160話 続く報せ①
「あー、お前ら。お取込み中悪いが、連絡だ。」
ミレースさんが話に割り込み、場が気持ち改まる。
「今一度確認するが、お前らレミレニアで冒険者してたんだよな?」
「あぁ。それがどうかしたのか?」
「ま、とりあえず読め。」
そう言い、書類の一部を手渡される。
「…『冒険団派遣』『ヒュージ・フラベラの渡来』? これってどういう?」
「ざっくり言うと、だ。
やべー魔物が来んだよ。ここ数年、同じ時期に。
本来なら冒険団の領分だが、この時期だけは戦力貸してくれ、って話だ。」
冒険団…街の周囲で活動してる方の、魔物対策の一団か。
「この『ヒュージ・フラベラ』ってのはどういう奴なんだ?」
「まぁ……実物みりゃ分かるよ。」
ミレースさんの目線が横へ流れる。察した、これ説明が面倒くさくなったやつだ、と。
「適任だしと思ったが、やめとくか? そしたら他で調整してもらうよう連絡をするのだが。」
現状で言えば、名残惜しさで制圧見たい欲が強い。けどその勢いで決めるには悩む択だ。
「ま、返答は今日中にとは言わん。明日までにでも考えといてくれ。」
その夜、少し思案した。
どちらの択を取るべきか。
最初にラディに確認したら「まかせます」との事だった。
助かるような、困るような……。
しかし落ち着いて考えてみれば、簡単な話だった。
片やいつ発生するか分からない出来事。それに察するに、それなりの頻度であるらしい。
片や年に一度しか無いイベント。そもそも自分達が1年後に、まだこの街に居るかも分からない。
そう考えると、答えは明白だった。