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あの日の指切りげんまん。

作者: 泉末広

遠い約束だと思っていた。

あの日から指折り数えて、知りたいこの日は消えていた。

無為のうたた寝、有為な寝返り。

身近な未来は、軽薄な過去になっていた。

遠い約束だと思っていたのに。

指折り数えることをやめたあの日から、消したいこの日は花弁を無作為に摘んでは近づいた。

好きか嫌いで言うのなら、口をつぐんで告白します。

疚しい気持ちはそのままに、ひと夏の作り話を準備して。

やり直しは効かない約束とは聞いてない。

ほんとは、知らないふりして聞いてないわけないじゃない。

あの日の遠い約束が叶ってしまう。

寝苦しいうたた寝、瀬戸際の寝返り。

忘れたい約束、手縫いの帳、覗いて見えるは悔やみ顔。

消したい約束、手縫いの帳、覗いて見せるは白み顔。

針の筵で見る夢は、途方もない告白から語り出す。

この日に遠い約束を破ってしまえ。

これでいいか悪いかで決めるなら、瞳を閉じて指切った。

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