ローブの正体…
全然話が進まずにすみません<(_ _)>
「・・・はっ!ここは!?」
俺が視界が切り替わるのを感じた瞬間突如鐘が鳴り響く。
「あー0時に戻ってきた訳か…ってそれよりも!あいつ1日に1回しか死ねないとか言ってたけどこれってもしかして次は無い的なヤツ?」
俺は顔から血の気が引くのを感じつつ、このままだとどうなるか考える。
このまま行くと俺は死ぬ、きっとクラウディアか盗賊の誰かに殺されるだろう。
多分俺は既に毒を盛られているだろう。俺がトイレに行った時が怪しい…ああ、多分あのジュースに入ってたんだな。となると…体が動かないからと言って部屋に篭っても多分看病とか言って殺しにくるだろうし…。
何か無いか…このまま憲兵の屯所に行ってみるか?いや、盗賊を街に入れるような奴等だ、信用出来ない。
と言ったら俺はどうするべきなんだ…。俺が打開策を模索していると少し前の方から声が聞こえてくる。
「おい、そこの兄ちゃん」
なにこれ凄いデジャブ…少し違う所はこの前は後ろから声をかけられたのに今回は前から聞こえてくるということくらいか
「はい、なんでしょうか?」
「兄ちゃん、ここが何処だか知らないで来たって訳じゃないよなぁ?」
ああ、ここまで同じという事はもうちょいすればローブが……ん?ローブ?あっ!ローブがいた!そうだ!ローブに頼めばいい!よし!そこまで決まったらどうやって頼む?何か条件がないと…
「おい兄ちゃん!聞いてんのか!」
とそこまで考えていると無視していた強面のオッサンに怒鳴られる、が今はそんな事を気にしている場合じゃない
「すみませんがちょっと黙っててくれませんか?俺の命がかかってるんです」
「はぁ?何言ってんだ兄ちゃん?まあいいや、ひとまずさ、服脱げや」
「だからちょっと黙ってろつってんだろ?耳腐ってんのかよオッサン!!!!」
俺は怒鳴るように(というより完璧に怒鳴った)そう言うと俺がいきなり大声を上げるとは思ってなかったのかオッサンは鳩が豆鉄砲喰らったような顔をして固まっていた。
そして俺はローブに助けてもらう為の条件を考えながらローブの登場を待っていた…そして・・・来た!
灰色の全身ローブが俺とマヌケな顔したオッサンの間に出現する。
そしてローブは前回と同じように短く
「大丈夫か?」
と告げた……俺ではなくオッサンに向けて
「へ?」
今度は俺がマヌケた顔を晒す番だった。
「大丈夫か?」
ローブがオッサンに尋ねる。
「あ、ああ」
まだ現状が理解できてない感じで生返事をするオッサン
「いやいやいやいや!ちょっと待ってくださいよ!襲われそうだったのは俺の方ですよ!?」
戸惑う俺
「そうなのか?」
またもオッサンに尋ねるローブ
「え?い、いや!俺が襲われそうだった」
正直にはなしたら不利になると悟ったのか嘘をつくオッサン
「ちょっ!?嘘つくなよオッサン!信じてくださいよローブさん!本当に俺が襲われそうだったんですって!」
「五月蝿い」
ローブがそう短く言うとローブの姿が消える。
(あ、前回と全く同じパターンだ、やばいこれじゃ俺がオッサンの二の舞だ……いや!ここまで行動が同じならローブが放ってくるのはボディブロー!)
そこまでを加速した頭で考えた瞬間、俺は思いっきり後ろに飛びながら腹を手でガードするボクサーの様なポーズを取る、その瞬間腕に衝撃が走った。
「いっッ!!」
(痛い痛い痛い痛い!これは折れた!普通に考えて絶対折れてるって!)
