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164話 冒険団②

 いくらかの荷積みを手伝い、自分達も荷車に乗り込む。

 中には座れる場所も設けられている。向かい合いで丁度4人が余裕を持ってくらいの広さだ。

 その片側にラディと共に座り、向かいに冒険団の同席一人。事前の説明で一時的なパーティを組むとあった。その相手だろう。

 窓から差し込む陽が、その全身の水色の鱗を鈍く照らす。ラディは初めてまともに見るであろう竜人(ドラゴニュート)に見とれている。

 実際、有翼という分かりやすく目立つ容姿は、多少は見慣れたつもりの自分でも目に止まる。



 荷車が動きだし、方向転換で大きく揺れる。

 反転し走り始めた頃合いを見て、話を切り出したのはあちらだった。

「では、改めまして。

 シント防衛派遣団第八分団所属、そして今回の特殊遠征の補佐を務めます、ニルグニッグといいます。縮めてニッグとでもお呼びください。」

「僕はセイル、こっちはラディ。

 今は英傑補佐をやってるけど、その前はレミレニアで冒険者をやっていたから、野戦に関しては大丈夫だと思う。」

 何の気なしの自己紹介、だけどその中のワードにニッグが反応する。

「レミレニア…ってあの魔王騒動のあった?」

「あぁ。こっちでも話題になる程だったのか?」

「いえ、個人的に気になって調べてただけなので、失礼。

 とはいえ人づての話でだけなので、詳しくは……。」

 荷車の揺れに隠れて、尻尾がそわそわ揺れている。

 ちょっと近いものを感じる。もし趣味が合うのなら、その方が。

「いや、いいよ 短い期間とはいえしばらく共同なんだし、気兼ねない方が楽でいい。」

「じゃあその、よければ色々話を……。」

「あぁ、なんなりと…うわっと!」

 大きな石でも踏んだのだろう、車体が大きく揺れ席から弾かれかける。

「…落ち着いてからでいいかな?」

「はい、お暇な時にお願いします!」

「こっちこそしばらく世話になる。よろしくな。」

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