初めての町
商人さん達を見送ってから1年の時が過ぎ、私は半年前に旅に出た。
その間に怪我人や病人を見かけたら治していった。
旅を続けて半年、ようやく私は目的地に着いた。
諏訪湖である。
前世では、見ることができずに死んだからな!
あの時に分かったが、妖力が切れたら元の姿に戻ってしまうので、そこで私は思った!
町に入る時に熱エネルギーや光エネルギーを妖力に変換すればいいのでは?と
だがここで問題が発生した。
熱と光じゃ足りねぇ!
だが妖力では5日間貯めて、ようやく一日変身できる程度の妖力しか貯まらない。
今まで貯めた色々な力を妖力に変換しても1ヶ月にしかならない。
生まれたばかりの私が生み出せる妖力なんて、世間で言う大妖怪から見れば雀の涙程の量しかない。
ん、大妖怪を見た事があるのかって?………見たよ…2ヶ月前に、熊の大妖怪が陰陽師と戦って負けてた。その後に見つかってね。
全ての力を運動エネルギーに変換して逃げたよ。
あの野郎いつかボコす。
大切に貯めた力の7割を使わせやがって。
まぁこんな事はさておき、どうやら力の変換効率は、長生きすれば勝手に効率が上がるようだ。
だが半年でようやく0.01%上がったので、これを待つことはできない。
だから私は能力の範囲を広げた。
森で余った生命力を集めるのに便利なのだ。
まぁ範囲が広がるごとに1平方メートルの力の吸収効率が低くなるがな!
こうすればなんとか黒字になる。
まずは変身してから門に近づいていく。
門番「待て、ここに少女が何の用だ」
門番が質問をしてくる。
まぁ当たり前だよな。変身で髪を黒くしているとはいえ、15歳程度の少女が旅用の格好で来るのだ。
香燃「観光目的です!」
フッフッフ、ここは笑顔で言うのがコツだよ。
この少女の姿で言われれば悪意など抱く事なんてできないのだ!
門番「そ、そうか…楽しむといい。ここは食べ物が有名だ」
何か顔赤くね?可哀想に…風を引いても休めないなんて。
香燃「はい、情報ありがとうございます」
少女移動中
私は今、飯屋で蕎麦を食べている。
ん?金はどうしたかって?適当に熊や鹿を狩って売れば万事解決だ。
それにしてもここの食べ物は実に美味いな!
香燃「はわ〜〜〜〜♡」
???Side
あの旅人さん随分と美味しそうに食べますね。
とても微笑ましいです。あの笑顔であの食べっぷりを見せ付けられると、お腹が空いてきました。
あ、他の人達も私と同じ意見の様ですね。
8割の人達が追加で小さな蕎麦を注文しています。
それにしてもあの子、本当に可愛いです。
私も容姿には自信があったのですが、あれには及びません。
あ、やばいです!
もうすぐ諏訪子様と神奈子様の食事の時間です。
早く帰らねばなりません!
「店主さんお金はここに置いておきますね!」
「お、おう気お付けろよ」
「分かっていますよ」
私は急ぐために霊力を使ったのは秘密にしときましょう。
諏訪子様から無闇に使うのは駄目だと言われていますからね。
さて、走りながら今日の献立を考えておきましょう。
香燃Side
ん?さっきの巫女服の女の子随分と急いでたな。
まぁいいか、そういえば確か諏訪湖には守矢神社があるんだっけか。
せっかくだから参拝していくか。
そもそも妖怪が神社に行くのはおかしいか。
まぁ別に本当に神がいる訳じゃないし、大丈夫か
あれ、でも妖怪がいるから神がいても不思議じゃないのか?……………ま、まぁ大丈夫だろ。
別に悪い事なんて生まれてから一度もしたことないし、まぁ私生後1年だけどね!
お、女は度胸だ!