表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女の犬  作者: Taさん
第一章 魔導書を手に入れろ!
1/119

第1話目 ソレイユ王女の本性1

いつも読んでいただきありがとうございます!

今日から宜しくお願いしますねー!!

「まあ、座れ。それとクラスメイトなのだから、この場での礼も敬語も不要だ。

 貴様がいつもクラスメイトたちと喋っているように話せばいい。

 貴様も知っているだろう?

 この学園では外での家柄など関係もなく、誰もが平等であるべきだという理念の下で

 教育が施されているということを」



「……教室でのいつもの態度と雲泥の差だな」



俺に対面の席に座るように促す相手であるソレイユ王女は、足を組んで椅子に座り、

優雅に紅茶を嗜でいる。


今の口調にまさしく相応しいその態度だ……


だが、俺の知っている同級生の彼女はクラスでは、

微笑みながら優しい口調でクラスメイト達と談笑している姿しか知らなかった。



……今目の前にいるのが本当に本人なのか疑いたくなるくらい態度が違う。


そんなことを思っていることを知ってか知らずか、

当のソレイユ王女は俺を見ながらニヤリと笑って、




「光栄に思っていいぞ。

 素の私を知っている人物なんて、指を数えるくらいしかいないからな。

 父や母も私の素なんてものを知らないぞ。

 ある意味、肉親よりも私のことを知っている間柄になったな。

 これは間違いなく“親しい間柄”になったといっても過言ではないな」



「……全くもって嬉しくないけどね。

 そんな特別な対応はいらないし……

 出来れば同じクラスメイト達に接する対応のほうがいいけど……」



そこまで言ってチラリと彼女の方を見るのだが、

俺の言葉を聞いて彼女は鼻で笑うと、




「フン! 貴様は、あんな猫被りの私のほうがいいのか?」



「……出来れば……」



そんな俺からの希望なんて全然届かない様子でソレイユ王女は紅茶を啜り一拍置いてから、




「もう手遅れだろ? 素で話しているのに?

 今さら猫をかぶった私の口調で話しても、まったく信用できるとは思えないだろう?

 違うか?」



「……え? ……いや、見なかったことにするけど?」



そんな俺の返答がよっぽど面白かったのだろう。


聞いた瞬間は間抜けな顔をしたかと思ったら、

次の瞬間には腹を抱えて笑いだすソレイユ王女。


本当に楽しかったのだろう、必死に笑いを堪えようとするのだが、

そんな行為が無駄抵抗のようで肩が震えて止まらない。


そんなソレイユ王女の傍にいた同じクラスメイトのお付きの子が

指を額に当てて頭を抱えるのである。



……その気持ち分かるよ……



そんなシンパシーをその子に感じていながらソレイユ王女を見ていると、

ひときしり笑ってから、やっと顔を上げたかと思ったら、

涙をぬぐいながら顔をこちらへと向けて、ふぅ~っと一息つく。


一息つくことでどうやら落ち着いたようだ。

こちらに向かってソレイユ王女は、ほほ笑んだかと思ったら、




「貴様に一つ頼みがある」



さらりと頼みごとを言ってきたのである。


顔は笑みを浮かべているが、目元は違い、

鋭く今にも俺を射殺そうかというくらい鋭い視線を向けている。




「……ちなみにだけど……嫌と言う選択肢はある?」



「あきらめろ」



俺の質問を一刀両断するソレイユ王女。



なるほどね……



もう選択肢はないのね……



そして俺がYESと返事をする前に笑みを浮かべたままこちらに要件を述べてくるのである。




「あと3ヶ月後に私の誕生日があるのは知っているか?」



「……一応」



最初の授業のガイダンスで、年間予定の説明があった。


その時に己の耳を疑ったのが、この国の第一王女であるソレイユ王女の生誕の日は

学校が休みとなり、王都民は全員城の近辺に集まって、

バルコニーから顔を出すソレイユ王女に歓声を上げなくてはならないらしい。



……頭でも狂っているのか? 何でたかだか王女の生誕を祝わなければならないのだよ……


それもすべての王都民を上げて祝うってさ!!


そんなことを考えていることは悟られることなく、

俺が知っていたことに満足した顔を浮かべてソレイユ王女は話を進めていく。




「よく覚えていたな、褒めてやる。

 で・だ、その時に私は16歳の誕生日を迎えるのだ」



「へぇ~」



と、思わず漏れてしまった全く興味がない返事を聞いた途端、

ソレイユ王女の横に控えていたお付きの子が剣を抜いたかと思ったら、

俺に向かって剣を振りかぶり今にも俺を切り捨てようとするのである!!


そんなお付きの子をソレイユ王女が手で制してから付き人の子に顔を向けて、




「まあ、待て……斬り捨てるかどうかは、こいつの返事で決まる。

 それまでは……斬るな。その後は、どうしても良い」



「……その言い方に気になる点があるのだけど……お望みの回答以外だと?」



ニッコリと微笑むのみでなんの回答もしてこないソレイユ王女。



……そっか……


俺……1つの回答を間違えただけで、異世界ライフが終わってしまうのね……


どうやら薄氷の上にいるということを俺が理解したことに満足したようで、

一つ笑みを浮かべてから話を再開するのであった。

いつも読んでいただきありがとうございます!

是非ともブックマークおよび評価をお願いします!

そのワンポチが……明日のやる気に!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