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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
79/122

第77話 類似色の焔と雷

夕焼けの下で、二匹の龍と二人の戦士は空へ昇り、牙と刃を交える。

お互いにお互いを守り、攻め、火花を散らし、戦う。


ーーガキィィン!!


「ワームよりも硬ぇ!」


龍の噛みつきやひっかき、緑色の閃光を躱しつつ懐に入り込み斬りつけるが…弾かれてしまう。

ワーム以上の装甲の硬さを持つ龍にやや驚きつつもハリケーンの方を見る。


『ダーリンの邪魔はさせないよぉ!!あははははは!!』


ハリケーンは暴れ狂ったようにレーザーを放射している。

狙いは悪いように見えるかもしれないが、レーザー一本一本に意味があった。

回避先、攻撃先、行動先。全てを見据えたうえでの乱射。


(すげぇな…)


頭の中で感心しつつ、龍を見る。

大きさは違えど戦力は同じくらい。


「…ゴォォ」

「…」


静かに納刀し、見据える。


(ワームと同じようであれば何処かに弱点があるはず)


獲物の弱点を探す。

何処だ。腹か?頭か?また内部か?と考えていると龍はおたけびを上げながら空へ舞い、周りを旋回し始めた。


(…狙ってるな)


狙われていることを自覚してもなお、心を落ち着かせ柄に手をかけたまま微動だにしない。


「ドゴォォォォォォ!!!」


龍は狙いを定めたのか、口を大きく広げ、突っ込んでくる。

そんな隙は見逃さない。

精神を研ぎ澄まし、タイミングを見計らい、間合いに入った瞬間。


ーーキィィィィィイン!!!


鞘から火花が散りながら抜刀。

抜刀しつつ身体を右に捻り、回避しつつ刃を人間でいう頬の部位を切り裂いた。

緑色の液体が吹き出す。


「やっぱり柔いか!」

「ゴォォォォン!?」


龍は予想外の攻撃によろけ、空中で頭を振り、緑色の液体を振りまきながら静止する。

すると。


「!!」


ーーブォォォン…ブォォォン…


何かを吐き出すかのような音が龍の口、ではなく胴体から鳴り響く。

そこには黄色に輝く部位が露出していた。

その辺りの視界は歪んでおり、高熱が吐き出されていた。


(あそこが弱点か…!)


すぐさまインパクトブーストしながら納刀し、構える。

椿による赫蝶のチャージは出来ない為、間合いを詰め抜刀するタイミングを謀るが…。


『ダーリン後ろ!!』

「なっ!?」

「ゴォォォォォォォォォン!!」


いつの間にか接近してきたもう一匹の龍。

インパクトブーストを途中でキャンセルし、方向を変えて再度インパクトブースト。

もう一匹の龍の噛みつきを回避しつつ距離を取る。


「大丈夫!?」

「大丈夫だ…てかいつの間に俺の方へ?」

「分からない…急に方向転換してダーリンを狙ったの」

「急に…?」


先程の龍の行動について疑問が浮かんでいたがハリケーンと合流し、その疑問はすぐさま解消される。


「…なるほどな、そういうことか!」

「え?どういう事?」

「ハリケーンが戦っていた龍の行動を見れば直ぐに分かる」


黄色い部位を露出し、空中で静止している龍を…護るもう一匹の龍。


「ゴォォォン!!ドオォォォォォ!!」


あの噛みつきは…お互いを守るための行動だと理解した。

現に今、威嚇するかのように咆哮を上げ春斗とハリケーンを見ている。


(守りたいものを守るためについ身体が動く、ってやつかもな)


頭の中で理解し、守りに行った龍に春斗は少し同情する。

その気持ちは分かるぞと。


「だが弱点らしきものは分かったな」

「あの露出している黄色いコアみたいなやつだよね?」

「あぁ。だがお互いがお互いを守るような行動をしてくるとなると…難しいな」


無理もないはずだ。あの巨体が身体を靡かせ、突撃しながら攻撃も防御も同時に仕掛けてくる。とてもじゃないがアレを崩すのは難しいと理解する。


(どう攻略すべきか…)


