浦嶋子
丹後国風土記によれば、與謝郡の日置里、この里に筒川村がある。ここの民に、日下部首等の先祖で、名を筒川嶋子という者がいた。性格も顔つきも体つきも秀でて美しく、風流なことも並ぶ者がいない程だ。これはいわゆる水の江の浦嶋子という者である―
時は長谷朝倉宮で天の下を治めておられた大長谷若健大王の御世。この大王は兄弟どもを悉く殺したのちに即位されたが、政にも軍にも天稟を持ちあわせ、即位されたのちも、まつろわぬ者どもを平らげて豊葦原中国を治め、さらには海を越えて斯蘆国へ外征しておられた。
千早振る軍神どもが荒ぶる内憂外患の時世にも束の間の安寧はあるもので、峰巒のいたるところに青歯朶の萌えるころ、嶋子が、独りで舟に乗って海で釣りをしていた折、三日三晩を経ても一匹の魚も釣れずにいたとき、不意に五色亀を釣り上げた。「ふむ。五色亀とは珍しいこともあるものだ。何かの吉兆かもしれぬな」と不思議で珍しいことだと思って舟の中に置いて、そのまま眠ってしまった。
「もし。殿方、お目覚めください」と肩を揺すられ目をあけると、先ほどの亀はおらず、娘が独りそこにいた。嶋子は不思議に思ったが、その娘の姿は端正で、つり合う者がない程だった。肌は透き通るように淑やかで、眉は峨眉山に出る三日月のようで、靨は降りそそぐ星がきらりと天の河を流れるのに似ている。高く結い上げた黒々とした髪は香油をつける必要がない程につややかで、華やかに輝く麗しい顔も白粉をつける必要がない程に白く、透き通るように潤っている。その身に纏った冰紈と霧縠は、春風がおくる百和香の如き馥郁たる香を漂わせ、肩にかけた帔帛が風になびく姿は雅やかだ。美貌と妖艶さを兼ね備えた、まさに絶世の美女である。
突然現れた娘に驚いた嶋子は、「ここは人家から遥か遠く隔たった海の上で、人などおりませぬ。どこから突然やって来られたのですか」と問うた。すると娘は微笑んで、「都風で洗練された様子の男性が独りで滄海に舟を浮かべておられましたので、親しく語らいたいという思いに堪えられず、風雲にしたがってやって来たのです」と答えた。いぶかしく思った嶋子が、「その風雲はどこから来たのですか」と問うと、娘は、「わたくしは天上の神仙の家の者です。どうぞ疑わないでください。わたくしと語らい、どうぞかわいがってください」と言った。
だいたい先ほど釣り上げた亀はどこへ消えたのだろうか。風雲にしたがってやって来たとはどういうことだ。ここは遥か海の上で、娘が独りで来られる場所ではない。まさか本当に神仙の類なのか……。
などと、心のなかに慎みや懼れを感じながら、半信半疑でいた。すると、娘はその心を見透かしたように、「わたくしは、あなたと天地や日月がなくなるまで永遠に一緒にいたいと思っております。あなたのお気持ちはいかがでしょうか。早くあなたのお心をお聞かせください」と言った。
まさかこの娘、吾の心を読んだのか……。とすると、本当に神女なのか。
嶋子はこれ幸いと、「もう何も言うことはありませぬ。わたくしの方こそあなたを愛する心に緩みなどありませぬ」と答えた。すると娘が、「あなた、どうぞ棹を廻らせて、蓬萊山へ赴きましょう」と言ったので、嶋子がついて行こうとすると、娘は諭して嶋子の目をつむらせた。
瞬く間に、海上の広く大きな島に到着した。
「ここは、いったい……」
「蓬萊山でございます」
