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真水のスライム  作者: ふぃる


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88/228

88話 救出作戦①

「じゃあ挑む方向で、情報をまとめるね。」

 改めて、広げられてる地図で大まかな位置の確認。

「前にも言ったけど、『発生源は古代遺跡にいる』。これがギルド側も持ってる情報。

 具体的にはここ、『横たわる角塔』。レミレニア付近のは、そこしかない。」

「なんでそこまで分かってるのに、まだ誰もかいけつに行かないのです?」

「大きすぎるのよ、規模が。

 倒壊した塔がいくつもあって、それが広域に渡って点在してる。

 加えて神話時代の大乱の影響で、中の空間が歪んでるらしいの。だから実質的にはさらに広域になる。」

 そう言いエンが指し示した範囲は、まともに探索したら気が遠くなりそうな広さがあった。

「魔力的な歪みはこの全域に渡ってるから、観測上の魔力濃度もあくまで推定でしかない。

 発生源も『この範囲内のどこにあるか分からない』というのがギルドの現状。」

「けど、エンはその場所を知っている、と。」

「おおよそはね。近くまで行けば細かく特定できると思う。

 で、そのおおよその場所はここ、濃度210地点。銀板での探索範囲内。」

 そう言い指た場所は、探索範囲のかなり端の方。

「行けちゃうもの、なのか。」

「こんな状況への柔軟な対応なんて、お堅い奴らにはできないもの。

 形式的に観測点から濃度を観測して、250以下なら銀板の探索範囲内とする。そのルールに縛られず随時対応なんて『面倒な事』は、行われていない。

 というか、濃度分布の更新状況からして、調査も碌に行われてないわね。」


「で、出会った後のやり方。」

 エンが地図を片付け、次の話に。

「二人は普段通りでいい。時間を稼いでくれれば、術に乗じて接触できる。

 そのまま解呪できれば一番楽ではあるけど、それで駄目なら次の段階。

 ある程度打ち込んで魔力の支配域を取れれば、大技で一気に攻めれる。」

「そんなに綺麗に回るものなのか?」

 口にした疑問に、エンが答える。

「…分からない。意識を探った所で、正気に戻せるか、意識に触れられるか、そもそも潜り込めるかも。

 だから、駄目だと私が合図したら、あるいは無理だと判断したら。

 その時は撤退するか…できれば、これ以上あの子の被害を出さないよう、私たちの手で。」

 なるべく考えたくもないような想定であろうが、それでも決意の言葉を絞り出す。

「信頼する以上、現地でどう判断しても恨まない。

 だから、あの子が一番苦しまないで済む選択をお願い。」

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