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激突!魔王総選挙

「はいどもはいども」

「はいはい、僕らね、ハーレム狙いの召喚勇者と魔族な僕っ娘王女様って名前でやらしていただいてるんです」

「そやね俺の知らん間にな」

「僕、言いたいことあるんよ」

「なんですか」

「自分、ハーレム狙ってないよな」

「狙ってないなあ」

「コンビ名かえよか?」

「そもそもコンビ名決めたんも俺しらんし」

「せやろなアレ決めたんウチのオトンやからな」

「魔王さんな」

「僕、魔王の娘やから王女やらしてもろうてます」

「魔王さんて仕事、暇してんの?」

「なんでやねんオトン、メッチャ忙しいよ今」

「今はな、マネージャとかやってるしな」

「せやでどうにか僕らテレビにプッシュせなて人脈駆使してるわ」

「魔王がコネつかったらホンマにどうにかなってまうやんけ」

「気づいたら収録終わってたりすんで、きっと」

「やめとけやめとけ、オトン止めたって」

「えー、テレビ出たいやん。僕は出たいなあ」

「まだ早いって若手やん俺ら。そんな独裁者の権力使わんでええって」

「ん?」

「なんや」

「独裁者てどういう意味?」

「え魔王さんやん、絶対的権力をもってんねんろ」

「もってへんよ」

「ええ?」

「そもそも選挙で選ばれてる魔王に権力とかあんまないで」

「はあ?」

「え知らんの?魔王って直接選挙制やで」

「マジで」

「そやで、どっかの大統領と同じやで」

「なんで大統領はわかるのに国が曖昧なんねん」

「細かい話はええねんけど、魔王って民主的に選挙で選ばれるんよ」

「はあ〜凄いなあ、任期は?」

「たしか十年くらいあるんやったっけなあ」

「長いなあ」

「まあ防衛続けられたら、の話やけどな」

「待って待って。防衛てなに?」

「防衛って防衛やん。防衛戦」

「戦うの?選挙なのに?」

「当たり前の話ちゃうのこれ」

「俺の知ってる選挙と全然違うんやけど?」

「んー自分の理解が足らへんだけちゃう?」

「んなわけあるか、普通の選挙に防衛戦なんてないわ」

「あるよ」

「ないよ。あれ選挙の話しとるよね俺ら」

「せやで」

「ほんならお前の知っとる選挙を説明せえよ」

「んーどっから説明しよか」

「あのな、お前の選挙が俺の選挙かどうかわからんし、一から説明して」

「面倒いなあ自分。まあええわ」

「ありがとな」

「もうそゆのええねんて。あんな、選挙って一票が大事なんはわかる?」

「わかるわかる」

「やろ、一票を巡って全国民が争うわけやんか」

「待てもうそっからおかしなってるぞ」

「どこがやねん。選挙っつうのは、全国民が、玉座に置かれた一票を奪い合い、手にした者が自分の名前を書いて、国のどこかに隠れた投票箱の口に突っ込むまで終わらない、過酷な競技のことであってるやんな」

