来ない。何なんだろう…イチゴジャムも、これも。どろどろしたやつが駄目なんだろうか。多分ケチャップとの組み合わせも関係してると思う。イチゴジャムを連想させなくもない。
「いや、オムライスっていうか、それを食べてる優希がね?可愛いなって。お子様ランチに入ってそうだしね、オムライスって。」
「…それって、味覚が子どもってことですか?だったら先輩だって同じじゃないですか。ハンバーグだし。」
「あはは。確かに。じゃあ単純に優希が可愛いってことか。あぁ、あと敬語。名前。」
「あ、すみませ、ごめん…尚。なんか今日変じゃない?」
「え〜。そう?今日寝起き良かったからそのせいかも。」
いつも通り軽くて適当に楽しそうにしてるつもりなんだけど…何か変だったかな?可愛いって褒めたから?別に普通でしょ。昨日のこともあるんだろうけど、ね。
「ふ〜ん?…あ、飲み物取って来るね。尚も何かいる?」
優希が空のコップを見て聞いて来る。ここのドリンクバー何があるっけ?
適当にコーラでいいか。優希にコーラを頼もうとすると、聞き覚えのある声に名前を呼ばれた。
「あれ、神田!珍しいね、ここで会うの。小林さんも…あ。」
そこまで言って気付いたのか気まずそうな顔をする。分かりやすい奴。
「気にすんなよ。邪魔したなんて思ってないから。」
「あ〜…。マジでごめん!小林さんもごめんね?悪気はなかったんだけど…」
「…ぁ、いえ。気にしないで下さい。」
違和感。何がって言われても困るけど。何となく優希が緊張してる気がする。喉が乾く。
「お詫びに貸してるゲーム、まだ持ってていいよ。ていうか神田が持ってるゲームほとんど俺のだけど。」
「どうせまだクリアしてないから返せないって。てかお前みたく上手くないし。だからクリアしたやつしか借りてないだろ?」
軽口を叩きながら優希を見る。立ったまま、飲み物を取りに行くでもなく黙っている。喉が乾いた。ふいに、優希がちらりと高橋を見た。
「優希〜。とりあえず飲み物取って来たら?ドリンクバー行くとこだったんでしょ。俺、アイスコーヒー。」
「あ、うん。分かった。行ってくるね。」
優希が少し離れたところで高橋を見る。
「あ、そういえば。優希もゲーム上手いんだよな〜。全国ランキングとか載ってんの。凄くね?…お前もランキングに入ってることあるよな。うわ、俺だけ一般人レベルかよ。」
「へぇ〜。小林さんってそんなに上手くなってるんだ?凄いな。あ、小林さんのお兄さんが俺の先輩でさ。2つ上の、元キャプテンの人。よく家に遊びに行ったりしてたんだよ。その時に一緒にゲームしたりとかして…、」
頭が冷える。あぁ、そりゃそうか。じゃなかったら川村の時の協力なんて頼めないよな。知り合いなんだったら納得だ。だからメアドも教えたのか。…そういえば高橋が言ってたよな。小林さん、頼んだら教えてくれると思うよ?って。
優希はまだ帰ってこない。ここのコーヒーは豆から挽くから時間がかかるし、アイスにするにはその後に氷も入れないといけないから。それに今はドリンクバーが凄く混んでる。だから、頼んだんだから。
「…なぁ、高橋?」
「ん?何?」
「あのさ、お前の下の名前ってなんだっけ?」
はぁ?!マジで?信じられないといいたげな顔を向けられ、その後に思い切り呆れた顔をされた。
「マジで信じらんねぇ…まぁ神田だしな。下の名前だろ?俺の名前は、」
優希が俺のアイスコーヒーと、自分の分のオレンジジュースを持って歩いてくる。目が合えば、柔らかな笑顔を向けてくる。俺は笑い返そうとする。
「…、祐介だよ。高橋祐介。」
たかはし、ゆうすけ…ゆう。
ーーそっか、優希だから*you*なんだ?
ーー…はい。そのまんまなんですけどね?
彼女に笑って見せたけれど。愛想笑いの方が、ゲームなんかよりずっと得意なはずなのに。上手く笑えてるかなんて、自分では全然分からなかった。