俺は勢いよく後ろの壁にぶつかり、なんとか止まりつつ腕の痛みを無理矢理我慢してローブの方を睨む。
「・・・・・・何故防げた?俺の攻撃を見て防いだというわけではないだろう?」
顔は見えないがどことなくローブが驚いていた感じがする
「知ってたから。ひとまず、俺の話を聞いてくれないか?」
「・・・・・・いいだろう。おい、そこの奴、さっさと帰れ」
「あ、ああそうする」
オッサンはこの一連の光景を見てまたも放心気味だったがヨロヨロとふらめきつつ何とか去って行った。
「あの男にも関係がある話って訳ではないよな?」
「ああ、逆に居なくなって丁度いい」
「そうか。それで話とはなんだ?俺はお前と会った事は無いぞ」
「ああ、話しというかなんと言うか…。まあ、率直に言うとアンタの腕を見込んで依頼をしたい」
「依頼だと?」
「ああ、依頼だ」
「俺とお前は初対面だぞ?そんな相手にか?」
「ああ、俺はアンタしか頼る相手がいない、どうか受けてくれないか!」
俺は藁にも縋る思いでローブを見つめる
「・・・・・・依頼の内容は?」
「ああ、すまない、ちょっと焦っていた。依頼の内容は……俺を助けて欲しいんだ」
ちょっと気が先走っていた…そりゃ依頼の内容も言わずに受けてくれってのはおかしいだろう。馬鹿かよ俺…
「どういう意味だ?」
「あまり詳しくは話せないんだが俺は今日正午辺りに殺される。だからそれを阻止して欲しいんだ」
俺がそう言うとローブは少しの間、顎に手を当てて考えるような仕草を取る。
はぁ…何言ってんだ俺…自分で言っている事が自分から見ても怪しすぎて涙が出そうだ、これは無理だな。何て考えていると予想の斜め上の返事が返ってきた。
「お前の名前は?それと、犯罪行為をした事はあるか?例えば……殺人…とかな」
これは…無いと答えたらどうなるんだ?嘘をつかれたらおしまいだろう。俺はそう思ったが、何故かここで嘘をつくのは躊躇われた。嘘をついた瞬間に俺は殺される、何故かそんな確信じみた直感だけが俺にはあった
「俺の名前は和馬だ犯罪は……盗賊を4人殺した。それだけだ」
「なるほど…カズマかいい名前だな。いいだろう、依頼を受けよう。あと、盗賊なら殺しても犯罪じゃないぜ?」
ローブはさっきより少しだけ口調を砕いた感じに話しかけてくる。
俺はその言葉に緊張の糸が切れたのと依頼を受けてもらえたという衝撃でへたりこんでしまった。
「おい、大丈夫か?」
「あ、ああ多分…ってそれより!依頼受けてくれるのか!?」
「ああ、そのつもりだが?」
おいおいマジかよ…こんな怪しい依頼受けるか?普通、まだ報酬の話もしてないぞ…と俺がそんな事を考えていたのが顔に出てたのかローブが少し不機嫌そうな口調で
「依頼したのはお前だろう?それとも何だ?やっぱりやめるか?」
「いや!違う違う!そんな訳ない!受けてもらえるとは思ってなかったからちょっとビックリしてただけ!本当にありがとう!」
俺はしどろもどろになりながらも何とかローブを引き止める。
「え、えーっとそうだ!アンタの名前は?!それに!報酬!報酬の話してない!」
「俺の事はシャルとでも呼んでくれそれと、報酬の話は依頼が成功したらでいい、それよりもお前をどう助けるかの計画を先に考えるぞ。いや、その前にお前がどうやって死ぬのか教えてくれ。」
俺はそう言われるがままに俺が死ぬまでの経緯を話した。
「へぇ…梟の目ねぇ…それにしてもそこまで詳しくわかるのか…何故わかるんだ?」
「すまない、それは言えない。」
「まあいい、それよりカズマ、お前の希望はあるか?どんな風に助けて欲しいとか、1番楽なのはお前をどっかに逃がす事なんだが、それじゃあ根本的な解決にならないからな。」
「…出来れば殲滅してもらいたい…無理なら良いんだけど…」
「いや、別にかまわない。だが、それだとお前を囮にするのが1番楽なのだが…」
「ああ、それでいい。」
「随分あっさり決めるんだな、命がかかってるんだぞ?」
「でも、守ってくれるんだろ?」
俺のその言葉にローブは少し驚いた様にフードを揺らすと少し笑いながらこう答えた。
「ああ、守ってやるさ、隠者の名にかけて」