シントでの冒険譚①(105~184話あらすじ)
シントに到着したセイルとラディは、ハルドレーンの助力に従い彼の知人を頼る事にしました。
その人はシントで「英傑」と呼ばれる役職である。その情報を頼りにたどり着き、住み込みで宿とする代わりに英傑補佐として手伝う事になりました。
英傑補佐としての暮らしは、まず街を知る事からでした。
「塔」を中心に蜘蛛の巣状に広がる路、英傑の為に用意された「上層の路」。
時折駆ける英傑を見かけるその風景は、これまでに無い目新しさがありました。
最初に任された役割は、英傑補佐らしく情報の中継でした。
三兄弟からの情報を受け、受けれる範疇を取捨選択する担当。
始める前は余裕と思っていましたが、流れ込む情報、およびその取捨選択、常に走り続けるテムスの追走、予想以上に過酷な役割でした。
そんな活動の途中、ふとしたきっかけから、戦力としての活動へ転じる事となりました。
続いてラディも苦戦はしましたが、セイルの補佐という形で英傑として活動し始めました。
祭りを楽しんだり、大きな戦いに加わったり。時には街の外での活動に助力したりしました。
その活動の中で、幾度か「鈍色仮面」と呼ばれる一団と遭遇しましたが、その正体は掴めませんでした。
それでも英傑によって守られ平穏を保たれるこの街は、興味深いものでした。
ですが、事は突然に動き始めました。
冒険団への助力からの帰路の途中、シントの最高位であるパラディンの一人、ミツキが襲撃してきました。
彼の言う「天啓」はラディが魔物である事を見抜いており、討伐対象として狙ってきました。
そこで手を貸してくれたのは、鈍色仮面の一人でした。
いつかの時の黒いカーテンのようなもので覆われ捕らえられ、どこかへ連れ去られました。