66話 幕間:魔王と眷属
「ところで『けんぞく』とはいったい?」
話が纏まったところでのラディの質問に、エンが答える。
「…もしかして『魔王』の事から知らない?」
「……はい、よろしくおねがいします。」
「まず『魔王』っていうのは、強大な魔力を持った存在の事。
細かい説明は省く…というより不明な点が多いけど、時折発生するの。長い事存在を確認されてなかったけど、その線が濃いものとして見られてるわね。」
「魔力が濃いというのも、かんけいしてます?」
「えぇ。『魔王』による副次現象の1つがそれ、魔力濃度の増加。
そしてもう1つが例の『眷属』なの。」
「それって、ただつよいだけの魔物ではないのです?」
「眷属は魔王が発生したのち、4~5体現れる魔物の総称。
まるで祝福でも受けているかのように魔王の魔力に適応・増幅して扱う事から、魔王の眷属とされ、そう呼ばれるようになった。
『関門の獅子』の場合、停滞し続ける魔力が多分それね。普通なら魔力がすぐ霧散するような使い方だけど、あいつのはずっと漂い続けてた。」
「あれくらいつよいのが、他にももっといるのです?」
「既に発見されてるだけでも他に『月落としの兎』と『飛蛇』、未確認のもまだいるでしょうね。」
「そこまで分かってるのに、おおもとは分からないのです?」
「…対策そのものが後手後手だったのよ。
なにせ前に魔王が確認されたのが700年前。その時に盛大に討伐されて、それ以来現れない事から完全に消滅したと思われてた。
小規模とはいえ、魔王現象が発生してる事自体が異常なのよ。
対応が遅れるのはまだ分かるけど、現状維持で一旦対応できてると思ってるのは悠長としか言えないわね。」
「…なるほどです。」




