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真水のスライム  作者: ふぃる


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34/228

34話 討伐依頼④

「ごめんなさい、てまどりすぎました。」

 地に伏す銀鞭の骸、その首に深々と刺さっている短剣。昨日ラディが買ったやつだ。

 どうやって、と思ったがラディを見て納得した。

「…ボウガンか。」

 確か弓の教本に、ボウガンの挿絵も何点かあった。それを模したラディの右腕が、短剣を矢として撃ったのだろう。

 とか余計な事を考えてる内に、ラディが放つ2発目。小石だろうか、第二のこめかみに命中

 剣に絡まった鞭がゆるむ、瞬で絡みをほどく。そのまま踏み込み、よろけた首へと刺突。阻むものもなく、そのまま引き裂く。


 フリーになった所で最初に来た奴を…と思ったが、牽制の炎柱の向こうには既に姿は無く。

 他にも離れていく物音がいくつか。一応しばらく警戒し続けるが、動く気配はもう無かった。



「…逃げられたわね。」

 暫しの様子見ののち、エンが警戒を緩める。

「どうする? 追うか?」

「…いいえ、やめておきましょ。リスクが大きすぎる。

 それに、そろそろしんどくなってきてるんじゃない?」

 気が緩み、感じ始める疲労感。だが、これくらいなら大したものではない。

「…いや、まだ行ける。」

「今、ちょっと迷ったでしょ。そう曖昧な状態なら、やめといた方がいいわ。

 そういうのが事故の元って事は多いし。」

 否定できない話。が、もどかしさもある。取り逃しのもやもやした気持ちと共に、エンのプランに乗る事にした。



「しかし、こういう場合ってどう計測されるんだ?」

 帰路の途中で、ふと思い出す。すぐに必要な情報ではないし、と流し読みにしていた部分。

「報酬金の事?」

「あぁ。」

「ちゃんとリスト見てなかったの?」

「さっと通して程度で細部までは……。」

 ため息ひとつの間を開け、エンが続ける。

「…まぁ、別にいいけど。

 とりあえず簡易リストに報酬額が載ってたでしょ。あれが1体あたりの報酬額。」

「1体あたり……。」

 リストの金額を記憶から辿る。確か以前までの依頼の通常報酬より多くて、それが2体分……。

「……やけに多くない?」

「そんくらい無いと誰もやりたがらないのよ、集団戦は。

 危険だし対策にも手間がかかる、できればやりたくない相手。

 だから強さの割に報酬は割高、しかも全討伐に成功したら追加報酬付き。それでやっと消化されるようになったんだって。」

「…なるほどな。」

 逃げられなければおそらく全討伐まで行けてた…いや、そういうのも込みでの高報酬なのだろう。

 仕方なしの撤退とはいえ、どうしても惜しいと思う気持ちに引っ張られてしまう。

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