「んー」

「なによ」

「全く違うな」

「ええホンマに?」

「肉体で争うてもうてるし、民主的でもないし」

「全員にチャンスあんねんから民主的やん。選挙戦って言うやろそっちでも」

「どっからずれてもうたんやろなあ」

「ずれてないやろ。ただ強いだけでは勝てへんのやで。知力体力時の運がすべて試され、それに勝った者こそ最強、魔王として表彰されるんやから。うちのオトンすごいんやで」

「途中クイズ番組やな〜」

「なんのこと」

「まあええねんそれは」

「ほいでな、オトンはもう三回くらい魔王やってんねんけどな」

「肉体で争う時点でそうやろなあ」

「あれやで、一人で勝てるとは限らんからな。全国行脚してな、仲間つくったりな、大変らしいで」

「そこら辺は似てる気がすんな」

「必要な時は実弾バラまいたりするらしいで」

「そっちはお金じゃなくて本当の実弾バラまくねやろ?」

「当たり前やお金バラまいてどうすんねん」

「そらそうなんやけどさあ」

「そんで、魔王になるやん」

「まあええわ全国民倒して白票掴んで勝ちました、と」

「けど、地方選挙ってあるやん」

「あるんか」

「あんねん、そんで地方のトップが出てくるやん」

「待ってそれも肉体的に争うんか?」

「当然やろ」

「当然ではないけどな、こっちからすると」

「自分の言うことわからん。そんで地方のトップ同士でタイトルマッチやったりすんねん」

「タイトルマッチって言うた!」

「そやで、自分知らんかもしれんけど、因縁の激突、知事対市長再びとかタイトルマッチ、人気あんねんで」

「なんで再びやねん何戦目やねん」

「あの人らはもう、暇さえあればやっとるからなあ」

「暇なんかやっぱ」

「そんでな、地方のトップが、同格の奴倒しまくってたりするとな」

「わからんけど、茨城県知事が埼玉と群馬と長野県知事倒すみたいな感じかな」

「わからんけどそんなんやと思う、知事戦っつうのもあんねんで」

「選挙?」

「いやそっちは全国の知事同士が戦うバトルロイヤル」

「もう選挙全然関係ないしプロレスやんけ!バトルロイヤル言うてるし」

「すっごいでアレ。今度一緒に見にいこか。でやな、知事戦で大活躍したのとかがな、たまに魔王に挑戦してきよんねん」

「ああ!それで防衛戦ってなるんや」

「そうや!魔王タイトルマッチって言うんや!」

「そのまんまや」

「そんでウチのオトン凄いんやで、無敗やで。もう数えきれへん程防衛してるから誰も挑戦してくる奴おらんくなってもうてん」

「あー確かにな」

「そういうわけで、オトンは今でも魔王やねんけど、そろそろ任期切れるんちゃうかったかなあ」

「え、その全国一斉大暴れが始まんの?」

「ちゃうよ魔王選て言うねん」

「意味は同じやろ」

「まあ近いかも」

「そやろ。そんで魔王んなっても権力が無いってどういうことやねん」

「やからね、魔王って権力あるわけとちゃうんよ」

「けど強いんやろ?」

「そう、そこやねん」

「何が」

「魔王やから権力があるわけちゃうねん。魔王になるほど強い人が力づくで言うこと聞かしてるだけやねん」

「ひっどい話やなそれ!」

「非道いかな?」

「力って言いきってるやん」

「けど普通の話やろ」

「俺の知ってる選挙と一切関わりない選挙の話やったわ」

「そうなん、そしたらそっちはどんな選挙やるん?」

「えー、そやなあ、まず選挙権を持つ人が決まってて」

「スイカを素手で割れる人に限るんやな」

「結構誰でも割れるやんけ!ちがう!誰でも確か十八んなったらや」

「え、力とか関係なし?」

「ないよ国民の権利やもん」

「あそうか、十八まで生き残る力を持ってないとってことやな」

「そんな死亡率高い修羅の国でもないから」

「え、ほな誰でも年食ったら一票もらえるの」

「そやで」

「みんながみんな自分の名前書いて、どうすんねん」

「自分の名前はかかへんよ!そうそう、立候補する人が別におんねん」

「え、自分以外の人を選ぶの?」

「そやで、国をこういう風に動かしたいってそれぞれが政策っつうのを持ってね」

「僕なら、パパを魔王にしてくれる人を選ぶなあ」

「違う違う待て待て例えば魔王になるために立候補した人の中から誰か選ぶ時に、お前のオトンを魔王にします、て言う奴おるわけないやろ」

「わからんやろ」

「わからんことあるかい!そういうときはお前のオトンを立候補させんねん」

「あー、パパなら他のそのリッコーホシャを実弾なくてもバラバラにできるしな」

「そんな怖い選挙戦はない!」

「えこっちの選挙と違う」

「違うってわかったからこっちの選挙の説明しとるんやないかい!」

「ほなどうすんねん!」

「立候補した人の政策とかキャラを見て、この人に任せようって人を選ぶんよ」

「ほしたら、パパ立候補して何言えばええの」

「お前のオトンなら、そやな、実績とかちゃうの、私は三回の当選で国民の皆様のために働いて参りました、とか」

「すべての防衛戦を無傷で切り抜け、とかか」

「防衛戦はない!」

「ええ?そしたらどやって防衛すんねん!」

「挑戦者もおらん!」

「あ、決まったらずっとそれなんや」

「そうや」

「詰まらんくない?」

「選挙に詰まる詰まらないはない!いやあんのかもしれんがそこではない!」

「そうなんか」

「そうや、それで投票日にやな」

「なんや投票日って」

「あー、何月何日に投票するって決まっててな、選挙するぞーって決まった日とか立候補する人が決まった日からその投票日まで、だいたい二週間くらいやな、立候補の人が演説したり家を挨拶したりして、自分に投票してくださいってお願いして回るんよ」