と悩んでいると。


「ねぇダーリン」


ハリケーンが話しかけてきた。


「ダーリンじゃないが、どうした?」

「私に策があるの、聞いてくれない?」

「策?」

「うん、あの二匹のコンビネーションを崩す策」

「…?」


そうして俺はハリケーンの策に耳を傾ける。


「ーーーーー」

「…?…!?」

「どう?」

「で、出来るかもしれないけどそれは理論上は、だろ!?いくらなんでもそれは…」

「出来るよ」

「!」

「私とダーリンならね♡」

「…分かった。乗る、その『連携』に」

「やった♡じゃあこの戦いが終わったらキスくらいしてよ?」

「無理!」


◇◇◇


「春斗…」


モニター室。

IGD学園にいる乙女たちはテンペスタに言われるがまま、春斗の戦いを見守っていた。

無理もない。ハイエンドとまともに戦りあったのは専用機持ち全員、御影紗月、柊木志保のみ。

特に九条春斗がハイエンドに対して強く出れる。

他の生徒たちに比べたらハイエンドの戦闘歴が最も長く、単体の戦力としても生徒会長である雪華に匹敵する。


「何故…タービュランスに協力しているんだ」

「わからない、でも春斗が何も考えずに協力するとは思えないよ」

「…」


春斗がタービュランスに付くのは何かしらの理由があるはず。

最初のころは自壊が抑えられないかつ学園に戻れなかったからという理由で。

だが…今回のは何もわからなかった。


「水津ちゃんどう?」

「もう少し…出来た…!」

「何が出来ましたの?」

「春斗の無線の声だけはハッキングで聞けるようになった…!」


通信諸共遮断していたタービュランスと春斗だったが、水津の技量で春斗のみ音声を聞けるようになった。


「音声、展開します」


水津が音声を展開すると。


『で、出来るかもしれないけどそれは理論上はだろ!?いくらなんでもそれは…』


『…分かった。乗る、その連携に』


その音声が聞こえた瞬間、モニターの方でも動きがあった。


『うおぉぉぉぉぉ!!!』


春斗が篝火を構え、左手で炎を放ちながら二匹の龍へと接近し始めた。


「む、無謀だ!!」


アイヴィーが席を立ち、叫ぶ。

すると、春斗の後ろからハリケーンのピンク色のレーザーが放たれ、龍に着弾。

それと同時に龍は咆哮を上げ、春斗に襲いかかる。

春斗はその龍に追われつつ、噛みつきや引っ搔きをかわし斬撃を喰らわせる。

そこへ、またピンク色の閃光が放たれる。

春斗に当たると思われたレーザーは…ギリギリ春斗に当たらず龍に着弾。

偶然か?と全員が思ったが違う。

ハリケーンが発射する全てのレーザーが春斗の動きを分かっているかのように当たらない。

一発も、掠りもしない。


「す、凄い…」


春斗の音声を聞いているからこそわかるが、春斗は一言も発さずとにかく龍へ刀を振るっている。

レベッカ、アナスタシア以上の連携を見せる春斗とハリケーン。


「…」


その連携を見せられた皆は、というと…。


(春斗…何故私じゃないんだ!)

(見せつけられている気がして良い気が起きませんわ…!)

(何で僕じゃないのさ…)

(…今後は連携の訓練をしなければ、他意はないぞ)

(春斗…いっかい死んどく?)

(あははははは、流石のお姉さんも許せないかなぁ?何で敵勢力とそんな素晴らしい連携を見せ付けるのかな?どうしてお姉さんとじゃないのかしら?あれほど熱烈なハグもしたのに?ねぇ何でかしら?何で?)

(…聖剣、抜刀)


嫉妬していた。

心なしかハリケーンの顔が『ドヤァ』みたいな顔をしていてより一層嫉妬が深まる。


「…やれやれ」

「あ、あはは…九条君が無事に帰ってきても無事じゃすまないかもしれませんね」


そのドス黒いオーラを放っていた専用機持ちたちを見て居た御影と柊木。


「それで、例の子は?」

「保護しましたが…問題が」

「問題?」

「はい。頑なに九条君以外の話を聞かないと言っていて、警備隊が接近しても『触るな』という機械音声が流れ、九条君以外の接触を拒絶しています」

「やはり何かしらの関係があるのか」

「はい…」

「思い当たる節が無いわけじゃないがな」

「え、あるんですか?」


柊木が疑問を持ち、質問を返すと御影はUSBメモリを取り出した。


「それは?」

「前に九条が持っていたものだ。内容は言うまでもないだろう」

「あっ!」


そう、外部から仕入れたと思われる物。

実験データや適合手術について記されたデータが入ったUSB。

御影の予想はあのデータを春斗に渡した人があの保護した子なのではないかと思っている。


「九条が帰ってきたらその報告を」

「分かりました。それで…どうしますか?」

「何をだ?」


柊木は顔を窄めながら指をさす。

その方向には。


『いぇーい!IGD学園の生徒たち見てる~?今からダーリンとの華麗な連携見せちゃいまーす♡』


ハリケーンの音声もハッキングしたのか分からないが…カメラ目線で満面の笑みでおでこ辺りにピースを掲げながら専用機持ちたちにマウントを取っていた。

そのマウントを受けた皆はというと。


「殺す。」

「風穴を開けて差し上げますわ。」

「ねぇ。パイルバンカーとショットガン、どっちがいいと思う?僕はどっちもがいいと思うんだけど。」

「今日は霧が濃くなりそうだ…あぁ、殺るにしてはタイミングがいい。」

「やっぱり殺すべき。」

「震えて眠りなさい。」

「処断。」


「…」

「触らぬ神に祟りなし、ってこういう事なんですかね…」

「私がこんなことをいうのもアレだが、見なかったことにしよう」

「は、はい」


誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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