表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
80/122

第78話 火の竜巻

ハリケーンに言われるがままに動き続ける。


『ダーリンはダーリンが思うがままに攻撃していいよ』

『…?』

『私はダーリンの事を誰よりも分かってるから指示を出さなくても連携できるし』

『!?』

『どう?』

『で、出来るかもしれないけどそれは理論上の話だろ!?いくらなんでもそれは…』

『出来るよ』

『!』

『私とダーリンならね♡』


本当に俺が思うように動き続けた。


「ドゴォォォォォ!!!」


後ろを振り向き、状況を確認する。

弱点を露出している方はいまだ空中で停止して、もう一匹は俺を追いかけまわし噛みつきや引っ掻きを繰り出してくる。


(…もう少しだ)


回避しつつ、攻撃を加える。

一撃一撃に力を込め、斬る。


ーーガキィィン!


「外殻は本当に硬いんだな!」


頬辺りが斬れた理由は内部から斬ったからだろう。

あのワームと同様、外殻や鱗は強固だが口の中あるいは内部は脆い。

どちらにせよ弱点は変わらない。

あと龍だから心臓部があるんじゃないかと思っているが…龍の心臓の位置なんぞ聞いたこともないし見たこともない。

それにさっき言った通り外殻は硬く、心臓部のみ貫くなんて事は不可能に等しい。

だが、あの黄色い部分が心臓と捉えるならば…とにかく攻撃し続けるしかない。

弱点が露出する条件も分からないし、いつああいう行動をするのかも分からない。

…今はとにかく状況を見極めつつ攻撃を仕掛け、確実に一匹ずつ倒す!


(よし、ここまで離せば…!)


見計らった位置まで龍を誘導できた。

そして


「ハリケーン!」

『わかってたよ♡』


その名を呼んだ瞬間、ハリケーンは俺を追っている龍の顔面目掛けてレーザーを放ち、そのレーザーはピンポイントに龍の目元に着弾し、ピンク色の閃光と共に爆発が起きる。

爆煙が龍の頭を包む。


「ゴォォッ!?」


予想外の方向からの攻撃を受けたからか、龍は頭を揺らす。

爆煙が晴れる前に!!

俺はすぐさまインパクトブーストして、弱点が露出している龍の方へ急ぐ。


「暁光来光!!」


空中で暁光来光し、変形して速度を出力を一気に上げ、距離を縮めていく。

椿とのチャージは出来ない。俺の身体がめちゃめちゃになるからな!


「ハリケーン!撃て!!」

『勿論!!』


ハリケーンはピンク色の閃光と少し黒い閃光が混じった極大のレーザーを放つ。

そのレーザーは俺の思惑通りの位置へと放たれ…。


ードッゴォォォォォォン!!


「ガァァァァ!!??」


空中で静止していた龍の黄色い部分に着弾。

ピンクと黒の閃光の爆発が起きたと同時に龍は大きく叫び、怯んだ。

やっぱりあそこが弱点か!


『ダーリン!』

「わかってる!」


ハリケーンの思惑も今なら手に取るようにわかる。

拳を握り、構える。

あの弱点目掛けて、クローで突き刺す!!


「グゥゥゥゥ…!!ゴォッ!?ドゴォォォォォ!!!」

「来た…!」


頭部に纏わりついていた爆煙を振り払った龍は今の状況に気が付き、後ろから咆哮と共にこちらに突っ込んできた。

どうだこれ…間に合うか!?

せめて、せめて一発でもいい。あの黄色いところへ攻撃を与えることが出来れば!

出力をさらに上げて速度を上げていく。


「ぐっ!?」


視界が揺らぐ。ヘッドギアとシールドエネルギーがあるとはいえ速度上昇による圧力はかかる。重心がブレそうになるが姿勢を正し、飛ぶ。

だが…。


『ダーリンダメ!間に合わない!回避して!!』

「ここまで来て…!!」


ハリケーンの声と、静止した龍との俺の距離と、俺を追いかける龍の距離を見て理解した。

俺を追っている龍が…間に合う。

このままだと俺の攻撃は届かないどころか今すぐに回避しないと後ろからの攻撃をもろに受けることになる。

どうする!このまま無理やりにでも攻撃を仕掛けるか!?


『春斗!』

「椿!?」

『攻撃してください、私が受け止めます!』

「はぁ!?」


突然のことに理解が追いつかない。

攻撃を受け止める!?


