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僕らは天才じゃない  作者: 七寒六温
17/31

(伊藤 くるみ)

私は、鈴木くんの他に、もう1人から恋愛に対しての協力を頼まれた。

このもう1人が、鈍感なのか?とんだ馬鹿なのか?ひどい勘違いをしている彼女のことをときどき、あんたは馬鹿だよって直接言いたくなる。


「お願い、くるみ。私に協力してほしいの」

相談相手は私の友だちであり恋敵の千春。

つい最近、彼女が好きだった庭野君が他の人と付き合うことになった。あの時はかなり落ち込んでいるようだったけど、協力して欲しいって、千春もう他に好きな人ができたの?早くない?


「俊哉は私の幼なじみって話は前にも話したと思うんだけど、幼なじみだからだと思うけど、いつも私の味方でいてくれたり、困っていたり、悩みがあると黙って私の話を聞いてくれるの」

「そんな俊哉にはすごく感謝してる」

千春、鈴木君が千春に優しくしてくれる。それは幼なじみだからってこともあるけどそれ以上に、あなたのことが好きだからだと思うよ。好きな人の力になってあげたいと思うのは普通のことだよ。


「だからね。今度は私が、俊哉のために力になってあげたい!」

「幼なじみとして、俊哉には幸せになって欲しいの」


「うん……そうなんだ」

真っ向から否定するわけにもいかず、適当な相づちを打ちつつも心の中ではモヤモヤせずにはいられなかった。

千春だよ、千春が鈴木君の気持ちに気付いてあげれば全て解決するんだよ。鈴木君が幸せになって欲しいと思うなら、千春が一刻も早く気付いてあげることだよ。


「俊哉もそろそろ彼女が欲しいんじゃないかと思って、俊哉も17歳だしデートとかしたいだろうな~って」


「実はね……私は、鈴木くんのことが好き」

「中学の時からずっと好きだったの」

って 千春に 伝えたら千春は私が鈴木くんと付き合えるように協力してくれるのだろうか?喜んでくれるだろうか?

でも、鈴木君の相談に乗っておきながら、そんなことをするのは、裏切っているような気がして、言うことはできなかった。


鈴木くんからは、千春と仲良くしたいって相談されていたのに、千春をキューピット役にしてしまったら鈴木くんの願いは叶いづらくなる。


鈴木くんから相談を受けていなければ、千春に私の気持ちを伝えられていたのかな?いいや、単純に私が弱くて勇気がなかっただけだ。鈴木くんは関係ない。 


「俊哉はさ、茉優美のことが好きなんだと思う」

違うよ、鈴木くんは千春のことが好きなんだよ。中学の時からずっと……何にも分かってない、千春は何も分かってない。


「そ、そうなの?」

本人に直接伝えるわけにはいかない。ここで私がバラすくらいなら鈴木君が直接言った方がいい。例え悪い結果になったとしても。


「私には分かるよ。俊哉とは幼なじみだから」

「俊哉は、隠してるつもりかもしれないけど、私には隠し事はできないよ それが幼なじみっていう関係」

「俊哉の茉優美を見る目、あれは恋をしている目だよ」

分かってない、全く分かってないよ。

幼なじみなら、分かってあげてよ。鈴木くんの隠し事を全て見透す自信があるのなら、気付いてあげてほしい、彼の好意を。


「想い人の気持ち、想われ人には届かず」

どんなにこちらが強く想っていても言葉にしなければ相手には全く届いていないこともある。相手がエスパーか勘のいい人じゃない限り気付いてもらえないことの方が普通だ。


「嘘と失恋と妬みは、この世からなくなることはない。人間が滅びたとしてもきっと残り続ける」

私の好きな映画の冒頭部分に流れるこの言葉。人間以外の動物も失恋し 妬み、時に嘘をつく。


私は、この言葉がとても大好きで大嫌いだ。 





「どうかな? どうすれば茉優美が俊哉のことを意識するようになるかな?」

どうすれば……どうすれば千春は鈴木くんのことを意識するようになるのかな?


「千春」

「それは、鈴木君から相談はされたの?」


「されてないけど、される前にさりげなくサポートするのがいいと思うの。幼なじみだからできることだし」


「そうかな……」

「私は、鈴木くんから相談されてからでいいんじゃないの?」 

「少なくとも私はそう思う。鈴木くんが茉優美ちゃんのことを好きだっていうのは、千春の憶測でしょ? 鈴木くんは他に好きな人がいるかもしれないし」


「でも、間違いないよ俊哉は茉優美のことばかり見てるし、こないだ聞いたら、俊哉は、茉優美のこと可愛いって言ってたし」

それは、鈴木君も悪い。そんなこと言ったら、千春は鈍感だから、勘違いしちゃう。


「絶対 茉優美、俊哉は茉優美のことが絶対気になっているから」


「だから……千春!」

「それが、勘違いだったらって少しは思わないの? 言っとくけど、千春はそういうの鈍い方だからね!」

茉優美、茉優美としつこく、鈍すぎる千春にイライラしてしまい少し感情的になってしまった。久しぶりに誰かに対して怒りをぶつけたような気がした。千春に怒るのは嫉妬のような気がしてダサい。


「…………」

千春は、大きな声を出した私の姿を見て驚いている。千春は何故自分が怒られたのかは

分かっていないはず。


「ごめん……」

「つい、大声を出してしまった」

千春に怒った所で何も解決しない。

むしろ私に怒られるべきなのは、私自信であるのに。人の相談役ばかりで自分は何も行動しないのはそっちの方が、楽だから、傷付きたくないから、嫌われたくないから。自分でそちらを選んでおいて、そろそろ自分の番でいいでしょ?ってのはあまりにも虫がよすぎる。


「いや、私の方こそごめんね くるみ。協力してほしいって勝手にお願いなんかして」

「ワタシ、くるみが優しいからって、甘えていた。私 茉優美と仲のいいっていう自信がなくって」


「違うよ、それは感情的になってしまった私が悪いから、大丈夫だよ」

「だけどごめん。千春は大事な友だちだけど、やっぱりこの話は協力することはできない。これは第三者が口出しするようなことじゃないと思う」

「協力するなら中途半端なことはしたくない。全力で、心の底から応援したいから」


千春は茉優美ちゃんと仲のいいか自身がないって言ってたけど、私は、茉優美ちゃんのことは友だちというよりか 一目置く存在で彼女と話すときは、緊張してしまう。あんまり友だちになりたいタイプではない。だから

呼び方は、ちゃん付けだし。

私は友だちと呼べるような関係性の人は呼び捨てで統一している。


千春には内緒だけど

「この依頼には先客が入っています」

千春の依頼を引き受けたら、鈴木君の依頼を断ることになる。 


鈴木くんと千春を私の力で結ばせる。その方が2人もきっと幸せになれると思う。単純に千春に負けた方が茉優美ちゃんに負けるより納得できるっていう私の身勝手な思いもあるけど。


「鈴木くんの恋。叶えてみせる!」

大丈夫。心配いらないよ この恋はきっと叶う。叶えてみせるよ。

だって私は、恋のキューピットくるみだから。



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