表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真水のスライム  作者: ふぃる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/228

93話 白と黒③

 エンの魔術の光の中で、記憶が垣間見える。



 どこかの山のふもと、木々が生い茂る場所。

 ひっそり存在する村、そこでの騒動。

 中腹ほどにひっそり存在する、小さな洞穴。

 そして、そこを懐かしいと思う気持ち。

 見た事の無い土地、街、文化。

 そしてあれは、砂漠や海?

 景色が次々にうつろい、思い出が共鳴する。


 やがて横たわる角塔にたどり着き、事のはじまりの時。

 同時に精神世界を終わらせようと、黒い力が辺りを染めようとしてくる。

 負けじとエンの青い光が強さを増す。


 こちらから干渉できないのがもどかしい。ただ見ている事しかできない。

 青を抑え込み断ち切ろうと、黒が圧をかけてくる。だが青も反発、拮抗する。

 そこに白い光も加わり、均衡が崩れる。

 白と青のグラデーションの光が侵入を拒み、黒が諦めたかのように引いていく。



 光が鎮まり、正常な視界が戻ってくる。

 相変わらず息苦しい程の魔力濃度ではあるが、黒いもやは見当たらない。

 エンの目論見は成功か否か。いい方向に行ってればいいが。


「ぐ……ッ!」

 集中が切れ、まともな感覚が戻ってくる。炎の流出が止まらない。左腕が焼ける痛みが、余す所なく伝わる。

 外そうにも腕輪も熱を持ち、まともに触れる事すらできない。激痛で目がかすみ、思考がにぶる。

 どうにか炎として魔力を放出しながら、せめてもの現状把握を……。


 天井の窓から下りてきて、何か指示を出してる。

 言い争いの様子は無い。知ってる人?

 その人の指示だろう。ラディが駆け寄ってきて、自分の腕を抱える。

 ラディ冷たさのお陰で、多少ながら苦痛が和らぐ。

 右手で触れてみて、左腕が氷に覆われている事に気付いた。


 左腕はもう、熱さも冷たさも感じとってはいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