「ええええ、呑気な話やな」

「何が呑気やねんな」

「ウチのパパなら、二日もあれば全員ボッコボコんしばいてやめさせれんで選挙」

「犯罪やって!それやったら捕まるから」

「え、誰がウチのパパ捕まえられんねん」

「んーそれはそうやけど」

「やろ、そしたらこっちの選挙と同じや」

「違う違う!立候補が取り消しんなったりするんちゃう?」

「けど票持ってる人が全員パパの名前書けばええねやろ?」

「立候補してない人の名前書いたりすると無効票になんねん」

「関係ないやろ」

「あるって」

「つうか今思ったけどな、誰が勝ってもええなそれ」

「あどういう意味や」

「勝った奴んとこ行ってボコボコしばいて譲ります〜て言わせればええねん」

「そういうのもない!力づくはダメ!」

「ええ、ないの?」

「あるか民主的に決めんねんこっちの選挙は」

「どういうことやねんさっぱりわからんわ自分とこの選挙」

「俺もお前含めてなんでお前らそんな筋肉脳みそに詰まらせてんのかわからんわ」

「そんなこと言うてたらヤバいぞ自分」

「えどういうこと?」

「あれや、魔王選始まるって言うたやん」

「あー一枚の紙ペら巡って殺し合いするやつな」

「紙ペら?ちゃうでうちのパパくらい大きい石やで」

「そんなん持てへんやん」

「それ持てるくらいの力ないと無理やっちゅう話や」

「どこが民主的やねん」

「力なんて誰でも鍛えられるやろ」

「そんなでかいのどやって投票箱にいれんねん」

「投票箱の人はな〜」

「え、待って、投票箱って人なん?箱って言うてるやん」

「そやで、その投票箱役の人が入る箱っつうのが毎回あんねん」

「箱を作る時点で場所わかるよなあ」

「ちがうちがう、あんな、パパくらいの大きさの石をな」

「岩やな」

「どっちでもええねん。それに自分の名前を掘ってな、投票箱役の人の口んなかにつっこむのよ」

「死ぬやんけ!」

「そやから、箱つくってその人隠れんねん」

「自分で作るんか!」

「そやで。それでも投票箱の人は結構な確率で死ぬんやで」

「めちゃくちゃやな」

「選ばれる人はな、ある日胸に箱の形した痣がういてくんねん」

「え、なんやそれ」

「防ぎようがないねん。そやからな、自分、胸に痣とか浮いて出たらマジヤバいからな」

「どうしようもないやんそれ」

「そやで、そんで箱ちゃうかったとしてもな」

「まだあんの」

「自分、僕の旦那様ってことになってるからな」

「告白もしてない女性といつの間に結婚してる件」

「それはええやんか、嬉しいやろ?」

「そういう話とちゃうねん」

「え、うれしないの?」

「マジで聞かんでくれ」

「嬉しい時は嬉しいってちゃんと言うんやで」

「ああもう嬉しいです嬉しい、嬉しいわ!これでええやろ!」

「僕も嬉しいで」

「やめろはずい」

「それでな、僕、ほらこの通り美少女やんか」

「自分で言うの、ほんとにアレやけどな」

「狙っとる男多いらしいねん」

「まあなあ、ここまで美少女やとなあ」

「ありがと。けどパパ怖いやん」

「俺は今、この瞬間に怖いんやけど」

「そんでな、パパは無理やけど、ハーレム狙うよな腐れ勇者やったらいけるんちゃうかって奴結構おんねんて」

