↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
プロローグ~第一部
9/122

第7話 弱者としての自覚

アリーナの中に金属と金属がぶつかり合いガギィンッと音が鳴り響く。


(これがAGの空中戦か…!!クソ、早すぎてどう判断すればいいのかわからねぇ!)


俺は今まで地上の剣術しか学ばなかったが、空中戦になるとこうも勝手が違うのか…!どういう動きが合っているのかわからない。

自分も、相手も、お互いの動きが早く一瞬の判断が命取りになる。でもある程度は黒鉄が捕捉してくれてまだ敵を目視で捕捉できるだけまだマシだ。飛行態勢も立て直しやすい。

にしてもだ…


(あの大太刀…)


今になってまた飛脚の背にある大太刀の事が気になってきた。

実はこの空中戦が始まってから、時々葵が大太刀に手をかけるが抜刀せずといったことが今のところ二回ある。あの太刀の分析は出来ないしどんな攻撃を仕掛けてくるのかも分からない。


(いやいい、一旦忘れよう)


とにかく今は集中だ。俺は相手を倒せばいい、その過程なんぞどうでもいい。戦いは勝つか負けるかだ。


「!」


もう一度ブレードを構えなおしインパクトブーストで一気に距離を詰めてブレードを振り下ろす。勿論葵は刀で防いでくる…攻撃もそうだけど葵自身の防御率もかなり高い、剣道で培った反射神経もあるのだろう。

まともな正面からの攻撃はほぼ通じない、かといって距離を取れば斬撃の餌食に。

そして今気が付いたけどパワーエネルギーが半分を切っている。そりゃそうだ、距離を詰めるのにインパクトブースト使いまくってるし、フライト機能も解放された。消費量も増えるよな。

でもヘルス、シールドは700くらいある。攻撃を受けるのはまだ大丈夫そうだ。


(どうする…)


フレヤと戦ったときのように奇襲か?いや、ダメだ。俺の手の内を明かせている、それに奇襲方法もこれといって考え付かないし決め手としても足りない。

何か決定的な一撃が欲しい。

思い出せ。探せ。見つけ出せ。この戦いの中でどんな戦いをしてきたのか。

葵の戦い方は近距離に近づけば剣技で防がれ、距離を取れば斬撃が飛んでくる…。


(…待てよ)


一つ確認してみたいことがある。この確認で得た情報によってはそれが唯一の隙になるかもしれない。

俺は黒鉄のスキャン機能を村雨、白露に常時向けておき、空中の鍔迫り合いを弾き距離を取る。


『距離を離した…?』


葵の独り言を音声で拾った。

やっぱり不自然か、急に遠距離攻撃が出来ないやつが距離を取ってくるとなると…でもこれでいい。

案の定、葵は斬撃を飛ばしてくる。それを回避せずにブレードの腹で衝撃を受け止めながらスキャン機能を確認すると…。


(ある!ほんの少しの隙が)


どうやらあの刀には周りにエネルギーを纏わせて、それを斬撃として放つようだ。そして…そのエネルギーを纏う時間にはほんの少しだけチャージする時間がある。

チャージ時間は0.78秒。滅茶苦茶小さな隙だが十分、突ける隙があるだけマシだ。

それで何処でその隙を突くのか…。葵の動きを見るとやはり距離を取れば斬撃、近づけば剣技と動きはほぼ確定している。

そうなれば距離を離せばいいが…その0.78秒の隙は付けない、回避されて終わりだ。

葵が動きながらではなくその場で止まって斬撃を撃つ、それが俺の求める理想的な隙…でもそれをどうやって撃たせる?


(一個、策を思いついたが…行けるのか?)


ふと一つ策が浮かんだ。でもこれは…。


(いや、やろう。速戦即決だッ!!)


俺は空中でブーストを地面に向かって使い、地上へ急降下していく。


「ふんッ!!」


そして思いっきり地面にブレードを叩きつけて、砂埃を付近に舞わせる。


『何のつもりだ?』


その返事には返さない。

砂埃に包まれながらブレードを逆手持ちし、真ん中あたりを左手で握りこみ柄に右手を添えて構える。

ふぅ…っと息を吐いて心を落ち着かせ、柄を握り深呼吸して落ち着く。

耳を澄ませ、目を配れ、感じ取れ。

飛脚は…葵はどこだ。


キィィィン…


(そこだッ!!)


