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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
81/122

第79話 繭ヲ破リテ、怒ル黒龍ハ君臨ス

「ガァァァァ!!!』


黒龍。

最強で無敵の存在。

全てを凌駕する圧倒的な個の暴力。

一騎当千、天下無双、百戦錬磨、万夫不当、完全無欠。

天上天下唯我独尊。

この世界の最強を完膚なきまでに叩き潰すことが出来る。

それがこの黒龍。

だが、いつもとは違う見た目をしている。

黒い鱗、強靭な後脚、尻尾、鋭利な爪を持った前腕。

部位は前と同じなのだが…根本的に違う部分があった。

黒い身体には所々に血管のように赤い模様が浮かび、爪や牙、尻尾は一部が真っ赤に染まっておりより禍々しく変わっており、翼の部分からは粒子がエックス字を描くかのように四方向へ吹き出し、無数の蝶が赤と黒色の鱗粉をまき散らし黒龍の周りを飛翔している。

そして両の双眸は深紅の瞳ではなく、左目からは『緑色の閃光』があふれ出ている。

仰々しく、禍々しい黒龍が龍を見据えていた。


「グルルルル…』

「九条春斗に…椿お姉ちゃん…」


青葉は心配そうに隣に君臨した黒龍を見る。

その姿を見て青葉は驚いていた。


(こ、こんなの知らない!データにもこんな姿はないはず…!?)


適合手術の成功例はない。

だが、目の前に居たのは適合手術を受けていないにもかかわらず赫蝶を使うことが出来る男。


(蝶単体の兵器化はまだしも、人が纏うのは明らかにおかしい!だって椿お姉ちゃんの蝶は…)


そんな疑問をかき消すかのように空で混じり、戦い合う龍と龍。


「グォォォォ!!!』

「ドゴォォォォン!!」


より高く、より天へ。

昇りながらお互いの尻尾、爪がお互いの肉体を傷つけあう。

だが、お互いに再生。


「ギシャアァァァァァ!!』


今度は黒龍が龍の頭部を掴み、がら空きになった胴体目掛けて拳を叩き込む。


「ドゴォッ!?」

「アァァァ…!!』


龍の体制が崩れたと同時に黒龍の口元に蝶たちが集まり…。


「アァァァァァァァ!!!!』


黒色と赤色の波動砲が龍へと放たれる。

叫びと共に放たれた波動砲は龍の胴を捉え、着弾し爆発。

龍を包むかのように黒と赤の爆発が巻きあがる。


「ダーリン…?」

『…アレが黒龍なのね』

『流石にアレには手ぇだせねぇ…』


タービュランスたちが黒龍と龍の戦いを眺める。

もはやAGが参戦していい戦いじゃない。

怪物対怪物。


「ドゴォォォォン!!!」


爆炎から龍が飛び出し、黒龍の左腕に噛みつく。

しかし。


「グルルル…!』

「ゴッ!?」


避けない。振り払わない。

噛みつかれていてもなお黒龍は不敵に龍を睨む。

何故か。

黒龍は龍を。


ーー糧にする気だった。


「ガァァァァ!!!』


黒龍の背中に赤色の輪が出現し、赫蝶たちが一斉に龍を纏う。

管のような物が出現したと同時に。


「ドゴォォォォ!!!??」


龍は気が付いた。

食ったつもりだったが、本当は喰われたのだと。

龍の身体中から緑色の粒子が飛び出し、管からエネルギーが黒龍に吸われていく。

たとえ数多のエネルギーでも赫蝶の前には無力。底のしれない吸収に勝てるわけがない。どうやって1が無限に勝つ?どうやって1万が無限に勝つ?

つまりこのまま吸われ続ければいずれか龍は死ぬ。

それに気が付いた龍もただでは死なない。


「グルルル…アァッ…!」


死なば諸共。

先程放った自分の身を焦がすほどの極大レーザーを放つために口元に残りのエネルギーを集めていく。もはや弱点が露出しても気にせずといった様子。

…だが無意味だと理解する。


「ガアァァァッ!!!』

「!?」


その開いた口目掛けて黒龍は左腕に管を纏い、拳を内部に突っ込んだ。


「ゴォォォォ!!!??」


龍の内部から赤い光が漏れだしていくと共にドンドン龍は弱っていく。

緑色の閃光も、もう少ししか出ておらず弱点から出ていた黄色いオーラも風前の灯。


「ガァァァァ!!!」


決死の思いで黒龍へかぎ爪を突き立てるが。


ーーバギャアッ!!