島の周囲は蓬蓬として風雷が吹き荒れ、堯堯として波濤が逆立ち、荒れ狂う水面は玄冥として底が知れず、とても常人には近づけぬ様相を呈している。にもかかわらず、不思議と雷雲の内側は穏やかに晴れわたり、曜霊が燦燦と照りつけている。
娘の言にしたがえば、ここは陽気の精である東王父がつかさどる東方世界で、陰気の精である西王母のつかさどる西方世界と対をなしており、この地は溟海に浮かぶ巨大な鼇の背にあり、茫然たる島の高さおよび周囲は三万里、蒼茫として広がる巓の平地は九千里あるという。そしてこの蓬萊を中心に北に岱輿、南に員嶠、東に方壺、西に瀛洲という広大無辺の鼇山があり、島と島との間隔は七万里ずつあって、隣りあっているという。
また、西王母のつかさどる西方世界には崑崙山という山があるという。その北方九万里に龍伯国があり、そこには身の丈が三十丈にもなる巨人が住んでおり、一万八千年生きるという。この巨人どもは釣りを得意とし、巨鼇の甲羅を使って亀卜を行なうため、蓬莱山を含む五山では常に警戒を怠らないという。
にわかには信じがたいが、まるで玉を敷いたかのように美しいこの地は見るものすべてが珍しく、その中心には九天真王の宮殿があった。宮殿の門前の両脇にある高殿は陽射しを覆う程高く、宮闕に至る階は丹色に染められた精緻な浮き彫りの龍陛となっており、官署の高殿はきわめて精巧だ。宮殿には臺閣が五箇所、樓台が十二箇所あり、樓台や館閣は悉く金銀や珍宝で飾られ、碧玉の大広間、瓊華の居室、紫翠の丹房がある。
その禁苑には様々な仙樹がある。中央には椹樹があり、樹高は数千丈、幹は二千抱え余ある巨木で、九千年に一度実る深紅の果実を食えば、全身が金光色に輝き飛翔できるようになるという。北には瓊樹があり、樹高は一万仞、幹は三百抱えある大木で、その花を食えば長命を保つという。南には刀味核があり、樹高は五十丈、その果実は棗に似て長さが五尺あり、これを食えば白刃を畏れなくなるという。東には柤梨があり、この果実は直径が三尺あり、これを食えば火にあたっても焼けず、水に潜っても溺れなくなるという。西には如何があり、樹高は五十丈、三百年に一度花を咲かせ、九百年に一度実をつける。果実は飴のような味で、種は茨に似て長さが五尺あり、これを食えば耳目聡明となり筋膂が増すという。
この地には真珠と琅玕の樹が叢生し、これらの樹々の果実は滋味に富んでおり、これを食えば不老不死になるという。玉醴泉という甘美な酒が湧き出る泉もあり、この酒を数升飲めば不老長生になるという。仙草のほか、丹芝、玄芝、龍芝、玉芝、金芝、木芝などの芝草も常に生い茂っている。丹芝は苦味があり、玄芝は塩味があり、龍芝は酸味があり、玉芝は辛味があり、金芝は甘味があり、木芝は旨味があり、これらを長く服用すれば身を軽くし、老いず、年を延ばすという。また、菰苗に似た葉を持つ長さ四尺程の養神芝があり、死後三日ならこれで覆えば甦り、これを食えば不老不死になるという。さらに信じがたいことに、この島に棲む鳥や獣は悉く純白だ。
この地に住んでいる者はみな仙聖の類で、一昼夜、飛んで互いに往来するが、その数はかぞえきれない程だ。扶桑随一の都をも遥かに凌ぐこのような場所は、今まで見たことも聞いたこともなかった。
白玉の如き石畳で舗装された美しい街路をふたりは互いに手をとり合ってゆっくりと歩み、ひとつの大きな家の門の前に到着した。その家は、麗しい碧緑の琉璃瓦で葺かれ、その壁面は純白に輝き、周囲をめぐる廻廊の欄杆には精緻をきわめた透かし彫りが施されており、嶋子の目にしてきたそれを遥かに凌ぐ美観を呈している。