チャージ音が聞こえたほうへインパクトブースト!!砂埃をかき分け外へ飛び出す。

そこには…


『!!』


居た、空中で静止しながら刀身にエネルギーをチャージしている最中だ。

まだチャージしきっていない、行ける!!

ギリギリ剣の間合いに入り、柄を握り一気に抜刀。


ーー俺の渾身の一撃


(届け…!!!)


ーー俺の剣は、俺の刃は


ガギィィィン!!


ーー空しくも


「なっ!?」

『…まさかそんな隙を突くなんて』


ーー村雨でもない白露でもない、刀(・)身(・)が(・)青(・)い(・)大(・)太(・)刀(・)に(・)防(・)が(・)れ(・)た(・)。



(そうだもう一本…!!忘れていた、あの大太刀を!!)


この戦いの中で俺はずっとあの大太刀が気になっていたのに緊迫した場面でそのことが頭から抜けていた。

隙を狩ったと思ったが、狩られたのは俺の方か!


『ありがとう春斗、私もまだまだと分かった』

「くっ!」

『だから終わりにする』


明らかにヤバいと判断しすぐさま距離を離すが…


『一刀(いっとう)…蒼刃剣(そうじんけん)!』


その剣技の名前が聞こえた瞬間、青色の斬撃、剣技が俺の身体中を襲う。


(早すぎて見切れない!?)


村雨、白露の時とは比べ物にならないほどの斬撃の大きさ、そして量。

それと共に襲いかかる葵の剣技。


(防げないッ!?)


とてつもなく早い葵の斬撃、剣技に俺のブレードがついていけず攻撃を受け続ける。

すごい勢いでヘルス、シールドは減っていき。


「がはっ!?」


斬撃によって吹き飛ばされ、アリーナの壁に叩きつけられた。


(まだだ…まだ俺はッ!)


と根性で意識を取り戻し、立ち上がろうとするがシューッと空気が抜ける音が鳴りながら黒鉄の装甲から煙が出てきて機体が動かない。


『シールドエネルギー及びヘルスエネルギー残量:0、これ以上の戦闘は不可能と判断』


しどろもどろとした意識の中、無慈悲にも警告音を鳴らされながら黒鉄にそう告げられた。


『黒鉄及び操縦者九条春斗、戦闘続行不可能。勝者、時雨葵』


アリーナ中に歓声が湧き上がり、アナウンスが告げる。

俺は、負けた。


「…ッ!」


悔しい。悔しい。悔しい。

ブレードを握る右手を握りしめ、敗北を感じ、自分の中に負の感情が木霊する。


(…いや、思えば相手は葵だし何よりこの学園はエリートしか入れない。俺みたいな凡人が勝つのはまだ難しいんだ、もっと強くならないと)


とにかく俺は負けた。この敗北を噛み締めろ…!


「春斗」

「!」


いつの間にか葵が俺の目の前に居た…気が付かないほど悔しがっていたのか。


「いい勝負だった」

「いい勝負だったのか?」

「最後に使った蒼刃剣、アレは飛脚の専用アビリティでエネルギーを使う諸刃の剣。使うのはかなり渋ったんだ」

「諸刃?」

「実のところ、あそこで抜刀し春斗を倒せなかったら私は反撃され負けていたかもしれない」

「そ、そんなに減るのか!?」

「あぁ、現に見てみろ」


葵からデータが送られてきた…え。


「残り…47ぁ!?」

「使う時は元々750くらいあったのだが、押し切るなら今しかないと思って使ったんだ」


そんなごっそり持っていくのか…ハイリスクハイリターンな武装が『蒼刃剣(そうじんけん)』。

てかこれが専用アビリティだったんだな、フレヤのアクセラレータみたいな感じの。だからスキャンは不明と返したのか…納得。


「あ、だからか。試合の中であの大太刀に手をかけても抜刀しないって行動があったんだな」

「そ、そこまで見ていたのか?」

「まぁ負けたくなかったし、これで弱くなったな何て言われたら俺、泣くぞ」

「言うわけないだろう…それに」

「それに?」

「…な、何でもない!ほら早くアリーナから出るぞ!」

「ちょ!?黒鉄は動かないんだからちょっと待って!?」


葵は何かを言い淀んだが何でもないといい黒鉄のライトアームを引っ張って俺をアリーナの外に出そうとしたがエネルギーが無く動かないので、俺は黒鉄を解除し操縦者用のゲートからアリーナを出た。