「出来るのか!?」

『わかりません…ですが、信じてください』

「!」

『絶対に受け止めて見せます』


俺の答えは決まっている。


「分かった。信じるぞ、椿!」


俺は回避を捨てて、拳を構える。

相棒が『信じて』って言ったんだ。それを信頼しないで何が相棒だよ!!


『ダーリン避けて!!』

「…!!」


俺の真後ろから陰が差し込む。

でも俺は後ろを向かない。

だって…信じているから。


『鎖よ、盾よ!』


頭の中に椿の声が響き、背中からギャリギャリと金属と金属が擦り合うような音が響く。


「ガ、ガッ!?」

『止めました!』


少し後ろを振り向く。


「そ、そうやって止めるのか!?」


龍の口を無理やり鎖で閉じ、シールドで顔面からの突っ込みを受け止めた。

な、何という無理やりな止め方…でも


「流石、椿!」


本当に最高な事をしてくれた。

やはり相棒は信じるに尽きる!!

両腕のクローに力を込めて、弱点の間合いに入った瞬間。


「うぉらあぁぁぁぁぁッ!!!」


弱点へのクローの連続斬りとレッグのダガーでの乱舞。

一撃を与える度に、バリバリと緑色と黄色の閃光が俺の周りを走っていく。


「ギャァァァ!!?」

「まだまだぁ!!」


もう一匹の龍が来る前に出来る限り削れ!最悪、倒しきれ!


「グ…グッ!!」


パァン!と音が聞こえ、その音の方向を見る。


『鎖が破られました!来ます!』

「潮時か!」


口を塞がれ盾に衝突し怯んでいた龍は正気を取り戻して、口を力任せで開き、鎖を砕いた。

そして俺に向かって口を大きく開き突っ込んでくる。


「!」


俺はレッグダガーで弱点を蹴って突き刺し、龍が突っ込んできたと同時に弱点を蹴りあげつつ抜き、噛みつきを回避しながら暁光来光を解除した。

左手で篝火の鞘を握りしめ、柄に手をかける。


(今!)


噛みついてきた竜の胴体が完全に弱点から離れた瞬間を狙って…抜刀!


ーーバキャアッ!!


「ガァァァァ!!?」

「よし!」


離れると同時に俺の抜刀が弱点を捉えた。

そのままバックし、また距離を取る。


「さっすがダーリン♡」

「くっつくな!動きづらい!」

「えぇ~いいじゃん別に」


ある程度距離をとったらハリケーンが俺に突っ込んできて抱きついてきた。

仲間だろうがお前は…。

すると。


「…グルルルル」

「ん?」


弱点をボロボロにまで削られた龍の様子がおかしい。

弱点の部位もだ。黄色いオーラみたいなものが漏れていて、全身に走る閃光が龍の中へと入っていく。

一体何をする気なんだ…。


『頭部辺りに高エネルギー反応…?』

「頭部?」

『はい…』


次の瞬間。

龍が口を開き…。


ーーキィィィィン…。


粒子が、閃光が口元に執着していく。

マズイ!!


「ハリケーン!」


ーーズギャァァァァァァァァァァン!!!


「!!?」


レーザーが放たれた。

緑と黄色、そして黒色が混じった禍々しいレーザービーム。

ハリケーンのアレよりも太く、火力もヤバいと本能的に判断し、ハリケーンを抱えて避けた。


「あっぶねぇ…!!」


もう少し判断が遅れてたら俺たちは…考えるだけでも恐ろしいな。


「大丈夫かハリケーン?」

「う、うん…」

「何でそんなしおらしい…?」

「何でもない!」


何故かハリケーンがこっちを見ないが、まぁいいか。

それよりとんでもない武器を持っていたな、あの龍。

あんなのを連発されたらひとたまりも…うん?


