第84話 決戦準備
俺の左腕で翠蝶と赫蝶が融合し、循環が出来上がった。
その影響か身体がみなぎっている。
この力に俺がどれくらい耐えられるか、だな。
そして今、攻撃が明日ということが確定し全生徒及び全教員が体育館に集められていた。
「…」
やはりというべきか空気は緊迫している。
これから…本気の戦いが始まるんだ。こんな状況下で楽観的には居られない。
『全生徒人数確認を』
御影先生の声に反応し、全学年と全クラスの代表者が人数確認を行う。
俺も一応は代表者なので人数の確認を行い、欠員は無し。
他の学年も他のクラスも同じだ。
『では我々がこれから行う作戦についてと人員について話す。全員、心して聞くように』
御影先生がステージに上がる。
その御影先生と一緒に。
「吾郷さん…?」
木手技研の吾郷さんも一緒にステージに上がった。
そしてビジョンシステムが大きく表示される。
『では作戦説明に入る。これより我々は政府及びAG行動隊からの緊急要請としてキャッスルからの攻撃と変革を総力を上げて阻止する。しかし、このデータを見る限りキャッスルには数多の兵器や強固の防御を持つ。並の兵器では攻撃も意味も成さないが…1年4組、桐ケ谷水津が作り上げた質量砲『スターゲイザー』を使用し、バリアを破壊。その後『アンブレラ』を使用しつつ接近し、キャッスルに着艦後、各々の判断にてマップに映る…ここの制御室にて迎撃システムや攻撃システムを破壊してもらう。そして…キャッスルを地面に叩き落とすためにコア区画にてキャッスルの停止もしくはコアの破壊を狙う』
これが…今回の作戦。
水津の武装を使いバリアを壊した後、アンブレラを使いつつ接近し直接乗り込み、迎撃システムと攻撃システムを破壊。その後、キャッスルを地面に叩き落とすために制御区画にてキャッスルの停止もしくはコアを破壊する。
だが俺には1つ危惧することがあった。
(コア区画…)
確実にいるであろう人に心当たりがある。
青葉だ。コア区画にて待つと言われているしな。
しかも普通に考えてキャッスル内がもぬけの空だとは思えない。タービュランスやハイエンドたちが蔓延っている可能性が十分にある。
『次に今回の着艦作戦と同時進行で行う作戦がもう一つある。これを見てくれ』
御影先生が端末を操作すると画面が切り替わる。
そこには…住宅街の画像が映し出されたがそこにいるのはハイエンドの獣たち。
…まさか、そこにいた人たちは!?
『予め言っておくがこの住宅や付近に住んでいた人たちは既に避難済みで、今はIGD学園に向かってきている。となれば学園を守らなければならない。この防衛作戦はこの学園の在校生全員で防衛してもらう。ハイエンドの襲撃の可能性もあるので射撃部隊及び近接部隊はこの後、ここで防衛作戦のミーティングにて話し合う』
よかった、無事なんだな。
『…そして今回の要であるキャッスル陥落作戦の遊撃部隊。これから名を呼ぶものは私たちについてこい。1年1組九条春斗、フレヤ・アレクサンダー、レベッカ・ブルーノ、アナスタシア・アガポフ。1年2組時雨葵、1年4組桐ケ谷水津、2年3組桐ケ谷雪華、以上だ』
やはり…呼ばれた。
呼ばれたのはこの学園の専用機持ち達。
普通に考えて空へ飛ぶ、キャッスルへ着艦するのであれば並の訓練機では限界がある。
それに専用機であるからこその技量やハイエンドとの戦闘経験があるからこそなのだろう。
『春斗…』
頭の中に心配するかのような声が聞こえてきた。
「何だ?」
『どう…なるのでしょうか』
「…俺にもわからない。でも俺の目的は1つだ、青葉を救う事」
『…!』
「約束したからな」
『絶対に…助けましょう』
今は敵とはいえ救うべき対象であるのは間違いない。
何とかしないと…。
「春斗」
「ん?」
「行くぞ、作戦の詳しいブリーフィングを行うそうだ」
「あぁ、今行く」
葵に話しかけられ、そのまま皆の後についていく。
(青葉…)
ーーー
管制室に集まったのは俺、葵、フレヤ、レベッカ、アナスタシア、水津、雪華さん。
御影先生や柊木先生の教師陣、そして吾郷さんと吾郷技研の研究者の皆さん。
「全員、集まったな」
ビジョンシステムに映し出されたキャッスルの全貌と各階層のマップが表示された。
