4 攻略Wiki
「鉄騎戦線ジャッカルONLINE」のゲーム世界においてはパソコンやタブレット端末などを用いる事で現実世界のWebページを閲覧する事ができる。
現実世界での1秒がゲーム世界の10秒に加速されている都合上、動画投稿サイトのライブ配信なんかを見るのには適していないが、攻略サイトを調べるのには時間効率がよろしいわけだ。
甘味処の狭い店内に他に客は1組だけ。
今はマモル君はクリームあんみつに夢中になっているし、食べ終わったら予備のタブレットでマンガでも読み始めるだろう。
店内が混み入ってこない限りはしばらくは飲み物のお代わりでも注文しながらねばっていても大丈夫なハズ。
私がマモル君から借りたタブレットで開いたのは「鉄騎戦線ジャッカルONLINE攻略Wiki」。
ユーザー有志たちが情報を書き込んでいくスタイルの攻略サイトだ。
もっともβテストの段階ではユーザーたちが協力してもホワイトナイト・ノーブルを倒す事はできなかったようで、最終的には自分自身でノーブルの攻略作戦を作る必要があるわけなのだけれど、その前段階にあたる戦力拡充を効率的に進めるためには役に立ってくれるだろう。
▷ゲーム概要
+PC版の動作環境
▷登録方法
▷HuMoの操作方法
▷FAQ、よくある質問
+初心者の貴方へ、ゲームを始めたら
▷課金システムについて
▷用語、略語辞典
▷アップデート情報
▷現在、確認されているバグ
この辺は前にやってたゲームの攻略Wikiにもあったのでもしかするとどのゲームでもお決まりで作られている項目なのかもしれない。
まあ、今のところはこの辺は見とかなくてもいいだろう。
なにせ私はゲーム友達がいるわけでもないから用語だとかは別に知らなくてもいいし、バグを使ってノーブルを倒そうとも思わない。
私がこのゲームをプレイしているのはVRゲーム専用のゲーム機なので、ゲーミングPCみたいに構成要件を確認する必要も無いだろう。
さて、他には……。
▷HuMo一覧
+各陣営ごと
+トヨトミ重工
+サムソン経済圏
+ウライコフ工廠
+プレミアム(課金)機体
▷機体選択のポイント
▷武装一覧
+トヨトミ重工
+サムソン経済圏
+ウライコフ工廠
+共通
▷武装選択のポイント
▷中立都市施設一覧
+HuMo関係
+飲食、娯楽施設
▷難易度別ミッション解説
+☆
+☆☆
+☆☆☆
+☆☆☆☆
+☆☆☆☆☆
+☆☆☆☆☆☆
+☆☆☆☆☆☆☆
+☆☆☆☆☆☆☆☆
+☆☆☆☆☆☆☆☆☆
やはりというか、攻略Wikiの中でもっとも大きな比重が取られているのか戦闘に関わる機体、武装、ミッション関連だ。
たとえば「HuMo一覧」の項目から「サムソン経済圏」の小項目をタッチすると、各ランクごとに分けられた機体が表示され、ランク3の中から私の愛機であるニムロッドを表示させてみると画像データとともにゲーム内で使われる各性能値や設定上のフレーバーテキスト、またはツリー形式となっているプレイヤーたちのコメント欄が表示される。
「うん、そんな悪い機体じゃないってとこだけでも分かれば十分か……」
特に私としては今現在、比較したい機体があるわけではないので機体解説のところに「ランクを考えれば十分な性能を持つバランス型。ただし装甲はまったくもってあてにならないので注意」と書かれているのを見てとりあえず一安心といったところ。
ふと陣営別機体一覧に戻って同陣営同ランクのオライオンの項を見てみると「装甲値だけはそれなりにあるが、かといって頼りにできるほどではない。むしろそのせいか同ランクのニムロッドに比べて重量が嵩んでしまっているために機動性関連の性能が物足りない」と書かれているのを見て自分の選択が正しかった事で内心ながら喜んでいたくらいだ。
まあ、そんな事はむしろ今ではなく、ニムロッドを購入する前に確認しておくべきであった事は言うまでもないが。
機体選択はそんなに間違っていなかった。それどころかやはり機動力特化型や火力特化、装甲特化型の機体はチームプレイ前提である事も分かってソロの私としては最適解の選択をしてきたと言ってもいいだろう。
ところが武装となるとそうも言ってはいられない。
なにせ私はノーブルに一度やられてしまってから、再出撃の時にせっかく買ったアサルトカービンを売っぱらってしまっていたのだ。
その売却代金で買ったのがナイフやら警棒やらの延長線上の拳銃なのだから目も当てられない。
いくらなんでもあの時の私は頭に血が昇っていたとしか思えない。
私が現在持っている武器はビームソードに拳銃、そしてナイフだけ。
課金特典のミサイルも売っていたわけで、交戦距離が数kmの段階から始まるHuMo戦で私が使えるのは刃物の短砲身の拳銃だけという事になってしまったわけだ。
「難易度☆のミッションでちょいとお金を貯めて、ランク1のライフルを買い直してやり直すか……?」
それは効率的なプレイとは言い難いように思えた。
むしろ後退と言ってもいいだろう。
かといって他の選択肢があるのだろうか?
