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134話 祭りの予兆②

 数日後、変化は街にも表れ始めた。


 いつものように「英傑の路」での移動中の事だった。

 街の中心である「塔」の周辺、円形広場の外周。普段なら植木の並ぶその場所が、大型の柵で区切られている。

 何か建てる予定なのだろう、その内には既にいくらかのパーツが運び込まれている。

 木の板材に角材、そして既に細長い箱状に加工されている物。その組み合わせには、それとなく覚えがある。

 予定地の取り方も併せて何が建つかは予測が付くが、その上で何ができるかは当日のお楽しみだ。


 それに伴い、周辺地域も少しだけ様子が変わった。

 これまでは見かけなかった、大型の荷車。運んでいる物は木材であったり、袋に包まれた何らかであったり。

 最初は上り坂を運ぶのは大変そうに見えたが、よく見ると荷台の下部に何らかの装置が取り付けられている。

 シントの事だ、大方運搬補助の機能でもあるのだろう。


 そして事前通知の意もあるのだろう、既に装飾の為されている場所もちらほら見かける。

 扉や店先に吊るされた木細工は、様々な模様が描かれていたり彫られていたり。

 地の色も数種類あるのも相まって、中々にカラフル。

 後に聞いた話ではあるが、「推し」とやらな英傑の紋章を入れるんだとか。

 旋風陣の紋章も見せてもらったが、見かけた限りどこにも無かったように思う。


 そんな街の様子が気になるのは、ラディも同じだった。

 あちこちに気を取られ、どうにも集中が散ってしまっている。

 学ぶべき事は大方仕上がり済み、丁度いい区切りとして祭りの後から活動開始と決めておいてよかった。



「北方の渡り道、左に2本の先だ。」

「了解!」

 ミレースさんからの指示、即座に現地に向かい始める。

 街がざわつこうと当日休みだろうと、それまでは通常活動なんだ。油断してる場合じゃない。

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