俺の理想の体現者!?
お昼寝のつもりが…寝てて全然話を書けませんでしたorz短いのですがお許しください。もしかしたら今日中にもう1話投稿するかもしれないので…
「・・・・・・ここは・・・。」
俺は今、体が動かない状態で謎の空間に固定されたように座らされている。
「あー何か思い出してきた。前に死んだ時こんな場所に来た気がする。」
そう、ここは前に死んだ時訪れた黒い空間によく似ていた。だがここには黒い空間とは決定的に違う所があった。
「白い?」
そう、この空間は前に訪れた黒い空間とは真逆で、ただひたすらに白い空間が広がっていた。
「狭間へようこそ、カズマ君、はじめましてかな?」
俺はそこで《何か》に話しかけられた。
「ファッ!?は、はじめまして?」
「ははは、そんなに驚かないでよ。」
「えっ、えーとあ、あの1つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
俺はいきなり聞こえてきた声に一瞬頭が真っ白になったが、前にも似たような事があった事を思い出し。敬語になりつつもなんとか質問する。
「何かな?」
「ここは何処?って言うかアナタは誰?アナタは何処から俺に話しかけている?そして、俺は死んだのか?」
「うん、1つじゃないね。大丈夫、ちゃんと説明するからまずは落ち着こうか、ほら深呼吸。吸って〜吐いて〜」
俺は流されるがままに深呼吸をするスー…ハー…スー…ハー
あー何か落ち着いてきた気がする。
「ありがとう、落ち着いた。で、ここは何処なんだ?」
「ここは狭間だよ。生と死の、夢と現実の、意識と無意識の、様々な狭間さ。」
どうやらこの謎空間は狭間という名前らしい
「えーっと、よくわかんないけどここの名前は狭間ってことでOK?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、次の質問。アンタ誰?」
「僕の名前は■■■■■」
俺にはそれが聞こえず、もう一度聞き直す。
「えっ?今なんて言った?」
「僕は名前は■■■■■」
あー、これ聞こえなかったんじゃなくて、聞こえたけど理解出来なかったんだ。俺は何故かそう判断したが、それはあながち間違じゃない気がした。
《何か》は丁寧に全く同じスピードでもう一度繰り返してくれたが、俺にはそれが理解出来ずに困っていたらそんな俺の様子に気付いたのか《何か》は少し申し訳なさそうに謝ってくる
「あーごめん。理解出来ないよね…。うーん、じゃあ、僕の事はスヴィパルとでも呼んで?」
「スヴィパル?」
「言いにくかったら略してもいいよ」
「分かった、スヴィ」
「うん。じゃあ、説明するね、僕はスヴィパル。カズマ君にわかりやすく説明すると叡智の書の本体、かな?」
「叡智の書に本体とかあったのか…だから姿が見えないのか?また頭の中から話しかけてるとか?」
「いいや、僕は君の目の前に居るよ、ほらそこに」
「んん?俺には何にも見えないが。」
俺は前を探るように見渡すが、そこには誰も居ない……あれ?何だ?何もいない筈なのにまるでそこに居るような気配の様なものだけある…気がする。
「ほら、僕はそこにいる。目を閉じて想像してみて、僕の姿を。ほら目を閉じて!」
俺が目を閉じろと言われて躊躇していると二回目の催促がきた。俺は戸惑いながらも目を閉じる。
「よろしい。じゃあ、想像してみて僕の姿を。」
(そう言われても見たことも無い奴の姿何て想像出来ないんだが……。)
「ほらほら君の好きな姿でいいからさ自由に想像してみてよ」
うーん、出来るだけ頑張ってみるか……。
声から考えるに子供っぽくて男の子でも女の子でもなく中性的かな?うーん、髪は白のロングでいいかな?何か中性的なのに合ってるのは白髪、銀髪って感じがするしな…まあ、自由にって言ってたし別にいいだろう。あとは目は右目が青で左が金のオッドアイ。肌は白く身長は150位で服は…メイド服でいいかな?うんうん、中々いい出来何じゃないか?これ?
