表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/228

106話 英傑のいる街シント②

「この一件、我ら『旋風陣』が貰った!!」


 流れに思考が追い付かなかった。

 何故人が降ってきたのか、この人が何者なのか、そして誰もこの状況を疑問に思わないのか。


 とか考えてる内に、盗まれていた小物袋を手渡される。

「あ、ありがとう…ございます。」

「ほらよ。不用意な持ち方するんじゃねぇぞ。」

「あ、待って!」

 盗人の子供を肩に抱え去りかけた所を、ギリギリで引き留める。

 まさかとは思いつつ、思い当たった事を確認する。

「もしかして『英傑』の?」

「あぁそうさ。英傑の一角、所属は『旋風陣』だ!

 この街は初めてみてぇだが、何か困り事か?」

「人を探してるんだけど『英傑の人に渡せばいい』とだけ聞いてて、仲介をお願いできればと。」

 取り出した手記を相手が受け取り、宛名を確認。そして、驚きの表情。

「お前、随分と運がいいみてぇだな。

 この宛先の『テムス・プラーネ』っての、この俺の事だ!」

「…えぇっ!?」

 『英傑』がどれくらいいるのかは分からないが、シントの規模からして、決して高い確率ではないはずだ。

「差出人は…なるほど、あの人か。

 用があるのは分かった。が、先にこっちの事片付けねぇとな。」

 そう言い、担いでる子供の方を視線で指す。

「時間的にもそろそろ上がりだし、後で改めて塔の前で落ち合おう。

 じゃ、後でな!」



「なんというか…ゆかいな人?でしたね。」

 塔に向かう大通りの道中、ラディがつぶやく。

「でも、見てる人達はは安心しきって見物に回ってた。

 道を空けてたのも『英傑に任せた方が確実』っていう信頼の総意なんだろうな。」

 過去の物語としてではなく、現存している事に意義がある存在、か。

 考えた事も無かった事なだけに、興味が湧いてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