コスチュームPlay!!バレーユニフォーム編
「メイド服っていいよなー」
友人の一言。
今は帰り道、気だるい講義を終え帰路についていた中で彼はそう口にした。
「いいってどのへんがいいんだ?」
「モノクロ・カラーが織りなすコントラスト、ミニスカフリルのスカートから覗かせる絶対領域、そしてその服装から漂わせる清楚感!!素晴らしいじゃないか。そうは思わないか同士よ」
どうだって聞かれても。
モノクロ・カラーはいいとしても絶対領域ができるってことはミニスカートをイメージしてるんだろうけど、その時点で清楚じゃないだろう。
第一ミニスカメイドのあの服装はメイド服じゃなくてメイド風衣装の領域だと思う。
「いいんじゃないか」
心にもないことを口にする。
「だろだろ!お前はわかってるよ。大学入って一番にお前に声かけたオレの目に狂いはなかったぜ」
「それはどうも。ま、いくらいい衣装でも着てもらわなきゃ意味が無いんだから頑張って彼女作れよ」
「うっせ!じゃ、また明日なー」
「じゃーなー」
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「という会話をしたんだけどどう思うよ?」
「君、裏表ありすぎだろ」
さじ加減なんて何のその。隠すことなく直球な感想が返ってきた。
ここは彼女の家。
自宅に帰る途中に寄って今はあぐらをかいて座っているオレに抱かれる形でオレの上に座りながら夕方恒例の再放送ドラマを眺めていた。
「ポーカーフェイスと言ってくれ」
言いながらちゃぶ台の上のせんべいを一枚咥える。
「私から見ても何考えてるかわからない所あるからな。出会って数日の奴に理解できるとは思わないよ」
「左様で」
表情の変化が薄いからな、君と付け足す彼女。
「というかオレの表情の話じゃないんだよ。衣装の話」
「あぁそっち。こんなオレにもちゃんと友達出来たんだって話ではないのか」
「そんなにオレは社会性に難があるのか」
「さぁどうかな」
フフ、と彼女は少し笑いせんべいを口へと運ぶ。
少し意識しておこう。
「で、君はどんな衣装ならいいというのだ?まさか不満だけ言っておしまいという訳ではあるまい」
「よくぞ聞いてくれました」
手を背に回す。
隠していた衣装を彼女の前に広げた。
「こ、これは・・・・」
彼女は絶句した。
「そう、これはお前が小学生の時に使っていたバレーボールの試合用のユニフォームだ」
口元から笑みが溢れる。
「ど、どっからそんなもの取り出してきたーー!?」
言葉を失ったと思ったら今度は叫びだした。
こんなに慌てふためく彼女は中々拝めない。
「一階の居間の押し入れ。この部屋来る前にお前のお母様に言ったら貸してくれた」
「か、母さんめ」
「そんなに嫌だったか?」
思っていた以上に拒否反応が大きかったので聞いてみた。
「嫌だよ!」
「それまたどうして?」
「だってこの身長だよ!?バレーやってたなんて言えないよ」
「あー・・・」
彼女の身長はお世辞にも高いとはいえない、というかかなりちっちゃい。
これでオレより一つ年上なんてありえないってくらいちっちゃい。
中学生、人によっては小学生っていうくらいちっちゃい。
以上、ちっちゃいの三段論法。
「君、今もっのすごく失礼なこと考えてなっかたか」
「滅相もございません」
以心伝心。
カノジョッテスバラシイ。
「で、この衣装というかユニフォーム持ってきたわけだけどどうするつもりだ?」
「もちろん着てもらう」
「却下に決まってるだろう。第一サイズが合わない」
「そんなに成長してないんじゃ」
カチーン。
そんな音が聞こえた気がした。
「絶対に着ない、絶対にだ」
「ごめんなさい、言い過ぎました。機嫌直してください」
「嫌。着ない」
ご機嫌斜めを優に通り越してご機嫌直角気味である。
仕方ない、奥の手を使おう。
オレはどうしても彼女にこの素晴らしいユニフォームと言う名の衣装に見を包んで欲しいのだ
今日ここに来たのはそれが目的だといっても過言ではないのだから。
「悪かったよ。着なくていい」
「なんだかやけに上から目線だがわかったのならいい」
「じゃ、これ返しに行きつつオレ帰るよ。そろそろ晩飯時だし」
「え。もう帰るのか?いつもより全然早くないか」
「もういい時間だよ。普段が長居しすぎてるんだ」
「うー・・・・」
これまた珍しい彼女の困り顔。
オレの「帰る」発言に明らかに動揺している。
「あっ、まだバレーユニフォームの素晴らしさを聞いてないよ。聞かせてよ」
「嫌がっている衣装の話をするような嫌な人間じゃないよ、オレは」
「嫌がってなんかない」
「さっきおもいっきり嫌がってたよ」
「・・・わかったよ。着ればいいんでしょ、着れば」
「着てくれるんだ。やった」
「そんなご主人が返ってきたワンコのような目をするな。君がやると胡散臭い」
酷い言われようだがこれで計画通り。
「早速着替えてよ」
「わかってる。そのユニフォーム貸して」
「はいよ」
彼女はオレから衣装を受け取ると部屋を後にした。
どこか適当な部屋で着替えてくるのだろう。
「いやーたのしみたのしみ」
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「ただいま。ど、どう?」
「おお」
ユニフォームを着た彼女は少し俯きながら部屋に戻ってきた。
黒を基調とし赤いラインを所々にあしらったそのデザインは彼女の白い肌をより白く強調させている。
また、パンツの方も黒色で統一したソックスに少しだけ乗り上げている太ももがとても艷やかに見える。
これは想像以上だ。
「眼福です」
「感想を言え。感想を」
「彼氏冥利に尽きます」
「そ、そう言ってくれると私も着た甲斐がある」
そう言いながら彼女はシャツの裾を掴んで一生懸命下に伸ばしていた。
どういうことだろう。
「あ、」
なかなかにご立派なものを隠していたのか、少し丈が足りなくなっていた。
小学生から身長があまり変わらなかった彼女だが、どうやら胸の方は成長していたらしい。
「あ、あんまり見ないで。結構恥ずかしい」
止めを刺された。
今の言葉は反則だ。
気がつくとオレは彼女を抱きしめていた。
「どうしたの?」
「なんか愛しすぎて、つい」
「そっか」
「うん」
「それは彼女冥利に尽きるね」
「さいですか」
「さいです」