娘は、「あなた、しばらくここでお待ちください」と言って、門を開いて中へ入っていった。すると、すぐに七人の子が出てきて、「この方は亀比売さまのご主人です」と噂しあい、また八人の子が出てきて、「この方は亀比売さまのご主人です」と言いあっていた。
亀比売……? まさか釣り上げた亀があの娘だというのか。
嶋子は初めてそのことに気づき、これまでの状況や周囲に広がる場景を鑑みて、どうやら本当に神女に出逢い、神仙の住む世界に来たらしいことを確信した。
しばらくして娘が出てきたので、嶋子が子供のことを尋ねると、娘は、「その七人の子は昴星です。八人の子は畢星です。あなた、どうぞ、いぶかしがらないでください」と言いながら、嶋子をみちびくように先に立って家の中へ入っていった。
娘の口から星夜の西天を彩る煌星の名を聞いた嶋子は、驚きを禁じ得なかった。娘によれば、この地には八紘にある万物が流れ込み、それは遥か天外に煌めく銀河の星々も同じだという。
家の中に通された嶋子は娘の父母に歓迎され、拱手による会釈をもって挨拶された。父母は人間の世界と神仙の世界との違いを語り、人と神とが偶然に出逢ったことの喜びを語り合った。
そうこうしていると、娘の兄弟姉妹たちが部屋に集まってきて、いつの間にか宴の準備が整った。そうして始まった歓迎の宴で嶋子は、透き通る玻璃器に盛られた齏鹽や鱸鱠などの前菜から始まり、艶やかな朱椀に装われた碧澗の羹で喉を潤し、絢爛な螺鈿椀に盛られた牛心炙や炮羊、炮豚などの珍味を味わい、紺青の瑠璃坏に注がれた儀狄や杜康などの美酒を飲み、その場に居合わせた各々と杯を挙げて乾杯しあった。
宴の席には、近所の少女たちも美しく着飾って参加し、關尹子や涓子などの仙人たちもおり、思い思いに楽しんでいた。紫府の庭先では八人の仙女が白い練絹を垂らして身に纏い、優雅に舞っていた。仙人界の音楽は音や声が高く澄んで遠くまで響き、神仙の舞う姿は妖艶なもので、その喜びの宴の様子は、人間界のそれを遥かにまさっていた。そのため日が暮れるのも忘れていたが、夕刻になると、多数集まっていた仙人や連れの者たちは次第に退席していき、部屋には娘と嶋子だけが残った。
洞房に移ったふたりは、薫風が牀幃を揺らす芙蓉帳の中に入ると、嶋子は娘の左側に坐り、足をなげだして娘を懐中に抱き、帯を解くと娘の雪肌を撫で、玉ように美しい身体を愛撫し、睦まじく語らいながら抱きあって互いを愛弄し、鼻先がふれるほど見つめあって口を吸うと、嶋子は娘の下唇を吸い、娘は嶋子の上唇を吸って舌を絡めて津液を交え、嶋子は娘の頭を抱き寄せると両耳を愛撫して右耳を舐め、左耳を啜った。そして首筋を舐め下ろし、鎖骨を嗅ぎ、乳房を食み、腹を啜り、恥丘を舐った。嶋子の愛情を全身で感じとった娘は、熱い息を洩らしながら左手でゆっくりと玉茎を上下に摩り、嶋子は右手で玉門を撫でて雛尖をやさしく愛撫した。
