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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
96/122

第94話 正体不明【UNKNOWN】

誰しもが見たことある機体。

特に専用機持ち全員は身に覚えしかなかった。


「私の、スプライト…!?」

「―――」


空に浮かぶもう一つのスプライトを見る。

見た目はフレヤのスプライトと瓜二つ。強いて違う点があるとするなら色違いなのと乗っている人が全身フルアーマーで誰が乗っているのか分からないということのみ。

誰が乗っているのか分からないが人型ハイエンドに近い形状をした何かが乗っているのは分かる。


「すまん、大丈夫だったか?」

「大丈夫ですわ」

「こちらも…フレヤ様、申し訳ありません」

「気にせず、それよりも…」


フレヤとアイヴィーの様子を伺うが、大丈夫そうだった。

そこまでの外傷はなく、AGにも損害はない。


「…私の機体を真似しようなんていい度胸していますわね、アンノウン」

「―――」

「本来のスプライトの性能をお見せ致しますわ!」


フレヤは空へと舞い、アンノウンと見合いビットを放ちながらスターダストの射撃を繰り出す。

対してアンノウンは…ビットを放ちながらスターダストの射撃を繰り返した。

しかもフレヤと同タイミングで。


「…!?」


お互いの動きが全く同じ。

その影響かレーザーとレーザーは空中で衝突し、互いに届くことはなくフレヤと葵の中間で爆発が起きただけだった。

それからもフレヤは動きを変えつつもアンノウンは全く同じ動きを繰り返す。

まるでフレヤの動きを全て知っているかの如く。


「―――」

「まるで鏡の自分を見ているようで気味が悪いですわ…!」

「なら…これならどうですか!」


フレヤと見合うアンノウンの後ろからアイヴィーが斬りかかる。

それを受け止めたのは…黒と緑色の聖剣『エクスカリバー』だった。


「私の聖剣!?」


聖剣を確認したと同時にスプライトだったアンノウンの形状はまた変化し始める。

黒い装甲でシャープな曲線を描き、白鉄にやや似た造形。

『スプライト』から『ランスロット』へ形状を変化させた。


「―――」

「くっ!?急に動きの変化が…!?」


遠距離主体のフレヤのスプライトらしい動きから一気に近距離主体のアイヴィーのランスロットの動きへと切り替わる。

しかも今度はアイヴィーの動きと瓜二つの動きへ変わった。

完全に酷似している。


「なんだ…お前。何故私の剣技を知っている!」

「―――」

「アイヴィー!!」


アイヴィーとアンノウンが同じ動きを繰り返し、互いに距離を取った瞬間、私が二刀の刀で降りかかる。


「―――」

「やはり…!」


今度は聖剣ではなく、二本の刀にシフトチェンジした。

…私の村雨と白露と全く同じ造形。

見た目もランスロットから飛脚へと変形した。


「…!」

「―――」


やりずらい…!

フレヤの言っていた気持ちがわかる気がする。

自分と全く同じ動きをする敵はこれほどまでにやりずらいのか!

同じ振り方をしつつ、急に別な動きを取り入れても…同じ動きをされて塞がれてしまう。

なんだ…コイツ!


「一対一ならそうかもしれないけど…」

「これならどうだ!!」


アンノウンと私がぶつかり合っているとレベッカとアナスタシアが背後からアンノウン目掛けて撃ち、斬る。

だが。


「―――」

「…え!?」


その両方の攻撃は防がれてしまった。

しかも機体の形状が、おかしい。

右半分が『シトリン』、左半分が『レオン』となっており、アナスタシアのナイフをナイフで受け止め、レベッカの射撃を同じ銃で同じ弾道で放ち空中で衝突させるというもはや機械としての性能を超越した力をこのアンノウンは持っていた。


「異常すぎる!」

「なんなの…?」


そうしてレベッカとアナスタシアに続き、私たちも攻撃を仕掛けるが…。

スターダストで射撃すれば、スターダストで無効化され。

エクスカリバーを振りかざせば、エクスカリバーで弾かれ。

村雨と白露で斬りかかれば、村雨と白露で鍔迫り合いが起き。

デュアルアサルトライフルの連射は、デュアルアサルトライフルの射撃で相殺され。

ナイフの斬りかかりは、ナイフで止められる。

しかも、攻撃する機体に連鎖するようにアンノウンの機体も一瞬のうちに変形していく。

スプライトの時はスプライト。

ランスロットの時はランスロット。

飛脚の時は飛脚を。

シトリンの時はシトリンを。

レオンの時はレオンを。

まるで自分自身を写す鏡のように。


「―――」

「くっ…!」


このままじゃどうしようもない。

そもそもアンノウンにエネルギー的なものはあるのかと疑問に思う。

もしエネルギーや活動の限界値等がなければ、ジリ貧になって負ける。


「はぁっ!」


今度は雪華さんがアンノウンに襲いかかりメイスを振りかざすが同じメイスに受け止められた。


「最強も真似るのね…でも!」


すると雪華さんの機体から氷が溢れ出て、アンノウンの機体を凍り付かせていく。

雪華さんは後退するが直ぐに氷は破られてしまうが。


「ミスト…バスタァァァッ!!」

「―――」


水津が背後からパイルバンカーを構えてアンノウンに襲いかかる。

アンノウンは後ろを振り向きまた変形し始めて、ミストバスターに変形しようとした。

そこを。


「いただき!」

「―――」


背後からの雪華さんのメイスが…アンノウンの胴体を捉え。


――バギャァン!!


