196話 それぞれの答え②
その後、自分は自分で何か情報を求め遊技場へ。
普通に開いてる時に来るのは初だ。どういうひと達が来てるのか、どういう空気感なのか、伺う事はできない。
けど、入り口前で立ち尽くしてても仕方ない。意を決し、立ち入る。
「よぅ、いらっしゃ。」
最初の声はジェイクさん。奥のカウンターで頬杖を突き、眼前の大卓を観戦している。
大卓には6人、何やらカードを扱ってるのが隙間から見える。
「新人か?」
その内の1人が、こちらか、あるいはジェイクさんと双方に問う。
「あれだ、宿の今の客だよ。」
「あぁ、そういう。」
その一言でおおよそ把握したらしい一同。どうやら毎度の事らしい。
その中の1人が手札を卓上に伏せて置き、席を立つ。
「じゃ、どんだけやれるかこの俺が試してやろう。フォールドだ。」
そう言い大卓の勝負を降り、こちらに来る。
見た目はおおよそ人とは変わらないが、肌は異様なまでに赤く、額からは骨状のツノが2本。
「うわー」「出た出た」などとの小言が卓内で飛ぶ。ジェイクさんもため息ひとつののち、見守りの構え。
しかし、わざわざ止められるような事は無く、悪意によるものではない事は察せられる。
「で、どんなゲームを?」
途中、脇の棚からカードの束を取り、近くの小卓に置きながら言う。
「ポーカーっつーカードゲームだ。ま、レクチャー兼ねてやってやっから席につきな。」
座ったところでカウンターの方から、ジェイクさんが一言。
「例によってそいつの分の場代も、お前につけとくからな。」
「おうよ。」
「っつー流れだ。」
実際に卓上にカードを広げ、賭け金の動きも余ったカードで見立てて示す。
「で、勝った奴が賭け金総取りって訳だ。
がタイマンじゃ普通にやっても賭け金跳ねず味気ねぇってんで、役の強さで倍率を付けるローカルルールがある。そいつでいいか?」
そう言い壁を指さす。そこには倍率表の張り紙があった。
「……分かった、それで勝負しましょう。」