表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/46

変化し続ける自分と固い誓い


「じゃあ次の一番手はオリヴィアですね」

「はいい!?」

「次はわたしが歌ってあげるので、思う存分この美声を響かせてくださいねぇ?」

「ちょっ……! 自分の得意分野でいじめてくるのはずるいですわ!」

「ほほほほ。なんのことでしょう?」


 しかしやはりナターシャさんの方が上手だった。

 そう、一時的に一休み……小休止しておやつタイムを満喫していたが、我々は今カラオケ配信中。

 地球のお菓子はお手軽で、美味しいものばかりだからつい、夢中になってしまったけれど……そうだ、私たち今配信中なのだ。

 そっと笑顔でオリヴィア先輩にマイクを手渡すナターシャさん。

 ナターシャさんをいじっていたオリヴィア先輩、だいぶしょんもりとしてしまう。

 残念だが誰もフォローができない。

 触らぬなんとかに祟りなしだ。


「まあまあ。オリヴィアちゃん、茉莉花お姉さんが一緒に歌ってあげるわよ」

「茉莉花さーん!」

「じゃあ、そのあとは一緒に歌いませんか? アネモネさん」

「はい! ぜひ!」


 まだまだナターシャさんと一緒に歌うにはハードルが高いけれど、甘梨さんとデュエットができたのはよかった。

 最後に連絡先も交換したし、絶対コラボしよう、と約束もできた。

 アルクレイド王国ではできなかった、同年代の同性の友人が……できたと思う。




「バイトに行ってきますー」

「行ってらっしゃい」


 配信者活動もしながら、バイトに行くことも慣れてきた。

 オズワイドと地球に暮らしつつ、大型犬カフェに通い夜にはVtuberとして配信する。

 休みの日やバイトのない日は事務所に行って、案件やグッズのサンプルを確認したり、3Dお披露目の内容などをアゼットさんと検討したり。

 今まで知らなかった積極的で活動的な自分に日々、驚いている。

 私ってこんなに社交的に動ける人間だったのか、と思いながら電車に揺られる今日この頃。

 父も母も少しずつセンタータウンから地球のマンションの方に出てくることが増えて、資格試験や就職活動が活発化している。

 最初はどうなることかと思ったけれど、私たちはちゃんと、ゆっくりだけれど……どうにか、異世界の生活に馴染み始めていると思う。

 私とオズワイドはともかく、王侯貴族の制度さえない異世界での生活に父と母が順応できるのかと不安だったけれど……我が父と母は強かった。

 ちゃんとこの世界の文字や言葉を習得したし、資格の勉強も頑張っている。

 私たちよりもずっと大変な思いをしているはずなのに、新しく学べることが楽しいと生き生きしていて本当にすごい。

 さすが私の両親。

 きっと――きっと私はこの世界に根づいていくのだろう。

 友人ができたのが第一歩。

 恋人……は、わからない。

 まだそんな気持ちにはなれない。

 でも、Vtuberという仕事を始めたおかげで昔の私とは比べ物にならないほどに――今まで知らなかった私を解放できている。

 だからVtuberは、私にとって天職なのだろう。


『アネモネ』

「どうした、シルバー。あまり地球では喋らない方がいいのでは……」

『精神が今までで一番安定しています。少々興奮状態に近い。動物は人間の精神状態に影響されやすいので、カフェに入る前に一度リラックスしてはいかがでしょう』

「うーん。……いや、大丈夫だ。悪い意味の興奮ではない。今、すごく仕事に行くのが楽しみなのだ。だから大丈夫! このあとの配信も、なんのゲームをしようかな、とか……考えながら出勤するのも楽しいし」

『そうですか。Vtuberの仕事は楽しいですか?』

「すごく!」

『それはよかったです。今後もどうか、いぶこーのVtuberとしての活躍を期待します』

 

 シルバーの硬い円形の冷たい感触を指でなぞる。

 カバンからは出せないけれど、この世界で生きていくのにまだまだ、シルバーにはサポートをしてもらわねばなるまい。

 うん、と小さく頷く。


「期待に添えられるように頑張るよ。でも、どうか心配はしないでほしい。私は――私の名前は“固い誓い”という意味だからな。Vtuberとしてこれからもたくさんの人々に楽しい時間を提供すると誓う。騎士として、リスナーたちの楽しい時間を守ってみせるよ」

『それは素晴らしいですね。ナターシャ様との歌みた収録もその勢いで頑張って乗り切ってくださいね』

「………………忘れてたのにぃ……」

 

 もちろん、頑張ってやるけれどな!

 ああ、やってのけるとも!

 

 

 

 

 終

どうも、古森です。

『陥れられた護衛悪役令嬢は婚約破棄からの追放を受け、Vtuberになることにしました。』を最後まで閲覧いただきありがとうございました~。


Vtuberものが書きたい。

でも100作品目は絶対に悪役令嬢ものを書きたい。

色々重なって100作品目を書くのがだいぶ遅くはなったのですが、今後Vtuberものや悪役令嬢ものを書くのに至り、基礎になるようなものを書くことにした結果がこちらです。

多分センタータウンの設定は今後も引き継がれていくことでしょう。

こちらのお話に出た事務所やキャラは今後も名前だけだったり、実際登場したりすると思います。

ちょっとオリヴィアとフィルネルクの恋愛模様とかはちょっと書きたい。

脇道で進展とかするといいな……。


そんな感じで次回も悪役令嬢×Vtuberが書きたいです!!!!

恋愛ものになるかどうかはあんまり考えてないんですけど恋愛に興味ない主人公が今アツいので現代ファンタジーかも。


では改めまして最後まで閲覧ありがとうございました!

評価ボタンぽちりよろしくお願いします!

古森でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