「―――!?」

「当たった!?」


水津のミストバスターのパイルバンカーがまたアンノウンを貫いた。


「今のは…確実に効いたはず…!」


確かな手ごたえを感じたような言い方で水津はいう。


「どうやって…」

「簡単よ、変形中に狙えばいいの。アンノウンは私たちが攻撃する前に変形してから防御していたということは変形中は隙だらけだからそこを叩いただけよ」

「なるほど…!」


アンノウンは私たちの動きを見てから確認して変形していた。

つまり、変形している間は無防備で他の者を見切れていない可能性がある。

先程の雪華さんの攻撃もアンノウンは水津を機体を複製し変形していたところをついて攻撃を仕掛けたのだろう。

同時にではなく、タイミングをずらしての攻撃…。


「―――」

「とはいったものの…さっきの攻撃はもう通じなさそうね」


変形途中だったミストバスターが変形し始め、操縦者の人型のハイエンドは装甲の中に包まれて行き、元のアンノウンに形状が戻った。

すると


「やっぱり…効いてた」

「―――」


獣の状態のアンノウンの横っ腹辺りの装甲にヒビが入っており、緑色の閃光がそこから漏れていた。

ダメージは通る。しかし…妙だ。


(再生しない…?)


あれくらいのダメージなら再生すると思うが、一向に治ろうとしない。

アンノウンという個体のみ再生できないハイエンドなのかと思っていた次の瞬間。


「きゃあぁぁぁっ!!!?」

「!?」


やられた…!

私たちがアンノウンに手こずっている間に近接部隊の穴から人型のハイエンド一体が抜け出し、射撃部隊の一人に襲いかかった。

しかも、あれはクラスメイトの如月さん!


「如月さん!」


私と遠くから柊木先生が如月さんに襲いかかった人型のハイエンドに接近するがそれ以上に早く接近したのは…。


「―――!!」

「は…?」


アンノウンだった。


――ザシュッ!!


「え…?」


人型のハイエンドが持っていた剣が如月さんに振りかざされる前に、アンノウンの尻尾のブレードが腕と心臓部分を貫いた。


「―――」


無言のまま、アンノウンは動かなくなった人型のハイエンドを握りつぶす。

すると、握りつぶされた人型のハイエンドの装甲が弾け、アンノウンの負傷していた箇所に集まっていく…やがて水津のパイルバンカーのダメージは再生していき、傷跡のような物すら綺麗になくなった。


「―――」

「ひっ…!?」

「―――」

「え…?」


アンノウンは一瞬、如月さんを見るが直ぐに目をそらしてハイエンドの元へと歩いていく。


「如月さん!大丈夫か!?」

「う、うん…大丈夫だよ~…」


いつものおっとりとした口調に戻る如月さん。

安心したが…問題なのはアンノウンの行動だろう。

なぜ今如月さんを助けた?

仮に再生のために倒したのならいいが、わざわざ襲っている奴を倒す必要はあるのか?

…本当に何なんだアイツは。


「―――」

「「!!」」


そう考えているうちにハイエンドたちは私たちに対する攻撃をすべて停止。


(一体何を…?)


するとハイエンドたちはお互いでぶつかり合い、何かの形を形成していく。

四角いブロックのようなものが積み重なり、積み重なったブロックが空へと舞い、アンノウンの近くに落下した。

しかも1個ではなく、12個落下してきた。


「…?」


舞い上がった砂埃が晴れて行く。

そこには。


「あれは!?」


フレヤの『スターダスト』に『アクセラレータ』が地面に突き刺さっていた。

それだけじゃない!

私の『村雨』と『白露』と『蒼刃剣』、レベッカの『アサルトライフル』、アナスタシアの『パンツァー・カノーネ』、水津の『雫』、雪華さんの『シャルーア』、アイヴィーの『エクスカリバー』。

そして…。


「私のも、か」


AG一体分の槍…御影先生の『シグルド』も突き刺さっていた。


「―――」

「!!?」


すると、アンノウンは変形し始めた。

誰も攻撃は仕掛けていないのに、と思っていたのも束の間。

特徴的な4つの浮遊ジェット機構の間に浮かぶ、緑色の炎の輪。

その輪の11方向に向くように地面に突き刺さった武具たちが集約し。

アンノウンは一本の刀を抜刀した。


「―――」

「貴様ッ…!?」


抜刀した刀身は緑色に染め上げられ、緑色の炎が宿っていた。

アンノウンが私たちに見せた機体。

間違えるわけない。

その機体の名は…。


――ほむら

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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