怖ろしい犯行。
無性に人を殺したい。
とりあえず、誰でもいいから殺したい。
そんな考えを僕は昔から持っていた。
しかし、一応、やって良い事と悪い事の区別があったので、
今まで実行する事は無かった。
でも、もう限界である。
ついに実行に移す事にした。
僕が住んでいるアパートの横には、工場があった。
その工場には、夜電気が消えても誰かが毎日残っている。
その上、工場に鍵がかけられる事は無い。
そこで、電気が消えてから、工場内に忍び込んで、残っているその人物を撲殺するという計画をたてた。
翌日、カナヅチを持って、電気の消えた工場に入った。
最初は何も見えなかったが、段々闇に目が慣れてきて、誰かが立っているのが見えた。
その人物は動かない。
おそらく、電気が消えてからも毎日残っているあの人物だろう。
僕はそっとその人物の後ろへ近付いて行った。
その人物は僕に気付かない。
そして、僕はカナヅチを振り上げて、力いっぱいその人物の後頭部を殴った。
すると、その人物の頭が吹っ飛んでいった。
僕は驚愕した。
まさか、吹っ飛ぶとは思わなかった。
予想外の出来事に恐怖を感じた僕は、全速力でその場を後にした。
翌日、工場内は騒がしかった。
その工場で働いている男が言った。
「まさか、この工場で作っているマネキンが壊されるなんて・・・」