第2話目 ソレイユ王女の本性2
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「少々話がそれたが……
この王国では、16歳を迎えた時に“天命の儀”を執り行っているのだ」
俺が別の世界から転移させられたため、王国のことを説明してくれているソレイユ王女。
一つ説明してから俺が理解しているのかという感じでジッと見つめてくるので、
その視線に応えるように頷くと、そのまま説明を再開してくれた。
「天命の儀で神に選ばれたものは、1つ魔法を授かることになる」
「……この世界での魔法は、その天命の儀を経て授かっているってこと?」
そんな俺の質問にソレイユは首を横に降って、右手の指を3つ立てて、
「魔法を授かるには3つの方法がある。
……いや、まあ魔法を使うと言う意味では4つ……いや、5つだな」
目の前に立てていた3つの指からさらに2本の指を立てて5を示す。
そして、ソレイユ王女はまた話を再開する。
「まず1つ目は今言ったように天命の儀を経て、魔法を神から授かる方法が1つだ」
そこで一旦紅茶を啜り、一呼吸をおいてから更に説明を続けてくれる。
「2つ目が、天命の儀をせずに神からの天啓で魔法を授かることだ」
「へぇ~、そんなこともあるの?
その場合はどんなタイミングになるの?
16歳前だったりするの?」
そんな俺の質問に頷くソレイユ王女。
ただ、気になるのは……その横で俺を鋭い視線で睨んでくるお付きの人の視線だ。
まあ、分かっていたけど、ソレイユ王女が敬語は使うなといったとは言え、
普通に友人に話すような言葉遣いをしている俺が気に入らないのは分かるよ……
分かるけども!!
それならソレイユ王女に言ってもらっていいですかね!!
そんな俺からの猛抗議など知る由もないソレイユ王女は、
何事もなく話を続けてくれる。
「ああ、その通りだ。神からの天啓は年齢問わず授かる。
過去には16歳以下もあれば、20歳で授かることもあった。
それも授かるタイミングはまちまちで、寝ているタイミングもあれば、
街を歩いている時に授かることもあるらしい」
「……なかなか大変だな。
トイレに行っている時に授かったりしたら、用も止まりそうだし」
そんなバカな事を言ったことに対してソレイユは苦笑しながら、
「確かに貴様の言う通りだな、そんなタイミングで来たら出るものも止まってしまうな。
過去には、まぐわっている最中に授かったらしくて、
その話を聞いた貴族共がまぐわう回数が劇的に増えたとかいった与太話もあるくらいだ」
「……なるほどね……」
「まあ、奴等の頭の中は、常にどう色んな女とまぐわうかしか考えていないからな。
その理由に使っただけだと思うぞ。
ちなみにそのせいなのか、我々の代の子供の数は、
歴代の子供数の倍以上いる……
まあ、人口増加の役には立ってくれたのはいいことだな。
色んな意味で人は多い方がいいからな」
ヤレヤレといった感じの態度のソレイユだけど、あなたも貴族側の人間だと思うけど?
そんなことを言ってもいいのかよ?
と、心の中では思うけど、決してそんな事は口に出す気もないけどさ……
そしてソレイユ王女はクククっと笑った後、また話を再開する。
「あとは、貴様たちのように勇者として異世界から転移させた時、
その中で何人かが魔法を授かる。
貴様が授かった異空間や他の勇者が使える火の魔法の一つとされる爆発
なんかが、まさにそれだな」
「ああ、騒いでいたね……」
自分のことはさておいて、一緒にこの世界に転移した中の一人に爆発の魔法を使える者がいて、
皆から救世主の再来だ!! とものすごく騒がれていたのを思い出す。
この王国の国王なんて、王座から立ち上がって、
火の魔法が使えた異世界からの勇者の傍に言って、手をとり称えていた。
一方で俺はと言えば……
俺が自分のことを思い出していることを悟ってか、愉快そうな顔をして、
「逆に貴様は微妙な顔をされたな、クククッ」
たしかにソレイユの言うとおりで、俺の異空間が判明した時には、
皆が何とも言えない顔をした……
いや、正確には異空間魔法自体には目を輝かせていたが、
その容量を知ったときに失望したのだ。
異空間魔法の異空間に収納できる要領は、魔力量で決まる。
当然魔法なんてない世界から来たのだから、魔力量なんてカスくらいしかない。
俺的には、それでも僅かながらでも魔力を保有していることに驚いたけど……
ちなみに同じタイミングで転移してきた俺と同じように異世界からきたクラスメイト達……
こちらの世界では勇者たちと呼ばれる存在なのだけど……
大半は魔力がなく、それを考えると俺はまだ魔力がある方だが……
爆発の魔法を授かった勇者のほうがあったし、何より驚かされたのは、
こちらの連中と比べても遜色ないほどにあったことだ……何で?
片や俺は、容量を確認するために剣を何本異空間に納めることができるか、
国王やお偉いさんたちが見守る前で実践して調べた結果、
剣を数本納めるくらいの容量しかないためあからさまにガッカリされたのである。
そして俺は外れ勇者というレッテルを貼られることになったのだが……
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