32話 討伐依頼②
リストを貰い、向かう目的地。
しかしその道中から、少しずつ「違い」は出てきていた。
体が重い。常に数キロの荷物を余計に背負ってるような感覚。
多少の息苦しさ、ついでのように上がる湿度。こうして歩くだけでも、じわじわと削られる体力。
支障が出る、というほどではない。今のところは。
魔力の濃度差に苦戦したという話は、聞かないわけでもなかった。
苦労話の中でも滅多に聞かない事ではあったが、一応の覚悟はしてるつもりではあった。
まだ大丈夫ではあるが、確か濃度300は観測されてると言ってたっけか。…自分には遠い世界に思えてしまう。
ラディの方は…別に平気そうだ。むしろ普段より元気そう?
元々魔力濃度が高い所に住んでたのか、あるいは……。
ともあれ最大の懸念点だったところだ。そこに関しては一安心。
エンはとっくに慣れた、という様子。これまでとの変わりは見られない。
適性に差はあるが、慣らせば症状は和らぎ問題はなくなる、らしい。
同時に、何故魔物の強さではなく地域の魔力濃度の方が重視されるかも、納得がいった。
一つの障害なんだ、環境そのものが。
棲む魔物も当然相応に強いのだろう。だがそれ以上に、この環境によるコンディションダウン。
仮にこの調子のまま更に深く潜ったら、さほど深く行けないまま、まともに動くのもつらくなるだろう。
戦えるかどうか以前の話。何らかの教える機会が今後できた時の為に、この経験はしかと覚えておこう。
…単にあまりにも適性が無さ過ぎての重さだったら…笑い話としたは上々か。
こんな場所でも、いずれは平然と歩けるようになるのだろうか、なんて考えながらの途中、先頭のエンの制止。
従い立ち止まり様子見。…やっぱり自分には探知できないが、会敵の合図。
しかし様子がおかしい。いつもより急な合図、強く張る警戒。
「…囲まれてる。誘い出されたわね。
二人で後方お願い。こっち側は抑えきる。」
「分かった。」