『春斗、先程のレーザーを放った龍の機能が停止しました』

「あぁ。丁度今見たから確認できるぞ」


弱点を露出し、極大レーザーを放った龍は全身から黒い煙を上げて落ちていく。

緑色の閃光も、黄色いオーラもない。

最期の一撃、一矢報いるための攻撃だったのかもな。

機械なのか生物なのか分からないハイエンドだが…言う事は1つ。


「敵ながら天晴、それに尽きる」


…あと一匹。

もう一匹倒せば終わる。


「ゴォォォン!!」


すると、もう一匹の龍は落下している龍の元へ降りていく。

…本当に生物みたいだ。弔うのかと思っていた。


ーーガキィン


「!?」


落ちていく龍の口に噛みつく龍。

見た感じキスしているようにしか見えないのだが…違う。

閃光が二匹を包むと同時に、二匹の龍の全身がバラバラに砕け散り、空へと飛んで行く。

肉体を持たぬまま二匹の龍の破片は螺旋を描いて空へと舞い上がる。


ーーやがて二匹の龍の破片は一匹となり。


「ゴォォォォォォォン!!!」


ーー新たなる姿を顕現させ。


「マジかよ…!」


ーー二人の人間に咆哮を上げた。


「合体するのか!?」


どちらにせよ数は一匹だが、問題はそこじゃない。

見てわかる迫力。明らかに桁違いの何か。

二匹の方が良かったと心の底から思えるほどの威圧感。

コイツは、ヤバい!


『春斗…スキャンは出来なくても分かっていると思いますが』

「あぁ、俺も理解してる。コイツのヤバさを」


図体は二匹の時よりも更に大きく、緑色の閃光が全身を巡り、禍々しい爪と角、牙に鱗。

そして殺意や圧が込められた鋭い目。俺たちを見据える双眸からは雷があふれ出ている。

…はっきりわかる。


(今までのハイエンドの中でも別格…!)


狼、鴉、ワーム。

俺が対処しなかった他のハイエンドたち。

俺の知らないハイエンドも居るが、コイツは規格外。

確実に仕留めないといけない存在だ!逃がすとかすれば色々マズイことになる!


「ハリケーン、行けるか?」

「もちろん」


と返答を聞いたと同時に。


「グォォォアァァァァァ!!!!」

「きゃあっ!?」

「ぐおっ!?」


龍の咆哮の衝撃波が俺たちに向かって響き、吹き飛ばされ態勢を崩させられる。


「!?」

「グォォォ!!」

「まず」


態勢を整えたと同時に前を向いた瞬間広がったのは、龍の尻尾。

薙ぎ払うかのように向かってくる。

回避…出来ない!!


「ぐぅっ!?」


間一髪刀で防いだ。しかし完全に威力に負けてそのまま地面に向かって吹き飛ばされる。


ーードゴォォォォン!!


「…いってぇ」


パラパラと空から小石が降ってくる。

ここは…IGD学園の校庭か。

あそこから、ここに叩きつけられたのか…。


「馬鹿、力が…!」


全身から激痛が走るとともに警告音が鳴り響く。


『警告!シールドエネルギーが0になりました』

「アイツに吹き飛ばされればこれくらいのダメージはくらうか…」


ヘルスも削られたといえば削られたがまだ半分以上残っている。

まだ、行ける。

篝火を地面に突き刺し立ち上がる。


「…九条春斗!椿お姉ちゃん!」

「!?」


そこへ走り込んできたのは…青葉だった。


「あ、青葉!?何でこっちに」

『春斗!上!!』

「!!?」


青葉に気を取られ、気が付かなかった。

龍は口に粒子を集めていき…放っていたことに。


「くっ!!」


篝火を突き刺したままにして地面を蹴り上げて飛び出す。

狙いは…俺じゃない。

青葉だ!


「『青葉ァァァァッ!』」


ーードォォォォォン!!!


◇◇◇


校庭のど真ん中が爆煙に包まれる。


「うっ…?」


青葉は静かに瞳を開ける。

その先には…。


「…ゴホッゴホッ」

「九条春斗!?」


焔のライトアーム及びレフトアームが剥がれ、レーザーを防いだ影響か、両腕が黒く焦げた九条春斗がそこに立っていた。


「だ、大丈夫ですか!?」

「…」

「九条春斗…?」


青葉は声をかけるが…返答は帰ってこない。

しかし帰ってきた音はあった。


ーーパキッ…パキッ…。


ひび割れた音が静かに響く。

そしてそのひび割れた音は…九条春斗の両腕から鳴っている。

やがてそのヒビはドンドン音を増していき春斗の黒く染まった両腕に赫いヒビが露出し始めた。

…左手にほんのりと緑に染まった部分もある。


「よくも…』

「!?」


口を開けて話す「ーーー』。


「よくも…青葉を…!』


「絶対に…!』


「許さないッ!!!』


そしてそのヒビから勢いよく鎖と赫蝶が飛び出し、「ーーー』の身体を纏っていく。

繭を作らず、ソレは形状を成してく。

禍々しく、恐ろしく、そして怒りのままに。


「グォォォォォォォッ!!!!』


ーー黒龍は君臨した。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