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パパが勇者を連れてきた

「はいはいどうもどうも」

「はい、もうハーレムさえついてなければ召喚勇者でもええですよ、と」

「僕っ娘って響きとドレスがあんまりおうてない、魔族で僕っ娘王女ですはいどうも」

「自分で言うねや、それ」

「そら言うよ。ドレスの理由とかな」

「僕っ娘がドレスてちょい微妙やからな」

「そんなにおかしい?マネージャおすすめやで」

「マネージャっていうか魔王っていうかお前のオトンやんか」

「せやで、似合ってるやろ」

「似合ってるけど、ちゃうねん、似合ってるとかちゃうねん」

「なんやのほしたら」

「相方のお父さんがってだけでも怖いのにさ」

「うん」

「それが魔王さんで、それがマネージャで」

「そやな」

「相方のドレス選んでこれで褒めて笑いとってこいとか、怖すぎるやろ?」

「なにが」

「なんで魔王おんみずからマネージャやっとんねん!」

「僕がお笑い続ける条件がそれやもん」

「なにそれ」

「心配やから目の届くとこから見守りたいんやって」

「わかるけど」

「そやろ、さすがに僕王女やからね」

「まず王女がお笑いつづけよとすんなよ」

「夢やってん昔から」

「まあ夢は人それぞれやけど」

「そんでな、僕は漫才やりたかってん」

「はた迷惑な夢って自覚無いのがなあ」

「そんでパパちゃうわオトンが」

「えまってお前パパって言ってんの?」

「まってまって間違い間違い、普段は僕お父様って言うてるし」

「言ってなさそやな〜」

「言うてるし。ほんでオトンは舞台までは立たれへんって」

親娘(おやこ)漫才はありやと思うけどな」

「あれやぞ自分気づいてるかしらんけど、僕のオトンめっちゃ怖いぞ」

「知っとるわ」

「そんなんが笑え言うて舞台立ったら怖いやろ」

「あー確かに。笑ったら殺されそうやな」

「オトンもそれわかってるからやらんってなって」

「あーそうかー」

「誰を相方にしよか〜てなってん」

「立候補いっぱいおるやろ。話題満点やん」

「みんなオトン怖がって断ってきよんねん」

「そこか」

「下手こいたらどつかれるし」

「死ぬな」

「僕にツッコミいれたら後でグーパンされるし」

「死ぬな」

「衣装必ずネタ中に一回褒めな後でビンタされるし」

「ステージパパの度がすぎひんかお前のオトン、魔王やろ」

「せやろか」

「マネージャがネタの内容に口出ししたらアカンと思うよ俺は」

「けど僕のために言うてくれてんねんパパは!」

「パパってはっきり言うてもうてるやないか!」

「そんなんどうでもええわ!」

「ええわけあるかキャラはっきりせい!」

「そういうもんか」

「そういうもんや」

「そしたらパパがな」

「そっちで固定かい」

「ボケただけです〜。そんでもオトンの言うことやからな」

「魔王が側であれこれいうってホンマ辛いで〜」

「そや。そんで僕のために魔王に立ち向かう人、おらんかってん」

「あたりまえやな」

「むーパパのせいやってなるやん?」

「またパパ言うてるし、寧ろ王女が漫才やりたいからやん」

「そう言うてもな、相方みつからへんの、パパのせいやんか」

「当たり前や。誰も舞台の漫才で殺されたないよ」

「そんで僕、閃いたんですよ」

「なにを」

「パンが食べられないならブリオッシュを食べればいいじゃない」

「ボケが古いわ」

「そうなん?」

「数百年前のネタやそれ」

「そやね革命前夜やもんね」

「ホンマ、お前なんでそんな変な事だけしってんねん」

「ウィキペディアで」

「え読んでんのお前?」

「たまに」

「それでわけのわからんことばっかしっとんねんな」

「そこはええやんか」

「わけのわからんボケかましたんはお前や」

「ごめんて」

「もうええけど、そんでなんや」

「相方になれる人がおらんねやったら、出来る人を相方にすればいいじゃない」

「お、なんか怪しなったぞこれ」

「僕のオトンて魔王やん」

「そやな」

「魔王と戦える人って勇者くらいやん」

「ほーらきたほーら来た。そんでそんで」

「勇者みつけて相方にすればええやん、て僕パパに言うたんよ」

「やっぱお前か!お前のせいか〜」

「いや、本質的にはパパのせいやで」

「ちゃうわ!なんでそこで勇者を相方にしよなんて狂った事考えてんねん!」

「けどパパのビンタに耐えられる人、他におらんし」

「いやアレ、耐えてるだけでメッチャ痛いからな」

「どっかに僕の相方やってくれる、やさしい勇者おらんかなあ、てな」

「おかしいな。なんで敵の主戦力を迎え入れるモードやねん」

「そしたらパパがな〜、あ、おるで一人、て見つけてくれた」

「軽いな!そんでなんで俺やねん!」

「ん?やさしいからやん?」

「やめて恥ずかしいからやめて」

「気い弱いとも言うけどな」

「帰るぞ本気で」

「いやや。自分、僕の相方やるって言うたもん」

「お前のお父さんが、目え吊り上げて全身からなんか黒いの出してたからな」

「そんなん関係ないし。男が一度やるって言ったらやんねんで」

「なんか違うな〜。俺誘拐されてんねんけどな〜」

「けどやってくれたやん」

