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とびだしてきますよね、こちらからとびこんでいったりもします

子供はもっと素直に生きておりますが、ちょっと大人的な思考を加えておりますことご了承ください。

 いやぁ、好きだったんですよ、白黒? ちょっと緑がかかった液晶表示の時代から。草むらからとびだしてきますよね。


 と、何かというと、そろそろゲームって奴が、記憶に割り込んでくるころだったのですが、いあ、まだだ、まだやれると、大自然のお仕置きがまだだったので、ゲーム話はもう少し先です。


 昭和というと、奇跡の時代だったわけで、何が奇跡かというと、

テクノロジーと自然の調和ですね、難しい意味でってわけではなくて、

技術の発展によって、得るものと失うものがあると思いますが、

相反するものが、ちょうどまだお互いを残しあったまま、クロスする時代といえば分かりやすいでしょうか、どっちも味見できるとても、とても、とてとて美味しい時代だったという分けです。


 分かりやすくいうと、商店街のイルミネーションを見に行った帰りに、玄関で、くつを脱いでいると、ホタルが迷い込んできて、――わぁきれいだね――っていうのが普通にあったということです。


じゃあ、いつもの子供視点に戻ります――




「うん、田んぼ耕してるね、水もはいっちゃいますか、トラクターはちょうど終わったところかな」


 学校帰りに、いつもの道を歩いていると、土のむせかえるような匂いと、道路が泥だらけになった、

景色をみかけて、今日は、狩りのはじまりだなと思うのは、

 本当は道草しちゃダメなんですがといううしろめたさをこえた、狩猟民族の血が騒ぐせいでしょうか。


 田んぼが耕され、水がはいった直後は、レアな奴をゲットするチャンス。

 

 わくわくがとまらない。


 畦道を飛び越えて、一本橋みたいにのびるコンクリートの枠にのっかりながら、水が泥と混ざって、

どろどろになった田んぼの脇を一心不乱に探しながら歩く。


 そう、奴はこのときにしか出会えない。


 どこだどこだと、血眼になって探しつづけること、田んぼ2つ分、見つけたぜぇ。


 田んぼの端のコンクリート枠との境目で、小さくパシャパシャと跳ねるどろ飛沫を、幼いハンターは、見逃すわけにはいきません。

 すばやく、近寄り、汚れることなんて意にもかいさず、手刀一閃、泥ごとすくとります。

 すると、軽く握った手の指の間から、なんとか脱出しようと蠢く姿が。


 「むう、この、こそばがゆい、無駄な抵抗がまた、レアものを捕まえたという充実感」


 そっと手をあけると、アレがいました、有名な歌にもでてくる、虫『ケラ』です。オケラだって生きているんです、てか、こいつはなかなかカッコいい体つきをした昆虫です。

 でっかい鉤爪をもち、流線型のフォルム、じつはちょっとした羽もあるみたいで、全体的に茶色いのも、なんか強そう。実際、力もつよく、握ってたときは、手をのけようと、ぐいぐい押してきてました。


 普段は土の中に住んでいるので、田んぼに水がはいった直後くらいにしか、会えません。ですので、年に1度くらいしか狩猟の機会がないという、なんていうレアものでしょう。


 ひとしきり、ながめたあとは、そっと逃がしてやります。

こいつを飼うことは、子供にはほとんど不可能なので、またいつか出会うことを楽しみに、そっと野に放ちます。そして、次の獲物が暴れていないか、家に着くまでの、ハンター生活はつづきます。


――田んぼは、子供の楽園でした、農薬をまいているのか、どうなのか、生き物がいっぱいいるところと、ひっそりと静まり返ったところと、色々とみていると分かってくることもありましたが、そんなの子供には関係ないですね、奴らがいるか、いないか、それだけです。


 「ここの田んぼは、レアなのいるよ、いっぱいつかまえちゃるよぉ」


 ぶつぶつと言いながらも、視線は完全に田んぼにロックオン、何か動く生物がいないか、なめるように見ていきます。


 すぐに出会える奴、

おたまじゃくし、ガムシ、ヤゴ、シーモンキー


 ちょっとレアな奴

カブトエビ、ゲンゴロー、水カマキリ


 みつけるとテンションあがる奴

タガメ(デカイ)、なぜかいる、毛ガニ(なんでカニが)


 みつけるとテンションダダ下がりな奴

ヒル(緑のやつとか、薄茶色っぽいやつとか)、へび(ヒッ、怖い)


 やっちゃうとテンション下がること、

捕まえたレアな奴らを、間違って田んぼにばらまく、片足を田んぼにつっこむ、雨がふってくる。


 と、何に出会えるかまったく分からない、ランダムエンカウントな出会いを求めて、田んぼという、冒険に出かけることは、エコで、とてもとても楽しい、出来事でした。


 田んぼだけでも、これだから、裏山にいったら、蜜でまくりの、昼間でもちょっと暗い木のところには、奴らが!

 とか、夜になると、ちょっと高台にある、公園横の街灯には、猛スピードでとびかう奴らが、地面にもちらほらと!


 ショッピングセンターとかで、出会えるような高級な奴らの類似品が普通に、ゲットできる生活って、すごく贅沢なんじゃなかろうと、ちょっと思いかえすところです。


 でも、秋の草むらには、殿様的な緑の怪人の元ネタとか、そらとぶ、でっかい緑の奴らが今でもまってるから、まだまだ、探せばいるから安心してね、ってお話でしたとさ。





いつも読んでくださいまして、ありがとうございます。


 ゲームも大好きです、もちろん、アレをゲットしたりできるゲームも大好きです。大好きなんです。

 きっと子供の頃においかけた、レアな奴らのことを思い出しているのかもですね。無料でもレアな奴らに会えますからね、なんてエコなんだろう。

でも、有料でレアな奴に必ず会えますよっていわれたら、それも魅力的……


まだまだ、つづきを書いていく予定ですので、また読んでいただけると嬉しいです。感想とかいただけるとすっごく喜びます。


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