なお葵も飛脚を解除し、一緒にアリーナから出た。


ーーー


「へぇ、それが飛脚か」

「あぁ近距離に特化した分、全体的なエネルギーの消費が激しい。あの斬撃砲もそうだ」

「えぇ…よく使いこなせるな」

「ま、まぁ…慣れた」


とりあえず初戦は俺の敗退、今はアリーナ管制室に向かっている。

理由はまぁ柊木先生に呼ばれたからな、二人してな。


「こっちか?」

「こっちじゃないのか?」

「あれぇ?」


それで今はアリーナの中を二人で歩いているのだが、迷っている。

いやね?滅茶苦茶広いのよ、道が多いしね。テーマパークにありがちな大迷宮みたいな構造。


「えっとデータマップによると…?こっちだな」


この学園のマップデータを開き、方向を見るとこっちを進んで右に曲がって真っすぐ、んでしばらく進むと管制室か。


「いやこっちじゃないか?」

「…そのデータ上下逆さまだぞ」

「わ、わざとだ!」


昔からこれも変わってないんだな…。何を隠そう葵は重度の方向音痴。

小学生の頃、迷子になった葵を迎えに行ったなんてこともあったしな…でもこれでも改善はされている方だ、ほらマップの上下が逆なだけだ。

よく見れば気が付く間違いだしな、これからも成長するだろう、てかそうであってくれ頼む。


「…む?」


すると今から行く先から人が走ってきている?

あ、いやあれは


「春斗さーん!」


フレヤがやや駆け足気味でこちらにまで来ていた。

…一瞬だけ目線が別なところに向こうとしたので全力で反らす、ほらやっぱり失礼じゃない?その、目を見て話さずちらちら見るのもさ。


「フレヤ」

「大丈夫ですか?お体に何か異常は」

「うぉっ!?」


フレヤが俺の左腕に抱きつく。

すっごい柔らかい感触があったが心頭滅却。


「はは、大袈裟だな。元気だよ、負けたけどな」

「それは…あら?その頬の切り傷は?」

「これか?これは気にしなくていい」


まぁ…これは戦いの証というか何というか、そんな感じだ。


「そういえば春斗、シールドエネルギーがどうこうの話はどうした?」

「あ、説明してなかったか、すまん忘れてた。実はーーー」


そうして俺は二人に元々はシールドエネルギーとか一部の操縦者保護機能が無かったことを軽く話した。


「って訳で一部ない状態で戦ってたけど…いやぁあの時は割と死を覚悟したんだよな~」

「「…」」

「でもまぁ怪我も少ないし、意外と何とかなった…うん?」


そういえば説明している最中から二人の返答が消えたような気がして一度話を止めて二人を見ると…少し下を向いて黙って俯いていた。


「二人ともどうした?途中から何も発してないけど…」

「…かった」

「…ですの」

「へ?」


「何故それを言わなかったッ!!」「何故それを言わなかったのですの!?」


「はいぃ!?」


俯いていたと思ったら急に俺に目線を合わせて二人して声を荒げて一気に距離を詰められた。驚いた俺は壁にまで後ずさりし、壁に背を付け二人を見る。


「え、えっと?」

「死を覚悟した?死を覚悟したと言ったのか!?」

「いや言ったけど…」

「それで本当に死んでしまったらどうするつもりだったんだッ!」

「葵さんの言う通りですわ!!…はっ!?もしかしてあのタイタンの時もですの!?シールドが無い状態であんな無茶をするなんて貴方は本当に何を考えていましたの!?」

「いやそれは、ほらあの時は緊急時だったし」

「だとしても命は大切にするべきですわ!!」

「そうだ!フレヤの言う通りだぞ!!お前は命を軽く見すぎている!それにさっきの戦いでまだ軽い切り傷だったからまだしも、もし大けがをしてしまったらどうするつもりだったんだ!?」

「そ、それは…ま、まぁ敵同士だったし」

「そんな言い訳をするな!!」

「至極真っ当な意見ですがぁ!?」

「…やっぱりだ、春斗は昔から自分のことを考えなさすぎだ」

「葵さんの言う通りですわ、あのタイタンの時に外傷が少なかったからまだマシでしたが…」


「えっと…お二人さん方?何でそんなじりじり近寄ってくるの?え、待って何?俺これ以上逃げれるスペース無いんだけど!?せめて何か言ってよ!無言のままこっちに近づかれても俺困るんだけど!?本当に何!?怖い怖い!!」


「「もっと…」」


「命を大切にしろ!!」「命を大切にしてくださいまし!!」


「うわぁぁぁぁぁぁ!!??!?!」


ーーー


「三人とも遅いですね…」

「何処で油を売っているんだか」

「失礼します」


あれから何やかんやあって管制室にたどり着き中に入った。


「遅いぞ、何をしていた?」

「少し命についての勉強を」

「急に何を言ってるんだ?」

「あれ?九条君、なんというか痩せました?」

「聞かないでください」

「…ふん」

「…」


はたから見ると両手に華だが…今の俺からすると両手に、何だ般若?