すると娘は陽気を感じて溢溢として濡れ、嶋子は陰気を感じて勃勃として起こったので、嶋子と娘は向かいあって横たわり、娘は片足を嶋子の上に置き、口を吸うと舌を絡めて津液を交え、嶋子は両脚を開いて片手で娘の片足を担ぎ、御門を刺しふさぐとあるいは深くあるいは浅く腰を前後に動かした。しばらくすると態位を入れ替え、娘は仰向けに横たわって足を開き、嶋子は娘にまたがって肚の上に腹ばいになり、両手で娘の首を抱え、娘は両手で嶋子の腰を抱き、御門を刺しふさぐとあるいは遅くあるいは早く腰を上下に動かした。次第に息が荒くなってきた娘が矯声をあげて恍惚の絶頂を迎えると、嶋子も耐えきれず声をあげ、ついに互いの精気がのぼり、陰陽の気を錬りあわせた。
こうして神女との補導の術を修めた嶋子は、この日を境に、素書にある養性交接の三十法を修めて二義と五行の理を体得するため、数日おきに娘と肌を重ね、日を追うごとに健体康心となっていき、徐々に仙骨があらわになっていった。
嶋子はそののち、朝には金丹や石髄などの仙薬を食し、晩には九醞や十旬などの仙酒を飲み、あるときは『六甲』や『霊飛』といった経典を唱え、またあるときは『萬畢』や『鴻寶』などの書物を読んだ。春には東方は旦日の朝霞を食らい、秋には西方は暮霞の淪隂を食らい、冬には北方は宵半の沆瀣を飲み、夏には南方は日中の正陽を食らい、くわえて日々欠かさず天地黄玄の気を食らった。
釣翁の如く老練となった嶋子は、志気高尚となり仙人になって自然と健やかになった。不老不死の身体を得て、耳目聡明となり、気力や智力が増し、全身の筋膂が増し、飢えず渇かず、寒暑に左右されず、身体が軽くなり、心安らかとなった。
霓裳羽衣を身に纏うと、まるで霊輪の廣寒宮に昇った姮娥のように飛翔できるようになり、六気に満ちた身体は火炎にあたっても焼けず、水中に潜っても溺れず、水上をも歩けるようになった。
また、陽燧取火の術と方諸取水の術を会得し、銀蟾と烏輪から自在に水火を得られるようになった。さらに、変化の術も会得し、千変万化して自在に老若男女に化け、陸沈隠淪して自在に姿を消し、地を区切って河川となし、杖を執って森林となし、土を採って山岳となし、水を集めて雲を起こし、光を集めて火を起こし、鳥に化けて翺翔し、獣に化けて馳走し、雲を起こして百里四方に雨雪を降らせ、洪水を舟を使わずに渡り、千人に分身し、風をとらえて飛翔し、四荒八極を見通し、万丈の光を放って冥き所も明るく照らせるようになった。
こうして仙力と仙術を得た嶋子は、万里の天空を越えて天涯海角へ思いのままに行けるようになり、遊仙の如く五神山の各地に遊んだ。
曙天の火輪に金烏の影を見て、中宵の氷輪に玉兎の影を見た。東瀛の蒼天を舞えば青い虹霓を望んだ。北苑の玄天を舞う王子喬の白鶴がふたたび翔け集い、西陲の弱水では冰夷が波間から顔を出して江妃二女を嘲笑していた。南陬の汨水では河畔に佇む屈原に出逢い、ここにいる理由を問えば、三閭大夫は、「世を挙げてみな濁れるに、吾独り清めり。衆人みな酔えるに、吾独り醒めり。これ故に放たれたり」と寂し気に答えた。東天を流れる天漢の河畔では、烏鴉や喜鵲が橋を架け、牽牛と織女の逢瀬にゆくりなくも遭遇して慶福を祝した。天地に遊ぶ子英の赤鯉がふたたび舒国の大雨を昇っていた。巌巒の鼎湖で黄帝の烏號弓を目にしたときには感慨無量だった。折から、嶋子の長生を祝して各地で歓待された。このようにして、嶋子は故郷を忘れて仙境で過ごし、烏飛兎走の如く瞬く間に三年の歳月が流れていった。
