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第1話

 悪の組織アビスカンパニーのボス"混沌者カオスマン"が巨大化し、猛然と襲いかかってきた。

 彼の爪に触れると、どんな装甲でも紙のように切り裂かれる。

 つまり短期決戦で攻めるのが最適解だ。


 人型兵器シグマに乗る俺は、搭載された最強の必殺技を起動する。


「食らえ! インフィニティー・スマッシュ!」


 シグマの拳から超高密度のエネルギーが放たれる。

 それは光の速さでカオスマンの脇腹を抉り、被弾箇所を中心に大爆発を起こした。

 必殺技の威力に耐え切れず、カオスマンは断末魔の叫びを上げながら消滅する。

 復活を警戒して身構えるも、奴が再び現れることはなかった。


 コックピットに座る俺は脱力して笑う。


「やった、これで世界は平和に……」


 突如、足元が発光する。

 まさか。

 カオスマンは死んでいなかったのか。

 コックピットに仕掛けてくるなんて。


 驚いて確認すると、そこには複雑な模様の魔法陣があった。

 魔法陣が光を帯びてゆっくりと回転しているのだ。

 回転スピードは徐々に速くなり、俺の身体が足元から魔法陣に呑み込まれていく。


「な、なんだっ!?」


 俺はすぐさま抵抗するも、身体は魔法陣に沈む一方だ。

 特に痛みは感じないが、異常現象には違いない。

 焦る俺はどうにか抜け出そうとする。

 そんな気持ちと行動とは裏腹に、胸元まで魔法陣の中に入ってしまった。

 とうとう抵抗すらできなくなった俺は、長年乗ってきたコックピットの光景を目に焼き付ける。


(待ってろよ。必ず生き残ってお前を呼ぶからな!)


 ついには全身が丸ごと魔法陣に入って視界が暗転する。

 次の瞬間、俺は広間のような空間にいた。

 周囲には鎧を着た人間が立っている。

 俺は前後の状況から何が起こったのかを推測する。


(さっきのはワープ装置だったのか?)


 よく分からないがここにいる人間に転送されたのだろう。

 かなり強引なやり方だ。

 敵か味方かは不明……問答無用で拉致されたのだから、今のところ敵と思った方がいいかもしれない。

 警戒する俺のもとに、派手な装飾の服を着た男が笑顔で駆け寄ってきた。


「勇者様! ようこそお越しくださいました!」


「え……?」


「ここはあなたのいた世界とは遠く離れた次元……すなわち異世界でございます」


 男は胡散臭い笑顔で言った。

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