「詳しい作戦は先程話した通りだ。この場にいる我々でキャッスル陥落作戦を行う。水津、アンブレラについて話してくれ」
「は、はい…!」
水津が御影先生の隣に立ち、ビジョンシステムで映し出されたアンブレラのデータが表示された。
「こ、これが…アンブレラになります」
本当に小型のシールドのようなものが水津の手に握られていた。
それがアンブレラなのだろう。
「今回は時間が無く、作成できた数は総数で7個…」
「となれば、専用機持ち全員に装備してもらう。異論はないな」
教師陣たちは縦に頷いた。
「では専用機持ち全員で着艦を狙う。先に言っておくがAG行動隊も参戦するが…我々の管轄外だ、手助けとかは期待するな」
「…」
「それと吾郷」
「うん、次に皆に関係するものだけど…これとこれ」
吾郷さんが映し出したデータは二つ。
ジェットパックのようなものと、AGに付ける外付けの装置のようなものだった。
「まずこのジェットパックはAGに装着する物。スピードは元のAG並のスピードは出せるしパワーエネルギーを使うこともないよ。だからこれをつけて着艦を狙う。それでもう一つのこれは…緊急脱出用粒子化装置」
「粒子化?」
「そう。AGと装着者諸共粒子化させてワープさせる」
「りゅ、粒子化だと…!?」
粒子化に驚いたのはアナスタシアだった。
「それは…まだ出来ないはずなのでは?」
「かもね。でも吾郷技研の手にかかればちょちょいのちょいよ」
「…?」
「まぁ九条君の戦闘データや椿ちゃん…だよね?その二人のデータを元にして作成したよ。勿論、成功したから安心してね」
粒子化か。
もしかして赫蝶の武装を用いたときの粒子化を用いたのかな。
「それでこの装置なんだけど複数回の使用は不可能、キャンセルとかは出来るけど一度限りの使い捨て。ワープ先はIGD学園。でも注意点があるの。1つ、転送準備に30秒間かかるという事。2つ、その準備時間中動いてはいけないこと、変に動いたりすると転送後に肉体やらがずたずたになる可能性もあるからね」
本当に安全地帯での使用を推奨しているんだな。
でもその30秒を待機していれば確実に撤退はできるという事。
だがそれを戦場で出来るかどうか分からない。
「…私からの説明はこれくらいかな」
さっきの話した作戦についても思い出そう。
この場にいる専用機持ちと教員陣、そしてAG行動隊でキャッスルを陥落させる為に着艦作戦を行う。んで先手が水津お手製の対ハイエンド用質量投射砲『スターゲイザー』をフレヤが操縦し、バリアを破壊。その後、吾郷さんのジェットパックを装備してキャッスルに飛び込む。確実に言えることだがあのリボルバー型レーザー照射連装砲やその他諸々での抵抗もあるだろう。そしてそのレーザーに耐えるための水津の『アンブレラ』でレーザーを防ぎつつキャッスルに接近。
着艦した後は各々の判断で制御室に向かい迎撃システム及び攻撃システムを破壊する。
最後に…キャッスルその物を地面に落とすためにコア区画でキャッスルの機能停止あるいはコアの破壊。
これが今回の作戦の全貌。
それで確実に言えることは、コア区画には青葉が居るはずだ。
戦闘は出来る限りしたくないが、衝突は避けられないと見ている。
穏便に済めばいいが…。
「何か作戦に対して質問はあるか?」
俺は特にない。
他のみんなも俺と同じように作戦事体に聞きたいことや不満とかその辺無いらしい。
「…無いようだな。では作戦決行は明日の早朝06:30とする、各々準備を怠るな!」
「「「はい!!」」」
決戦は幕を上げようとしている。
◇◇◇
「…mother」
『はい』
巨大な緑色の球体がある部屋で青葉はmotherに話しかけていた。
「もう…私たちは」
『そうですね、確実に死ぬしかないでしょう』
「…だよね」
青葉は頭の中で元々言われていた計画、青葉自身の計画を照らし合わせるが…最終的な着地は『青葉は死ぬ』。
「せっかく…お姉ちゃんの記憶が戻ったのに…」
――死にたくないな。
その部屋の中で一人の少女は涙をこぼした。
『…』
誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします
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超絶不定期更新ですがご了承ください…




