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第4話

 シグマの目から照射された光が俺を包み込む。

 テレポート機能によって俺はシグマのコックピット内へと移動する。

 操縦桿を握ると、五感がシグマとのリンクを開始した。

 境界線が曖昧になり、機体に関する情報が脳に流れ込んでくる。


 カオスマンとの戦闘で、シグマは武装の大半が損傷したままだった。

 エネルギー出力も低下しており、決して万全な状態ではない。

 だが、まだ戦うことはできる。

 何より目の前で人々が殺されようとしているのだ。

 黙って見過ごすという選択はなかった。


「よし、行くぞ!」


 気合を入れた俺は、シグマの両手に意識を向ける。

 次元の亀裂をさらに広げて素早く乗り越えた。

 ジェット噴射で飛行し、町の上を旋回しながら状況を確認する。


 町を襲うモンスターはおよそ五百体いた。

 シグマに搭載されたデータベースによると、奴らはファンタジー系のモンスターらしい。

 身体能力は高く、平均して人間の数倍。

 それぞれが特殊能力を持っているため、真っ向勝負で人間が勝てる相手ではなかった。


 しかし、それは生身の人間が戦う場合の話だ。

 今の俺はシグマに乗っている。

 敗北する道理など存在しなかった。


 俺は視界内のモンスターをまとめてロックオンし、小型レーザーを発射する。

 連射されたレーザーは正確な動きでモンスターだけを撃ち抜いて次々と倒していく。

 中には一発で死なない奴もいたが、連続で命中させることで対処した。


(アビスカンパニーの奴らに比べれば弱いな)


 そんな考えが過ぎった直後、後方から炎が襲いかかってきた。

 俺は咄嗟にバリアーを展開することで防ぐ。

 炎を放ってきたのは真っ赤なドラゴンだった。

 ドラゴンは翼を動かして加速すると、シグマの首筋に噛みついてくる。


「は、速い……ッ!?」


 コックピット内で警告音が鳴り響く。

 ドラゴンの牙がバリアーを破り、外部装甲も突破しているのだ。

 おまけに掴まれたせいで飛行が安定せず、回転しながらどんどん落下していく。


 このままだと町に墜落してしまう。

 そうなれば衝撃でたくさんの人々が犠牲になるだろう。

 それだけは絶対に阻止しなければならなかった。


 俺は密着するドラゴンの首を掴むと、渾身の力を込めて握り潰す。

 その弾みで開いた口にもう一方の手を突っ込み、インフィニティー・スマッシュを発動した。

 ゼロ距離で叩き込んだエネルギーがドラゴンを内側から焼き尽くして崩壊させる。


 俺はすぐさま機体の体制を戻し、紙一重のところで上空へと飛ぶ。

 町に被害は出ていなかった。

 そのことに安堵しつつ、俺は残るモンスターの退治を再開した。

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