俺の中でスヴィの姿がどんどん組み立てられていき、その出来栄えに俺が満足気に頷くと
「出来たみたいだね。それじゃあ目を開けてみて」
とスヴィから声が掛かった。
そして俺が目を開けると、そこには俺が想像した姿と全く同じ姿のスヴィ?らしき人物がいた。
「これが僕の姿かな?可愛らしくていいね」
そう言ってスヴィは俺に微笑みかけてくる。やばい…可愛い。俺の趣味全開の姿だからより一層そう感じてしまうのかも知れないがこの子は可愛い…。
すまない皆…俺は中性的にしようと思っていたのだが無意識の内に俺の脳が美少女に組み替えてしまったらしい…。
「って、おいっ!何で俺の考えた子が目の前に!?」
「それは君が僕の姿をそう想像したからだろう?」
スヴィは不思議そうな顔でそう言う。
あーもういいや、無理に理解しようとすると頭がパンクしそうだし…。今は俺の理想の姿をした子が目の前に居るということだけはわかるし。
俺はそう割り切って次の質問をする。
「何かもういいや、で、次の質問なんだけど…」
「あれ?結構飲み込むの早いね?」
「理解するのを諦めた」
「あーなるほどね」
スヴィは俺の言葉に楽しそうにクスクスと笑う。
「で、次の質問なんだが。俺は死んだのか?」
「うん、死んだよ?それはもう、あっさりと」
「ですよね〜…え〜っとじゃあ、何で俺はこんな所に居るんだ?普通この前の黒いとこに行くと思うんだけど。」
「こんな所とは失礼な、何?黒いとこに行きたいの?逝きたいなら逝かせてあげるけど」
「何か行きたいのイントネーションが違う!?いやいやいや、そういう訳じゃなくて!普通死んだら前回死んだ時に行ったとこに行くと思うじゃん!だから行きたいとかそういう訳じゃなくて!」
俺は必死に弁解する
スヴィは必死の形相の俺が面白かったのか腹を抱えて笑っていた。
「あはは…別にそんなに必死にならなくても…ふふふ」
スヴィはどうにか笑いをこらえようと口を手で押さえる。
「笑うなよ…で?何故俺はここに来たんだ?」
俺は本当に面白そうに笑うスヴィを見て怒る気になれず、さっさと話を変えてしまおうとスヴィに話を振る
「ふぅ…えーっと、カズマ君がここに来た理由はねぇ僕のささやかなプレゼントだよ!」
「えーっと?それはどういう意味で?」
「んー?だって黒い空間で執拗に辛い目にあわされるのと、君が好きに想像した姿の僕と話すのってどっちが楽しい?君があの苦痛が気持ちいいとかいうマゾヒストなら素直に謝って黒いとこに戻すけど…」
「いえ!すみませんスヴィさん!アナタと話す方があの黒い空間に居るより数百倍楽しいです!」
「えー!それだけ?」
「いえ!数千倍の間違えでしたすみません!」
「よろしい」
あーこの子に逆らってはダメだな…。俺は頭の中でそんな事を考えていた。
「まあ、その代わりに能力も制限されちゃったけどそれは仕方ないよね。」
「へ?能力の制限?」
「うん、えーと、君は1日に1回しか死ねなくなっちゃった(´∀`*)テヘッまあ、その代わりに黒い空間には行かなくていいし記憶も忘れない様にしたしいいよね」
「え?ええっ!?何それ聞いてないんだけど!?」
「今言ったよ?」
「いや!聞いたけど!でもさ!それはおかしいでしょ!」
「だから、これはプレゼントだって僕のささやかな老婆心さ。1回しか死ねない代わり黒い空間には行かなくてよくなったんだからいいでしょ?小さいなぁ」
「いやいやいやいや!明らかにメリットよりもデメリットのが大きいんだけど!?」
「おっと、そろそろ時間だ。お話楽しかったよ〜じゃあ、またね〜」
「ちょっと待てぇ!俺の話を聞けえぇぇぇぇぇ!」
そんな俺の叫びも虚しく俺の体は少しづつ消えてゆく。