67話 決意と共に②
再びやってきた濃度130のエリア。
今になって思う。雑草すら全く見当たらないのは、あの「関門の獅子」の影響だろう。とすると奴の活動エリアは、かなり広域と見える。
「どう? 見つかりそう?」
「…ダメ。やっぱり探索範囲を伸ばそうとしても、維持ができない。
あいつの探知範囲の広さには、全然届かない。」
「そうか…分かった。」
駄目元での試行ではあったが、やはり少し残念ではある。
「探知エリア同士で触れたら分かるかもだけど、期待しないどいて。」
「偶然出会うのを待つしかない…か。」
「じゃあ『関門』以外の話になるけど、ひとついい?」
「あぁ、何だ?」
「さっきから一体、大きな魔物が探索範囲に入ってきてる。多分一般討伐リストにいるやつ。
とりあえず戦果を確保するなら今の内だけど、どうする?」
…大物一点狙いが厳しいなら、そこらで稼ぐのが賢明か。
「詳細は?」
「この間の熊に似てる。その同族だと思う。」
「『黒腕の大熊』の事か。」
変わった事はしてこない代わりに、単純に力が強い。とりあえず耐えて様子見するのが難しい分、この地域の力量が把握できてない今は、手を出したくないタイプだ。
「他にはいないのか?」
「今のところその1体。他を探しに行く?」
その方が安全だろうが、そこに割り込む一言。
「やらせてください。」
そう言い切ったのはラディだった。
確かに強さを測り知るのにラディは適任。だがそれは、ラディが「全力」を出してよければの話。
それはラディも分かってるはず。
「大丈夫、なのか?」
「…こわい、けど、ここで逃げちゃいけない。そんな気がして。」
その言葉に、迷いは感じられなかった。
「分かった。ラディを主体として討伐しに行く。
それでいい?」
「…ラディ、大丈夫なのね?」
再度のエンからの確認に、迷いなくラディが答える。
「はい、やれます。」
それを聞いて、エンも決心がついたらしい。




