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王女の犬  作者: Taさん
第一章 魔導書を手に入れろ!
31/119

第31話目 ギルド職員ステニー3

いつも読んでいただきありがとうございます!

今日も宜しくお願いしますねー!!

「まあ、担当のギルド嬢とギルド長しか、姿を見たことがないっていうのは事実だけどね。

 だけど、定期的には来ていたあの嵐のような査定依頼の手伝いが、

 一週間来ないってことは今までないわよね?」



そんな私の言葉でいつも大量にくる鑑定依頼で自分達が残業していた事を思い出したのか、

微妙な顔をするステニー。




「それがこの一週間で一度もないのよ。

 死神に関しては、連絡も取りようがないってことだし、

 何より雷帝と同じタイミングでってのが……ワクワクしてこない?」



「ぜーんぜん!

 むしろそのせいで私が怒られると思うとムカムカしかしないわよぉ~……

 どうして、この悪いタイミングでそんなことをするかなぁ?

 雷帝や死神にはちょっと空気を読んでもらいたいわね!!」



あからさまに機嫌が悪くなるステニー。

ただどうやら分かっていないようなので、




「そう? 評判の悪かった雷帝への人員供給のノルマがなくなるのは良いことじゃない?」



「……まあ、そうとも考えられるけど……」



先ほどまでお怒りだったステニーの怒りが幾分和らぐ。

どうやら確かに連絡が取れないのであれば雷帝へのノルマが有耶無耶になるなと思ったらしい。


だけど、ステニーの愚痴はそれだけは止まることなく、




「だけど、私は目下のところ近々で迫りくるギルド長からのお怒りを受けなくて済む、

 良いことが嬉しいわよぉ~……はぁ~どうしよう……

 絶対にギルド長からの小言が来るわよ……

 それも機嫌が悪いっていう、おまけつきでぇ~。マジで嫌なんだけどぉ~」



そんなことを話していると同僚が何とも言えない顔をして、

こちらに来てステニーに伝言を伝えてくる。




「ステニー、ギルド長がお呼びよ」



「ええぇぇぇ!? マジでぇ!?」



驚きの表情と共に本気で嫌そうな顔をするステニー。

そして、私の方へと不安そうな顔を見せてくるのは、今の今その話をしていたからよね……




「……マジで行くのイヤなんどけど……」



顔を曇らせてそんなことを言うステニーに、呼びにきた同僚は肩を竦めて、




「ちなみに機嫌はすこぶる悪いわよ、あんなギルド長を見たことがないわね……

 こんな時に呼び出しなんて、すぐに行ったほうが少しは機嫌も良くなるんじゃない?

 待たせると余計に機嫌が悪くなるかもよ。

 本来の小言に、嫌味が加わるなんて本当に嫌じゃない?」



その助言を聞いて、大きなため息をついてからステニーは、

渋々といった感じでカウンターからゆっくりと立ち上がり、




「はぁ~……そうね……それでなくても憂鬱なのに、

 更にプラスで怒られるとかマジで嫌よ……

 はぁ~……いってくるわ。あぁ~本当に憂鬱よぉ~」



そう嘆きながらギルド長の元へと重い足取りで向うステニーを見送りながら、

サッとカウンターの方へと笑顔で向き直る。


タイミングよくというか、視界の隅に近づいてくる姿が入っていたため勢いよく向き直り、

すぐに笑顔を浮かべてから、




「お待たせしました。本日のご用件は何でしょうか?」



そんな私の笑みをうけた冒険者は、一瞬で頬を赤く染めて、




「あ、あの! そ、あ、いや、さ、査定をお願いします!!」



「かしこまりました」



冒険者の相手をするのであった。


内心では、この子も私の虜にできそうねっと思いつつ、

それに加えて、どれだけステニーが絞られるかなぁ~っとワクワクとしていたのは……

口には出さないけどね。


それから小一時間ほどしてから、ギルド長の部屋から戻って来たステニーは、

明らかに足取りが重く、表情も疲れ切った表情を浮かべていた。


そして席に戻って来るなり、ドスンと椅子に座ると同時に思いっきりため息をつく。


これは相当絞られたようね……ウフフフ、人の不幸な姿を見ると本当に楽しいわよね!


そんなことが頭を過るけど、それを微塵も表に出さずに、




「どうしたのよ? そんな怒られたの?」



話しかけた私にステニーは、ゆっくりと顔を向けたと思ったら、

その顔は並々ならない决意を秘めた顔になっているのである。


そして、ゆっくりと口を開いて、絞り出すように開口一番に

とんでもない発言が飛び出してくる。




「……来月もノルマを達成できなければ……

 “クビ”って言われたわ」



ステニーの言葉に思わず目を見開いて驚く。


ちょっと予想外よ!?


いきなり首って言われたわけ!?


すぐさまステニーの言葉に反応し、




「嘘でしょう!?

 たかだか人員募集のパーティーに人を斡旋できないからって……

 それだけでクビって!? ちょっとやり方が横暴じゃない!!」



そんな私の言葉を聞いても表情は変わることなく、

ギルド長から言われたことを話しだすステニー。




「七英雄は特別らしいわ……

 今は、雷帝と死神に連絡が取れないから、残りの5つのパーティーに

 依頼を回しているらしいけど、その5つのパーティーから、

 これだけ依頼が回ってきているのだから、

 当然人員増強が必須だと強く言われているらしいのよ」



なるほど、今の状況はそうなっているのか……


いつも読んでいただきありがとうございます!

是非ともブックマークおよび評価をお願いします!

そのワンポチが……明日のやる気に!!

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