コンビ名が長い?
「はいどーもー勇者でーす」
「はーい僕っ娘いいまーす」
「王女どこ行ってん」
「もうそんな設定とかええやん」
「自分で設定言い出したらアカンで」
「あのな、散々設定設定言い倒してるの自分やぞ」
「はいそんなわけでね、頑張っていかなアカンなと思ってるんですけどねー」
「逃げたな自分」
「ええがな」
「はい僕らですねー、ハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様ていうコンビでね、やらしていただいてまして」
「コンビ名が覚えられへん、ていうクレームあるらしいんですよ」
「確かに長すぎやなって僕も思うわ」
「テレビでテロップ流しても読み終わる前に消えるやろ、とか」
「早よテレビ出て本当にそれ言われたいな」
「そやね。もしテレビ出たら、の話されてるだけやし」
「けどホンマに、そーいう時の事も考えていかんとって事で」
「野心あるのはええこっちゃ」
「誰がこんな長いコンビ名考えてん、て話ですよ」
「お前らや」
「らって」
「マネージャのお前のオトン、魔王さんとお前や」
「それ、僕らのせいみたく言うけどな」
「なんやねんお前らのせいやんけ完全に」
「他にどんなコンビ名があるっちゅうの?」
「コンビ名てな、普通は覚えやすい語感とか短さとかで決めるらしいぞ」
「ほな僕っ娘でええやん」
「俺の要素いきなりゼロ!」
「なんや自分の要素も要るんか?」
「両方ゼロか、両方からちょっとずつ、とかがええんちゃう?」
「僕っ娘ハーレムとか?」
「いっちばん要らん要素をなぜ足した?」
「自分の要素ってハーレムだけちゃうの?」
「ちゃうよ?他にもあるぞ?」
「もう無いやん、わからん」
「勇者とか召喚とかいや実際は誘拐やったけど!あるやろ!」
「僕っ娘誘拐ってオカシない?」
「オカシいし、それも十八禁みたいで嫌や」
「そやろ自分の要素入れたらおかしなんねん」
「入れかたや!なんで誘拐をチョイスした!選び方!」
「そんな事言うてもさ、僕っ娘勇者って変やん。僕が勇者になるやん」
「あー確かに俺が僕っ娘みたくなるな」
「ちゃうで、僕が勇者みたくなんねんで」
「ちゃうわ、俺が勇者なんやから、それ俺が僕っ娘やらなアカンやろ」
「なに言うてんねん。僕こそが僕っ娘やろ自分俺俺ずっと言ってるだけやん僕っ娘の本質を一切わかってへんやんそんなんが僕っ娘やります言うてもすぐバレるやんあーコイツ設定でやってるわーって。そしたら僕が勇者やるほうが自然やん」
「あああああ!もうどっちでもええわ!」
「大事なとこやろ!」
「採用しないコンビ名を深堀りする必要はないねん!」
「だめなん僕っ娘勇者?」
「アカンで」
「んー他って言ってもな」
「両方の要素を少しずつ、がアカンのかもしれん」
「もうこの際、両方の要素ゼロでええってこと?」
「そや。どんなんあるかなあ。お前なんかある?」
「不細工と美人」
「やめろ!」
「不細工美人やと違うやろ。僕不細工ちゃうし。とが要るやん」
「俺らの要素は要らん、て言うてるやんけ」
「美人と犬」
「誰が犬じゃ!要素は要らんねん!」
「誰も自分が犬とは言うてへんやん」
「真顔で言うなわかっとんねん」
「犬顔やけど」
「ほら!やめろそれ!」
「そんで、僕が美人っつうところは認めてくれるんやね、ふふ」
「お前いきなり怖いこと言うな」
「ええやん、そしたらもう、おしどり夫婦とかにしよか名前」
「微妙やな」
「えなんで」
「いっぱい先輩方がおんねん夫婦漫才は」
「そやな僕は日本の漫才知らん体やけど」
「言い方。まあええわ、その人らさしおいておしどり夫婦ってな」
「つうか、僕が言っててあれやけどな、他のコンビさんが使ってたりせえへんか」
「ベタな名前やもんな」
「今ウィキで調べたけどおるみたいや、残念」
「日本のウィキって変なとこ便利やな〜って今どやって調べたん!」
「テレパシーの魔法で」
「魔法でウィキって調べられるん?」
「普通やで、テレパシーでワイファイつなげるだけやで」
「ホンマにすごいなソレ!」
「そんなん大したことないよ。名前や名前の話や」
「すごく斬新なイノベーションなんやけど」
「ええねん。語感とかで決めるなら、意味なんか無くてもええやんな」
「そや、カタカナとか英単語とかいっぱいおんで」
「マチャアキとか」
「堺さんに謝れ!」
「え、誰か使てんの?」
「有名芸能人のあだ名やソレ」
「そなんかー、すんません僕知らなかったんですー」
「白々しい」
「そしたらマチュピチュとかでええんちゃう?」
「遺跡やし言いづらい」
「マッシュドポテト」
「料理や」
「マッキントッシュ」