「ガァァァッ!!?」


引きちぎられる。

まさに無敵。まさに最凶。

怒れる龍の恐ろしさとはこういう事なのだとこれを見た人たちはそう思った。


「ガ…ァァ…」


やがれ龍は、弱り…閃光もオーラも出ず。


「ーーー」


黒龍に貪りつくされてしまった。


「…』


龍を投げ捨てるかのように投げ飛ばす龍。


『…戦闘終了ね、こっちも片付いたわ。ストリームよくやっ』


その時。


「ガァァァァァァァァッ!!!アァァァァァァ!!!!』

『えっ!?』

『なにぃっ!?』

『くっ!?』

「オォォ…アァァァァァアァァァ!!!』


黒龍の全身から赤い閃光が走る。

周囲を巻き込むかのような長射程距離の特大爆発。

そして…。


『ガァァァァぁァァァ!!!!』


様子が激変した黒龍が天から…IGD学園とタービュランス、そして青葉を見下ろしていた。


◇◇◇


「な、何だあれは!?」


モニターではなくモニター室の窓から外を見上げる専用機持ちと教師陣。

黒龍…というより黒が混じった赤龍。

背中の粒子からは蝶のように四本の不気味な模様の翼が生え、強靭な爪や足はややフラットになりつつ赤く染まった爪や足が露出し…二本生えた角は歪な形へと変形。

双眸は深紅よりも暗く、暗黒よりも明るいあかい色をしていた。


『ガァァァぁァァァァァ!!!』

「くっ…おい九条!応答しろ!九条!!」


通信機を取り出し、春斗に連絡する御影だったが…応答なし。


「何が起きた…!?」

「み、御影先生!大変です!」

「今度は何だ!」


柊木先生がビジョンシステムで見たデータを見て驚き声を上げる。


「く、九条君のバイタルサインが低下していっています!それも物凄い速度で!」

「何だと!?」

「な、なんですって…!?」


そうして全員に送られる春斗のバイタルサイン。

柊木の言う通り本当にとんでもない勢いで低下していっている。

脈拍も、脳波も。


『ギシャアァァァァァぁ…!!!!』

「ッ!?来るぞ!全員校舎内に避難し、衝撃に供えろ!」


何をしてくるのか悟った御影は学園全域に放送すると同時に赤龍の口元に赫蝶たちが集まり始め…IGD学園目掛けて放たれる劫火。

赤黒い劫火がIGD学園を襲う。


「くっ!!」


風圧と衝撃、そして熱。それらがIGD学園に降りかかった。


「生徒たちの様子は!?」

「生徒、教員及び関係者全員無事です!」

「学園の状況は!」

「被害軽微、大丈夫です!」


…やがて劫火は過ぎ去った。

残ったのは炭と、火種のみ。


「なんて…破壊力ですの!?」


とてもAG以上にこんな火力を出せる物があるのかと驚愕する生徒一同。


「そうだ!保護した子は!?」

「今探して…居ました!無事です!」


青葉は間一髪…というより劫火そのものが避けて通過していった。


「椿お姉ちゃん…」

『ガァァァァあぁァァァ!!!』


明らかに異常事態。

宿主が九条春斗とは言え彼は信頼する者たちの声を聞き洩らすはずがない。

そのはずなのに…あの赤龍は学園目掛けて劫火を放った。


「…専用機持ち及び教師陣全員に次ぐ」


御影は冷静に判断を下す。


「あの赤龍が九条…なのかはわからない。だがIGD学園を狙っての攻撃なのは確実だ。よってこれより赤龍討伐作戦を決行する!」

「ま、待ってください!それでは春斗は!」

「分かっているッ!!」


葵の反論に対して御影は声を荒げる。


「分かっている…だからこそだ。討伐だが出来る限り正気への兆候や九条を発見次第、助ける。いいな」

「…!」

「行くぞ、小娘共…アイツを助けに行くぞ!!」

「「「「「「「はい!!」」」」」」」


◇◆◇


暗い。暗い。


――何処だここ…?


真っ暗闇で何も見えない。

落ちているわけじゃない。

身体はピクリとも動かない。

いや、動かせない。

ふと身体を見ると…俺の全身に赤い鎖が縛り付けられていた。

四肢を拘束するように。


――何だこれ…。


直ぐに脱出できないかと思い軽く身体を動かすと、意外にも鎖は脆く簡単に砕け散った。


――…。


果たしてこの空間自体に床という概念があるのかどうなのかわからないが、地面に手を置いて立ち上がる。

すると、背景は一変し


「!」


椿との赤い彼岸花の咲いた花畑に変わった。

蝶は一匹もおらず、とにかく花畑が広がっている。


「…感じる」


勘、というより本能的に椿が居る位置が感じ取れる。

このまま真っすぐだ。

俺は歩き始めた。椿を感じられる方へと。

すると。


「ぐおっ!?」


椿が居る方から衝撃波が飛んできた。

あまりにも急な事で反応できず、吹き飛ばされたと同時に…風景が変わる。


「くっ…あ?」


目の前に広がったのは…見たことない一軒家だった。

近所でも、俺が元々いた地元の家でもない、本当に初めて見た一軒家だった。


「何だここ…」


花畑から風景が変わるなんてことは今まで一度もなかった。

何か、椿に起こっているのか?


「とにかく進まないと」


俺は誘われるがままその一軒家の扉に手をかけ、ドアノブを捻る。

…鍵が掛かってない。

そのまま扉を開けた瞬間、目の前に広がったのは。


「こ、これは!?」


血だらけでボロボロの女の子二人が手枷足枷を付けられて外へ連れ出されるところだった。

…ピクリとも動かない、まるで時間が止まっているように。


「…惨い」


この二人を鎖で引っ張るこの男と女は感情というものがないのか?

こんな綺麗な家なのに、中は酷い。正直、見たくない光景だ。


「…」


…そういえば今、この4人は動けない。

なら、せめていい方向へ。

俺は鎖を握る男と女の顔面を殴り飛ばした。

血が吹き出るがどうでもいい。

そして、二人の女の子の手枷と足枷を引きちぎり目隠しを外した。


「!!」


見覚えが…いや見覚えしかなかった。

椿と初めて会った時の少女の姿と酷似している。

ということはココは。


「椿の…過去、か?」


と考えたと同時にまた衝撃波が飛んできて一軒家諸共瓦礫となって吹き飛び、背景が変わっていく。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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