そうするうちに、突然、嶋子は故郷が懐かしくなり、両親を恋しく思うようになった。このため、嘆き悲しむことが多くなり、嘆息は日を追うにつれて増えていった。その様子に気づいた娘が、「この頃のあなたは、顔色がよくありません。どうか、そのお悩みをお聞かせください」と言うと、嶋子は「古人の言うことには、心劣る人間は故郷を懐かしがり、死期を迎えた狐は必ず頭を生まれた丘の方へ向ける、と言います。わたくしは、嘘の話だと思っていましたが、今は誠にその通りだと思うようになりました」と答えた。すると娘が、「あなたは故郷へ帰りたいのですか」と問うので、嶋子は、「わたくしは、近しい家族とも離れて、この遠い神仙の世界にやって来ました。そして、故郷を恋い慕う思いに堪えられず、つい気軽に心の内を申してしまいました。どうか、しばらく故郷へ還って、両親に会いたいというわがままをお許しください」と答えた。娘は涙を拭いながら、「ふたりの心は金石のように堅くむすばれ、永遠を誓ったのに、どうして故郷を懐かしみ、たちまちにわたくしを棄てて忘れようとなさるのですか」と言って嘆き、ぴたりと寄り添って互いに手をとり合って歩きまわり、互いに語らいながら、仙洞の奥深くを仰ぎみて晩風を聴き、仙宮の奇怪を見てともに曉月に乗り、蓬蓬として吹く翠嵐に打たれながら大声をあげて別れを嘆き哀しんだ。
とうとう、袂をわかって娘の許を離れ、別れるときがきた。そこで、娘の父母と親族の者たちが、唯々別れを悲しんで見送った。
娘は玉匣を持ってきて嶋子に授け、「あなた、この後もわたくしをお忘れになることなく、またここにお戻りになりたいとお思いになるなら、しっかりと玉匣を握り、決して開いてご覧になってはなりません」と言った。それはまるで玉片を金糸で綴り合せた小さな甲冑のようだったが、堅く閉じられ、何かを封じているように思えた。
玉匣を受け取った嶋子は娘の言いつけを守ると約束し、舟に乗ると、娘はふたたび諭して嶋子の目をつむらせた。
たちまちのうちに故郷の筒川村に到着した。すぐに村々を遠望した。滄海変じて桑田となるとは言い得て妙だが、わずか三年の間に人家は厩に変わり、田畑は河渠となり、山岳は海磯となり、人も周囲の景色もすっかり変わってしまい、分かるものが何もなかった。
そこで土地の者に、「水の江の浦嶋子の家族の者は、今どこにいますか」と問うと、土地の者は、「あなたはどこの方ですか、ずっと昔の人を尋ねるとは。わたくしが古老たちの語り継いできた話を聞いたところでは、ずっと昔に水の江の浦嶋子という者がいて、独りで滄海へ漁に出たまま、ふたたび還ってくることはなかったそうです。今は、そういうことがあってから三百年以上も経っているそうです。どうして、突然そんなことを尋ねるのですか」と答えた。嶋子が、「大長谷若健大王の御世ではないのですか」と問うと、土地の者は、「今は桓武天皇の御世でして、都遷りするために日本を挙げて準備をしている最中です」と答えた。
三百年…? カンムテンノウ…。都遷りだと…。たった三年の間に何も分からない程に変わってしまったというのか……。
すべてを知った嶋子は放心状態のまま故郷を廻ったけれども、ひとりとして親しい者にも会わず、すでに十日が過ぎた。嶋子は玉匣を撫でながら神女に思いを馳せていた。
何を思ったか、嶋子は先日の約束を忘れて急に玉匣を開けてしまった。すると瞬く間に、嶋子の仙人の身体が風雲に率いられて天空を軽快に飛んでいった。
嶋子はすぐさま、約束に乖いて違ったために、還ってまた娘に会うことができなくなったと悟り、首を廻らせながらうろうろと歩きまわり、涙に咽びながら行ったり来たりした。