「名前のつもりちゃうよなあ、コンピュータの名前かな!」
「曖昧さ回避のページみたいな事言うとんね自分」
「お前ウィキに毒され過ぎや。何でマ縛りで考えんねん」
「抹茶」
「お茶やな」
「マックシェ」
「やめろ完全に製品名や」
「えー、マッで始めたい!」
「お前、感覚でわけわからん事言うの止めてもらえませんかね」
「なんか、マッで始まるのがええねん」
「知らんけど、まあ方向性は合うてるで」
「そーなん?」
「意味なんかどうでもええ、感覚。語呂とか大事やねん」
「まっさら、とか?」
「まっさらな空とかな、ええやんか」
「まっさらタウンとか」
「やめろいきなりヤバなった」
「がらむまっさらとか」
「がらむ付けんなや。カレーやん」
「まっさらさらさら、さらさ」
「やめろだから製品名を叫ぶな!」
「えー」
「あと思春期男子が赤くなる製品はつかうな!」
「難しいな」
「そら難しいよ。売れる売れんにも関わるし」
「もう、マッで始まるの諦めるわ」
「なんで拘ってたかも俺わからんけど」
「あんな、漫才コンビを五十音で並べた時にな、上位に来るほうがええと思うねん」
「それは電話帳に掲載される業者あるあるやぞ」
「長いそのあるある」
「俺もそう思うけど」
「けど本質はそうやん。上位に乗る方がええやん」
「少しでも目立ちたいしな」
「そんでな、五十音の他にもな、いろは順でも上位やったら完璧やん」
「いまどきいろは順で漫才師並べようって人おるか?」
「そんな尖ってる人に気づいて欲しいやん?」
「きづくかな」
「そーいう人のためにな、い、で始まるのどやろか」
「もうなんでもええけど」
「いろは坂とか」
「坂シリーズはもうアイドルがやってんねん」
「イギリスドイツとか」
「戦争を思い出すチョイスやな」
「イギリスフランスでもええぞ」
「それも戦争つながりやろ。若い子わからんやん」
「今生きてる人全員若くならんかそれ?」
「ええねんそこは」
「そしたら、伊賀甲賀とか」
「やっぱ戦争してるし、忍者やん」
「二人で忍者装束せなあかんのかな」
「魔族も勇者も王女様も全部消えるやん」
「イランイラク、あれイラクイランやったっけ?」
「どっちでええし、それダメ」
「インド中国とか」
「せやから古今東西戦争してた国ネタはヤバいねん」
「いあ!いあ!クトゥルフ、とか」
「呪文でヤバくてマイナーってアカンやろ」
「名状しがたく闇に蠢くものとかが三人目としてね」
「ホラー好き以外おいてけぼりの話題やぞ」
「それが第二夫人としてね」
「やめろハーレムに戻るな!」
「ええやん、第二夫人がモンスターって」
「絶対アカンやろ。コンビ名に戻れ、いで始まるアイデアや」
「いい日た」
「やめろ歌はやめろ」
「結構使ってる人おるやん」
「それでもアカン」
「い、も難しいな」
「せやから、難しいって言うてるやん。こんな舞台で決められへんよ」
「もういろは順は諦めて、あ、でいくわ」
「お前は諦めないな」
「あがさくりすてぃー」
「ミステリ作家や」
「あーさーこなんどいる」
「またミステリ作家や!なんでミステリ作家推しやねん!」
「あんみつひめ」
「アニメや!いきなり飛んだし古い!」
「アイネクライネナハトムジーク」
「お前それモーツァルト!」
「なんでそんな一々叫ぶの、うるさい」
「あんな、長い名前が嫌でコンビ名考えてんねやろ」
「そやで」
「長くて分かり辛い名前に変えて意味ないやろ」
「アイネクライネナハトムジークは覚えやすいし有名やろ!」
「クラシック界限定やし、長いわ!」
「あも難しいな」
「難しい難しない以前にやな」
「なに」
「いまんところ、お前が適当に一人でしりとり考えてるだけや」
「上手いこと言うな自分」
「上手くないわ」
「もうめんどいから不細工と美人でいこか」
「待て!」
「なんで」
「これって色々と考えた上で、やっぱハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様がいいなってオチがつく流れちゃうの?」
「自分、ハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様でホンマにええの?」
「ハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様って名前つけたお前が言うな」
「きっかけは、ハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様が長すぎてアカンって話やろ、それでハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様に戻っても」
