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11、お客
今は真夜中。
俺は、ギャンブ…じゃなくて、ちょっと出かけるべく家の扉を開けた。
そしたら…あいつの家の前に……男が立ってた。
俺は思わず扉を閉めてた。
……は?
いや、あいつの家、母子家庭だよな?
あいつの母親も、普通に街の飲食店で働いてるし……。
…ストーカーか?
いや、にしては、男は身なりが良かった。
そう…まるで貴族みたいな…。
コンコン
…え?
…あれ、今なったのって……。
コンコン
俺の家かよ!
コンコン
これ、出るまで開かない感じか?
…一瞬開けたから、居留守は使えないしなぁ。
コンコンコンコンコンコンコンコン
ホラーかよッ!
「はい?」
俺は仕方なく扉を開けた。
「すみません!! 貴方の家の隣に住んでるのって、クララですよね!?」
…クララ?
あ、そういえばあいつの母親の名前はそんなだったような…。
「あのーどちら様ですか?」
本当はかかわり合いになりたくないが、ストーカー(仮)が女子供の家の前に張ってるのを放っていくわけにもいくまい。
「あ、これは失礼。僕はクララの旦那です」
旦那ぁ?
あいつは確か父親はいないってたよな…。
誰だこいつ。