「デマにまどわされてんなあ」

「自分、多分囲まれるで」

「なんでやねん!俺何もしてへんやんけ!」

「ホンマに何もしてないって、僕の前で言える?」

「やめろ実は隠れて何かしてます的雰囲気だすのやめろ後がこわいわ」

「そうやってボケてとぼけるんやね?」

「お前マジでやめろそれでなくても毎日ネタの反省会と称してお前のオトンにボコボコにされてんのに、そんな何かありましたみたいな言うたら後で俺どうなんねん!」

「ボコボコで済んでんねんからええやん。普通は死ぬんやでアレ」

「お前のオトンや!アレ扱いするな!」

「そんで、多分パパもまず自分とこ来ると思うねん」

「は?」

「ほら、合法的にぶっ飛ばすええ機会やん」

「毎日のアレはなんなんですかねえほしたら!」

「つうことで、僕楽しみやねん魔王選」

「何が」

「魔王の娘で居られるか、魔王の妻になるかやんか」

「ええで普通の僕っ娘でええねんで」

「売りがなくなってまうし」

「かまへんよ俺は」

「僕が気にすんの、そやから、ガンバらなあかんねんで自分」

「俺が頑張るの?お前が頑張ればええんちゃうの?」

「僕がパパと同じくらいの石もって自分の口に手つっこむならアリやな」

「俺死ぬやんけ」

「生き残った箱の人はな、口に入れられた石を全部噛み砕いたんやて」

「岩を食べるって行為自体が危険やねん。そらサイズの話もあるけど」

「そやなあ、生き残ってる箱役の人って巨人族とかドラゴンとかでかいもんな」

「え待って。人以外もおるんて当然おるか」

「妖精族のピクシーさんとか箱んなったら悲惨やで」

「可哀想やな確かに」

「ちゃうちゃう。妖精さんって僕らの手のひらくらいの大きさやん」

「妖精さんですもんね」

「岩つっこまれへんから選挙が終わらへんのよ」

「どうすんねん」

「岩でプチっと潰すとかはアカンねん」

「いずれにせよ死ぬんちゃうんか妖精さん」

「岩すりつぶして砂にしてちょっとずつ食べてもらうんやて」

「メッチャ時間かかりそう」

「三年かかったって、パパ言うてたわ」

「オトンの実話かい!」

「まあ、魔王なんて暇やから、そんなことも出来たらしいわ」

「やっぱ魔王って暇なんや!そらマネージャとかやる時間あるわ!」

「そら国一番の強い奴って称号だけやからな」

「ほしたらあれなん、お前のオトン職業マネージャ称号魔王なん?」

「今はそうやね」

「俺は、俺の勇者っつうのは?」

「あ、それは自称」

「やめてくれよ!恥ずかしいやろ!」

「ガンバレ自称勇者」

「自称してへんやん!どういうこと!お前ら全員で俺からかってんちゃうんか!」

「もうええわ」

「終わるなや!なんでやねん!もうええわちゃうぞ!」

「決めたんオトンやし」

「待ってホンマに待ってこれで掃けても俺全然よくない気分悪い」

「そやから、魔王選ガンバらなあかんねん」

「えメッチャ嫌やねんけど」

「頑張らんとな、コンビ名が最悪な」

「もうハーレム抜けるんやったら何でもええけど」

「自称勇者と無職の僕っ娘になんねんで」

「それは嫌!もうええわ!」

「どもーありあとやっしたー」

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