「漫才の相方として召喚される勇者って違和感が半端ないけどな」

「そんなん徐々に消えてくって、コンビでいっぱいやってったら」

「そっちはそれでええかもしれんけど」

「いやいや、身内に勇者抱えてやばないかとか、言う人もおってんで」

「マジで!ちゃんとした人おるやん!」

「全部パパのビンタ喰らって二度と喋れんくなってもうて」

「パパー!なにやってんすか〜!」

「ちゃうでパパは僕のパパであって自分パパって言うたらあかん」

「うわ独占欲かいな、そらパパもかわいいやろなあ」

「ちゃうよ、ちゃんと魔王様って呼ばんとしばかれんで、体育会系やし」

「なんでや。それやったら俺勇者やもん、本来魔王なんて呼び捨てやで」

「それ、ホンマにできる?」

「無理」

「やろ?先輩はたてなあかんのよ、うち体育会系やから」

「体育会系はわかるんですね」

「うちバッリバリの体育会系ですし」

「んーなんか納得いかんよな〜俺関係あらへんしな?」

「せやかて、僕相方必要やし。僕のわがままやけど諦めて」

「自分で言ったわこのお姫様」

「せやで勇者はお姫様エスコートするもんやで」

「なんでお前をエスコートせなあかんねん」

「いやなん?」

「よろこんでさせてもらいますけど!お前のオトン怖いし!」

「そやで、パパはこわいんやで」

「もうパパ呼び、隠す気もないな」

「隠しきれへんくなったからな。自分がいじり倒したせいや」

「いやお前が勝手に崩れただけや」

「責任、とってや?」

「そんで何でそういう危ない台詞をポンポンいれてくんねん止めろホンマに」

「何が危ないの」

「舞台終わった後にお前のオトンに死ぬほど殴られんねん!」

「死んでないからええやん」

「死にそな目にはおうてんねん!お前のせいで!舞台たつだけで!」

「好きやろ?」

「好きちゃうわ!」

「けど僕のこと好きやろ?」

「お前は何をいうてんねん」

「僕をハーレムの一号にすんねやろ?」

「せえへん!それもやめろ。大体魔王さんがやっぱ勇者言うたらハーレムやろって言い出した癖にそのネタかます度に俺睨むのなんやねん」

「かわいい娘がハーレムに、なんて許すわけないやんかパパが」

「ならハーレム属性を俺につけんかったらええやんなあ!」

「え、けど好きやろ?」

「好きちゃうわ!」

「なんなん純愛路線なん自分?困るわそれ」

「なんで困んねん」

「ハーレム要員のオーディションとか始めてるし」

「オーディション!?」

「そやで、最低五人は必要やん」

「いらんいらんマジでいらん怖いそれ」

「そないなこと言うて、いざ来たら手えだされるんでしょ?」

「出しませんって怖すぎやろ」

「何が怖いんよ」

「そんなことなったら、女の戦いって絶対あるやん。それ見るのメッチャ怖い」

「こわないよ〜、精々正妻さんとお妾さんが爪でひっかきあって片方が包丁持ち出してスポーンって旦那さんの首かチンコが飛んでくだけやで」

「つうかそれメッチャ怖いし死んでるの男のほうやんけ!俺やん!」

「せやで、けど僕はまあ無事やから。爪とかで引っかかれるけど」

「お前顔に傷残るん嫌ちゃうの?」

「え〜嫌やけど、自分ハーレムしたいんやろ?我慢するし」

「なにええ女きどってんねん!俺ハーレムしたいって言うてないやん!」

「せやかてもうオーディション進んでるし」

「まじか、どこまで進んでんの」

「オーディションのリハまでは済んでんねん。僕も出るし」

「え、出るのお前?」

「そらそうやろう。正妻は審査員として出席せな」

「いつお前が正妻んなってん!俺抜きで色々きめんといてくれ!」

「え、僕、正妻ちゃうの?」

「だからそやってマジ顔でそういう事言うのやめてもらえませんかね。色々きついんですよ」

「何が」

「プロポーズどころか好きとも言うてない相手がいつのまに正妻になって、義理の父親が血の涙で睨んでくるところや!」

「あーパパは放っておいてええで」

「なんでや怖いやろ」

「ええねん。孫の顔みせたらニヘラ〜なんでアレ」

「子供までいるの俺ら!?」

「そらね、ハーレム狙う勇者の隣におったらね、そういうことになりますよ」

「しらんかった!」

「僕もいつの間にやらほだされたりね」

「なんやねん俺記憶喪失なんかいつそんなことなってん嫌や」

「え、僕のこと嫌なん?」

「それと違うし、わかってて半笑いで言われても困るし」

「半笑いちゃうわ!」

「え?」

「泣きそうなん我慢して、それでも笑顔でいたいからこんな顔になんねん!」

「あ、ごめん」

「僕かて我慢してんねん!ハーレムがいいあいつもこいつも俺のもん言う男の隣でずっと笑顔でいてなあかんの辛いやろ」

「俺そんなこと言うてへんやん」

「パパに孫の顔みせて安心させようにも、子供なんかいらんて言うし!」

「え子供おらへんのやっぱり」

「それで嫌やなんて言われたら!」

「お前が嫌ってわけちゃうねん!」

「どうしても!」

「わかれや!」

「笑いすぎて涙の一つも出てくるもんやないか!」

「やっぱめちゃくちゃ笑てるやないかお前!」

「もうええわ!」

「よくなーい!何も解決してへーん!おいはけるなあ!あ、ありやとやっしたー」


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