表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/228

167話 代償の穴埋め①

 翌朝、パーティルームの居間。

 ラディはまだ寝室らしい。後で起こしに行かなければ。

 ニッグさんは既に起きてはいるものの──

「おはよ。…眠そうだけど大丈夫?」

「あ、おはようございま…ふあぁ……。」

 大きなあくび、目をこすりながら言葉を続ける。

「恥ずかしながら、お二人がレミレニアの当事者だと思うとそわそわして、中々寝れず……。」

「…当事者とは言っても、そんな大したことなんて──」

「だって『700年振りの魔王の兆し』なんて御伽噺みたいな…その……。」

 続く言葉は寝ぼけ頭に飲み込まれ、途切れる。

 自分の感覚の内では「友人の手助けをした」くらいの気持ちで、そんな大事に関与した実感は未だに無い。

 それ故のこういうギャップの違和感は、どうにも慣れない。


「そういえば、昨日の話でだと左腕って……。」

 そうか、昨日は語るだけ語って、見せそびれていたな。

「あぁ、実は今はこうなってるんだ。」

 少し集中し、左腕のイメージを一旦消してみる。「現出の輪」により造られていた、左肘から先が光の粒子となって霧散する。

 最近は馴染んできて自分でも失念する事すらあるが、あの時の戦いの代償だ。

 傷口は大分治ってきてはいるが、自分で言うのもアレだがまだ痛々しい。実際にはもう痛みは無いのだけども。

 意識して消失させるのをやめ、再び光の粒子を経て左腕を模る。

「恐らく英傑の白い方の武器と同じ技術を使った物、その試作品だ。」

「あぁ、その武器なら街で何度か見た事あります。グリップだけの状態から展開するやつ、ですよね?」

「そこから進化して、もっと自由に扱えるらしいけど……そういや最近試してはいなかったな。」



 ひと段落したところで、ニッグさんが大きなあくびをもう一つ。

「とりあえず、もう少し休んだ方がいいんじゃないか? それとも、そっち側で何か予定入ってるとか?」

「そう…ですね、少々失礼して…何かあったら起こしてください……。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