とりあえず二度と二人を怒らせないと心に誓った、結構マジで。


「それで…俺たちを呼んだのは」

「あぁ、それは九条と時雨はクラス代表、アレクサンダーは専用機を持っているからな。これからの戦いはこちらで見ろ」

「は、はぁ…」


ここで見るのか、大量のビジョンシステムで投影された映像やモニターが設置されている。

どうやら第四回戦は既に開始している。


「でも…アリーナの観客席でも見れると思いますが」

「それもそうだが、九条。たとえ話をしよう」

「たとえ話、ですか?」

「とある選手が居たとしよう。ソイツは異例中の異例で来た選手、他の奴らからしたら気になってしょうがないだろう。試合に目がいかない程な」

「ウッ」

「更にソイツが勝ったり強かったりしたら皆が皆ソイツに教わりたがるよな?それは分かるだろう」

「はい…」

「何やかんやあって試合を見ないやつが増えたらどう思う?」

「見て学ぶ機会を失います…」

「分かったようだな、他にも理由はあるがそういうことだ」


うん…それは止めよう。てかさっきまで戦っていたから忘れてたけど今この状況でアリーナの観客席で見たら滅茶苦茶居心地悪いな。


(大人しくここで見よう…)


近くのモニターに目を配る。

訓練機対訓練機の対決だが明らかに動きが違う、何というかきちんとした動きだ。

俺よりもちゃんと戦えている…。


「…」

「九条、ちょっとこっちに来い」

「あ、はい」


モニターを見ていると御影先生に呼ばれたのでやや駆け足気味で近づく。


「さっきの戦いの結果だがどう捉えている?」

「私は負けたのでこれからの成長に」

「違う、私が聞きたいのは成長どうこうではない。お前はただ負けたのか?それとも必死に噛みついて負けたのか?」

「…ただ負けたと思っています」

「そうか」


すると御影先生は俺に近づいてきてビジョンシステムで投影化された映像と何かのデータを見せてきた。


「私からすれば噛みついていた方だ、これを見てみろ」

「これは?」

「さっきの戦いの戦闘データだ」


す、凄い…ダメージ比率、被弾量、動き出しや反射速度など色々な事が書かれている。


「…先に言っておくが私は言葉を選ぶのが苦手だ」

「え?」


唐突に御影先生は俺の真正面に立って俺にこう告げた。


「はっきり言うと確かに九条は弱い」


そのお告げを聞いた瞬間、管制室の空気が冷たくなった。

俺は弱い、分かりやすいな。

あぁそうだ、弱い…この学園の中の唯一の凡人だからな。こんなエリートだらけの学園に


「戦い方や飛行法、その他もろもろと改善すべき点だらけ。だがそれは今の時点での話だ」

「!」


先程の凍り付いた空気の中、少し温かみを感じる。


「今は弱い、だが九条自身の努力次第では…この学園の生徒、教師たちを凌駕するほどの強者になりえるかもな」

「それは…大袈裟じゃないですか?」

「いやあり得る、これを見てみろ」


少し笑いながら大袈裟だと俺は言うが御影先生は顔色を変えず、投影化されている映像を切り替える。

新たに映し出した映像は、俺対フレヤの戦いの映像。


「この映像を見て私は確信した、お前はどの生徒たちよりも元の質が高水準かつ伸びしろしかない。初操縦はほぼ何もない機体で主席を地面に叩き落とし、タイタンを倒すために仲間を信じた。これだけでも元一般人とは思えないくらい十分すぎる質がある」