「長いいいいい!いちいちコンビ名言うと長いー!」
「そやろ。不細工と美人でええやん」
「美女と野獣くらいな、上手い言い回しできんか?」
「それ有名過ぎるやん」
「そやけど。せめて美女と獣とかあるやろ」
「や、が消えてるだけやん自分そんなんでええの?」
「よくないけど、そんな感じで」
「ほな、美女と除け者、とかか?」
「やめろ泣くぞ」
「美女は怠け者、とか」
「お前は自分を全肯定したいだけか」
「なんか違うか」
「パクリがアカンのと違うか」
「パクリちゃうもん」
「パクりまくりやろ。もう最初のマチュピチュでいこか。語感はええし」
「言いづらい」
「そこは我慢せえや」
「あ、そしたら今僕ええの思いついた」
「なに」
「美女びしょびしょ」
「なんて?」
「逆のがええな。びしょびしょ美女」
「早口言葉やんけ」
「びしょびしょ微小B以上美女秘書」
「あん?」
「びしょびしょの、微小、つまりちっちゃい、B以上はおいといて、美女が、秘書」
「早口言葉やん」
「びしょびしょ微小B以上非行美女秘書避暑地逃避行」
「ああん?」
「非行に走る美女な秘書が、避暑地に、逃避行」
「早口言葉やん」
「自分さっきから早口言葉しか言うてないやんか」
「お前がさっきから早口言葉しか言うてへんからや!」
「びしょびしょ微小非行美女秘書避暑地逃避行異常気象」
「しらっとB以上抜かしたやろ」
「びしょびしょ微小B以上美女秘書避暑地異常気象移動基地局微動」
「文字数、ハーレム狙いな召喚勇者と魔族で僕っ娘王女様より増えてるやん」
「目立つし」
「それでテレビとか出れると思うか?」
「やってみなわからん」
「ほなお前、ちょっとやってみい」
「それでは参りましょう!びしょびしょ微小B以上美女秘書避暑地異常気象移動基地局微動のお二人です!」
「アナウンサー殺しやん」
「これもダメ?」
「アカンところだらけや」
「そしたらもうコンビ名アナウンサー殺しでええわ」
「殺すとかアカンねん」
「アナウンサー泣かせでもええで」
「MC泣かせとかな」
「あ、それええやん」
「なに?」
「MCナ・カ・セ!」
「MCのナカセさんってこと?」
「僕そんな人知らん」
「お前が適当に喋ってるだけなんは知ってるけど!せめて直前に言うたことくらい覚えとけよ!」
「自分うるさいわー、そもそも自分のためにコンビ名考えてんねんぞ」
「ちがうぞ?お客さんから長いって言われたからやぞ」
「ハーレムが嫌や嫌やって散々な」
「それもあるけど」
「もう自分な、どっちかで選び」
「なにを?」
「びしょびしょ微小B以上美女秘書避暑地異常気象移動基地局微動、と」
「さっきから思てたんやけど」
「なにいきなり」
「お前噛みまくってない?」
「あ、噛んでない体でお願いします」
「噛っみ噛みでどっちか言うたらそっちのがおもろいんやけど」
「ええから自分そこええから」
「それもあって、そのコンビ名は絶対不許可やな」
「えー」
「自分たちで言えんコンビ名とか無いわ」
「けどそしたら不細工と美人くらいしか残ってないやん」
「もーどうでもええわそれでもええわ」
「ハーレムのネタとかやっても逆にお客さんポッカーンなるけどええの?」
「もうそれでええんちゃうの」
「ハーレム美人はちょっと違うしな」
「最初の僕っ娘ハーレムとかに比べたらだいぶマシや」
「面白さとかインパクトなら僕っ娘ハーレムなんやけどな」
「もう最悪、それでもええよ」
「けどこれ、自分の性癖そのままやん」
「お前どつくぞホンマ」
「ちなみに僕っ娘ハーレムんなったらな、自分が、僕っ娘限定でハーレム作りたい人やぞ」
「それ、めっちゃヤバい奴やん!」
「僕っ娘がいっぱいおんねんで、自分は好きかもしらんけど」
「絶対嫌!しかも隣に僕っ娘おるから言い訳も出来へん!絶対嫌!」
「そしたら今の名前で仕方ないんちゃうかなあって」
「せめてハーレムは抜いてくれへん?」
「召喚勇者と僕っ娘王女ってことか?」
「それでええやん!」
「よくないよ」
「なんで!要素入ってるし語呂もええし!」
「自分の不細工さが伝わらへん」
「元々入ってない!」
「ハーレム狙うようなんは不細工やで、心が」
「上手いこと言ったみたいなドヤ顔やめろ!」
「心不細工」
「やめろ!俺ハーレム狙ってないって言うてるやん!」
「うるさい、そこは必要なとこやねん、もうええわ!」
「いやちょっと待て」
「え、なんで」
「お前、最後にも一回噛まんと言えるか試せ」
「やめて勘弁して自分鬼やで、もうやめさせてもらいます〜!」
「ありあとやっしたー」




