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詩❲情景❳

見ずに流れる

作者: 日浦海里

水が流れている


地面の上を

流れている


地に無造作に置かれた

石や岩に触れて

包むように

僅かに盛り上がり

撫でるように

蛇行しながら


水が流れていく


岩の狭間を

流れていく


川辺の隅でゆっくりと

あたりの景色に触れて

一休みするように

ゆっくりと立ち止まり

かたや

焦るように

泡立てながら


水が流れている


地を分かち

断つように


地面はずっと繋がっている

山があって谷があって

まったく平らかではないけれど

水はその隙間を縫うように

そう「ある」というだけで


川は流れている


時には断ち切るものとして

そこにあってただ流れて

時には互いを繋ぐものとして

何も変わらずに

捉え方が違うだけで


ただ流れ続けている


一つ一つに何も差はない

どれもみな同じもので

時に立ち止まるものもあるけれど

変わっていくのは周りばかりで

変えていくのは周りばかりで


水はただ流れている


流れ


流れ着いて


また還る

温められて膨張して

空気中に浮かんだり

冷やされて固まって

その場に留まったり


性質が変わることはあるけれど

その性質もまた同じだから

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― 新着の感想 ―
[一言]  全ては水が生する地球の循環  その循環には生命の泉として  動植物の中にも入り潤し排す  営みの中にも身体にも循環し  滴る甘い蜜に誘われ落ちる恋  人生もやがては還る時が来る  形を変え…
[一言]  私は、雨の日。  窓ガラスの水滴を見るのが好きでした。  はりついていても、近くにできた水滴と結びつき。  大きくなると、自重に耐えきれず、流れ落ちてゆく。  面白いのか、物悲しいのか。…
[良い点]  水が流れ集まり、川になり、海に流れ着いて  また、空に還る。  水は形を変えて廻る。本質的には水として。  そこに「ある」。  外側から眺めて、様々に考えるのは人なの  ですよね。  …
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