「…」

「お前はまだ強くなれる、だが努力は怠るな。九条が強くなる時間が流れるたびに他の者たちも強くなる、決して置いていかれるなよ」

「はい!」


言葉を選ぶのが苦手と言っていたが、何処が苦手なんだろうね。

かける言葉は俺からしたら嬉しい物ばかりだった、弱い事を再度自覚したがそれ以上に伸びしろがある…それを聞けただけで十分だ。


「ふふっ」

「柊木先生?」

「いえ、何でもありませんよ」


柊木先生が少し笑いながらこちらを見てくる、それと同時に通信。

プライベートチャンネルでチャットが送られてきている、差出人は柊木先生だ。

とりあえず誰にもバレない様にチャットを開く、その内容は


『御影先生は言葉選びが苦手、何て言ってますが自信がないだけで実は生徒たちを裏では結構褒めているんですよ。でも正面から生徒を褒めるのは初めて見ました。きっときちんと言葉で伝えたかったのでしょうね』


と書かれていた。

ある意味御影先生のちょっとした秘密を知っちゃったわけだが、実際事実なのでこれといって驚きもない。


(堅苦しい口調も相まって凄く好感が持てる、きっと他の生徒達にも人気なんだろうな)


おっとチャットは見たし、一応柊木先生に返信しないと…。

このまま立ったままチャット欄をいじると何かバレそうなので近くの椅子に座ってモニターに流れている映像をチラチラ見つつ返信を入力していく。


『その真意は分かりませんが、御影先生のお陰で少し自信がつきました。これから頑張っていこうと思います』

(…これでいいかな)


とりあえず送信っと。


ピコン♪


「…?」


俺の後ろ…というより柊木先生辺りから着信音が鳴った。

え、鳴らすこと出来るの?と心の中で驚いた。


「柊木先生、メッセージが来ているが見ないのか?」

「え!?い、いや後で見ますよ、それより」

「他の職員からの連絡だったらどうするんだ?」

「えっとそのー…御影先生が居ると見づらいというか何というか…」


あ、やべ。

今、振り返って気が付いたけど柊木先生と御影先生が何か話し合っているときに返信しちゃった…。

凄い柊木先生が縮こまっている、てかチャットの履歴見られたらマズいのか!

御影先生の秘密的なやつを俺に送っちゃったし…。


(いや…多分だけど柊木先生が何とかしてくれるだろう)


そう俺は勝手に信じ込みモニターの方へ目線を変える。


「あ、御影先生私の端末を…!?」

(オワッタ。)


ほぼどうにもならなかった事が後ろの方から分かり頭を抱える。


「は、春斗?隣座ってもいいか?」

「…」

「…春斗?」

「あ、あぁすまん反応が遅れた、大丈夫」


俺の隣に葵が座った。若干距離が近いと言いたいがそれ以上に後ろの状況が気になってしょうがない!

御影先生と柊木先生の声も聞こえないし…振り返るべきか!?


(いや大体こういうのは振り返ったら終わりなのが定石!ホラーゲームだってそうだった!)


振り返るのは止めてモニターに集中する。


コツコツ…


(な、何か…誰かがこっちに来ているような…?)


俺の真後ろからハイヒール?の歩いてくる音が聞こえる。

一歩一歩と音が聞こえるたびに距離が近づいてくる…。


(そういえば、御影先生の履いていた靴もそんな感じのだったような…)


すると


「九条」


と真後ろで足音が止まり、俺の右肩に手が添えられている。


「春斗?御影先生が呼んでって汗が凄いぞ!?」


よし…深呼吸。

落ち着くわけないけど落ち着いたよし。


「な、何ですか?」

「…」


…すっごい怖い。

顔とか目つきはさっきと全く変わってないのにものすっごい圧を感じる。


「柊木先生のチャットの事だがアレは本人が勝手に言っていることだ、決して本当の事ではない、分かったな?」

「えっと…」

「 分 か っ た な 」

「は、はい!」

「では私と柊木先生は急用が出来たので退席させてもらう、では柊木先生行きましょうか」

「は、はい…」


あぁ…柊木先生が御影先生に連れていかれてった…。

椅子の上で正座をして手を合わせる。


「本当にすみません…」

「凄い汗をかきながら誰に謝っているんだ…?」


その後、普通に全ての試合は終わり二年生の人が優勝したらしい。


ーーー


「…ここに彼が」


学園の校舎の入り口。

風にブロンズ色のショートウルフの髪を靡かせ、一人たたずむ女子生徒が一人。


「九条、春斗」


バックを開き…本来学園に持ち込むことのできない銀色に輝くナイフを見る。


「…ごめんなさい」

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。