難易度☆☆のミッションではランク1とはいえ複数のHuMoが敵として登場するのに、こっちは近づかなきゃマトモに攻撃する事もできないのだ。
昨日のノーブルの緊急ミッションを受ける前までは難易度☆☆☆のミッションを試してみようかという話になっていたのに、これではノーブルに雪辱を果たすどころか他のプレイヤーに置いていかれる一方ではないか。
「……はあ。どうしたものかしらね」
マモル君に助言を求めてみようかとも思ったものの、一口クリームあんみつを頬張っては顔を綻ばれてながら床に届かない脚をプラプラさせて至福の時間を楽しんでいる子供に面倒な話を振るのも無粋に思われた。
せめてこの話をするにしてもガレージに戻ってからにしよう。
他に何か面白そうなところはないかと攻略Wikiに目を戻すと「ユーザー補助AI」という項を見つけた。
その小項目の中に「オススメAIベスト10、ワースト10」というのを見つけ、興味本位で覗いてみるとβテスト版でのAIのオススメ度をユーザーたちが投票形式でランキングを作ったものらしい。
このゲームでは各プレイヤーに対して1人ずつあてがわれるユーザー補助AIは各キャラクターごとに個性があって、その個性によりだいぶゲームプレイの難易度に差が出てくるらしい。
例えばベスト10を見てみると……。
1位 アシモフγ-30
2位 マオ=マオ
3位 アブドゥル=アルハザード
4位 亜紗美
5位 ガランフォード
6位 絶望のゼス
7位 ドンキ=フォルテ
8位 サイボーグ猫
9位 サブリナ
10位 レイ
と順位ごとに各キャラクターごとの顔の画像が張られていて、さらに簡単な解説が添えられている。
1位の「アシモフγ-30」を見てみると、画像はSF映画に出てくるようないかにも機械の体ですというロボットなのにその性能は非の打ちどころの無いものだという事が分かる。
・物腰柔らかく、どのようなNPCキャラクターに対しても友好的な関係を築ける。
・ロボットだけに損傷に強く、HuMoに乗っていない時はプレイヤーを庇ってくれる。
・さらにロボットなので装備を用意しなくともセンサー類を駆使して生身での探索に役立ってくれる。
・HuMoに乗せた場合、それがどのような機種であっても平均点以上の仕事をこなしてプレイヤーをサポートしてくれる。
・綺麗な声で感情の無いロボット感丸出しのセリフが萌える。
今度は逆にワースト10のランキングを見てみると、そこには第6位に「マモル」の文字を見つけてしまった。
その項目に掲載されている画像とテーブルの向かいにいる子を見比べてみてもまったく同じ。
どうやら同名のキャラクターというわけでもないようだ。
恐る恐る解説を見てみると、そこには……。
・いつも毒を吐いてプレイヤーのモチベーションを削ぎ落しにかかってくる。
・子供なので身体能力が低く、生身での戦闘は不適。
・補助AI本来の役割であるプレイヤーへのアドバイスも本人が心配性であるためか的を外している事が多々ある。
・一応、HuMoの免許は持っているが、体が小さいためにHuMoのパイロットとして戦闘に駆り出すにはクレジットを使ってコックピットの改造が必要。改造を施した場合はプレイヤーが大人である場合は乗れなくなる。
・パイロットしてミッションにつれてった場合も消極的な戦い方しかしてくれない。一応はスナイパーライフルを持たせる事での後方からの支援は意外と上手い。
→正式サービス開始時には「プレイヤーに立ち回りを憶えてもらうため」という理由でスナイパーライフルはしばらく実装されない事が運営からアナウンスされている。
という随分と辛辣なコメントが並んでいた。
ついでに言うと、他の項目を見てみるとワースト10の1位から5位はHuMoの操縦免許を持っていないキャラクターばかりであるので、免許を持っているキャラクターに限定してみるとマモル君がトップになってしまうわけだ。
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