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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
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第68話 喰らい尽くすモノ

今の俺の身体の構造を含め、様々な事を話し終えた次の日。

俺は…アリーナにいた。


「うぉらぁぁぁぁ!!!」


赫蝶のエネルギーを消費し続けなければならない為、とにかく戦い続けていた。

訓練用AGを何回も何回も停止させ、直ぐにAGのエネルギーを注入し、再起動させまた戦うを繰り返している。


「はぁっ…はぁっ…」


訓練用のAGのレベルをとにかく引き上げて戦闘の質を上げていく。

この質が上がれば上がるほど本気で戦いやすいし赫蝶の力も惜しみなく使える。

だが…問題があった。


「ゴホッゴホッ!!」

『だ、大丈夫ですか!?』

「大丈夫…コイツを停止させたら休憩にするか」


椿に心配されたので今動いているコイツを停止させたら休憩を挟むことにしよう。

訓練用AGのブレードを指先で止めて顔面を掴み、地面にたたきつけ空へ蹴り飛ばす。

そして鎖を放ち、両足に巻きつけグルグル回し壁に叩きつけた。

プシューっと空気が抜ける音が聞こえ訓練用AGが停止したことを確認した瞬間、俺は大の字で地面に倒れこんだ。


「あー…キッツ」


俺の今抱えている問題は二つ。一つ目は赫蝶のエネルギーをとにかく減らし、自壊を再発させない様にすること。エネルギーの回復が間に合ったらまた激痛に苦しむことになるし俺が赫蝶に意識を奪われる可能性も上がるからな。

んで二つ目。これが特にヤバい問題なんだが…赫蝶のエネルギー消費の為には基本的には戦いしかない。ひたすら虚無に向かって赫蝶のエネルギー砲とかそういうのを打ち続けたらいいかもしれないが…その場合、俺自身が動いていないせいかエネルギーの回復の方が勝る。

そうなると俺はとにかく戦い続けないといけないが、俺は人じゃないが限界って物がある。

今だって授業が始まってから戦い続け、5時間戦い続けた。

飯も食ってない、何も飲んでいない。

お腹は空いたし、喉は乾いている。

過剰な能力ほど身を滅ぼすぞとかRPGやらアニメやらで聞いたが…身に染みるよ。


「はぁ…はぁ…」

『この生活が続くのでしょうか…』

「かもな、まぁいいさ。俺も死なないし椿も兵器になることもないだろ?」

『それはそうですが…』


正直、今なら椿の気持ちもわかる。

このままじゃ俺の身体が体力的に持たない。思えば生物として今の俺の身体の構造は欠陥だらけだな…動きまくれば死ぬ、止まれば死ぬとかね。


(あー…クソ)


現状、どうしようもない。

対抗策も、打開策も。


「…」


いや、何もないってわけじゃないけどこれをしていいのかってやつが1つだけある。

…やるしかないのかなぁ。


「なぁ…椿?」

『はい』

「青葉に電話をかけてみないか?」

『え?』

「あれから音沙汰もないし、正直心配だ。かけてみるのもありなんじゃないかって思ってる」

『…』

「…心配か?」

『はい…私はまだ記憶を完全に取り戻してはいませんが、私の妹なんですよね』

「そのはずだ、俺もそう思ってるし」

『心配ですよ、家族ですし…』

「だよな」


俺だってそうだ、家族がよく分からない実験施設に監禁されているとか言われたら心配とか不安とかでいっぱいになる。

よし、思い立ったが吉日ともいうしな。


「かけよう、一応情報交換的な感じでな」

『そうですね』


重い体を起こし、アリーナの端まで歩き、置いてあった俺のバックを開いて携帯電話を手に取る。

そして電話をかけようとした、その時。


『不在着信』


どうやら丁度数秒前まで俺に誰かが電話をかけていたらしい。

相手を確認すると、『不明』。


「ってことは…!」


俺は急いで不在着信から再度相手にかけなおす。

プルルルとコール音がなり…繋がった。


「もしもし?」

『九条春斗ですか?』

「あぁ、青葉か?」

『はい、桐生青葉です』

「よかった…最近、電話が来なかったから心配してたぞ」

『すみません…色々手間取っていたので』


とりあえず安心。電話越しとは言え声が聴けるだけで安心できる。


「それでどうしたんだ?」

『まずは…落ち着いて聞いてください』

「お、おう?」

『今、IGD学園に九条春斗は居ますか?』

「あぁ、アリーナ内にいる。それが?」

『…ハイエンドが向かっています』


ハイエンド?なんだそれは。


「ハイエンドって?」

『九条春斗が戦った機械生命体です』


アレ『ハイエンド』っていうのか。


「…ちょっと待って、それが今どこに向かってるんだ?」

『IGD学園、地下区画第三階層です』

「地下区画…」

『春斗、アイヴィーさんと初めて戦った場所です』

「あー、アレか…それで今そのハイエンドとかいう機械生命体がIGD学園に来ていると…」


…滅茶苦茶マズくね!?


「それヤバくないか!?」

『ですから落ち着いてください』

「分かった」

『よくそれで落ち着きましたね!?』

「いやそこは良いから!それで何か対抗策とか無いのか?今のところの情報だと心臓部を狙うくらいしか思い浮かばないけど」

『心臓部を狙うのは間違いではありません、機械生命体とはいえ構造は普通の生物と同じです。それと』

「それと?」

『これは九条春斗のみ気を付けてほしいです』


『絶対にお姉ちゃん…じゃなくて赫蝶を使わないでください』


そう言われ、電話を切られた。

椿こと赫蝶を使うな、か。椿からはあのハイエンドとか言うやつには赫蝶の力が効かないと言われたし元々使う気はないしな。

ただなぁ…今の俺の身体に赫蝶を使うなっていうのは割と、いや結構ヤバい。


「とにかく連絡だ」


俺は倒れながら授業中の御影先生に連絡する。

…ワンコールで繋がった。


『こちら御影、どうした?』

「御影先生、報告があります」

『…聞こう』


一瞬間があったな。タイミングがマズかったか?


「前の市街地に出現した機械生命体がIGD学園地下区画第三階層を目指して向かってきているようです」

『何だと?誰からそれを言われた』

「USBメモリを渡してくれた奴です」

『信用は?』

「出来ます」

『…分かった。念のため教員たちを警備に当たらせる』

「ありがとうございます」


そうして報告が終わり、通信を切った。


「ふぅ」


軽く息を吐く。

ハイエンドに、か…あの機械生命体の名前やら弱点を知れただけまだましかもしれないが、それ以上に気になるのは俺に赫蝶の力を使うなって事。

何故なんだろうか。


『春斗』

「うん?」

『…嫌な予感がします』

「へ?」


急に椿が変なことを言い始めた。

嫌な予感?


「急だな、どうした?」

『何というか…狙われている気がして…』

「?」


次の瞬間。


ーーゴゴゴゴゴゴゴ!!!


「!?」


飛び起きる。

地響きが聞こえてくる、地震が起きたのか?

すると御影先生から通信が飛んできた。


「御影先生?」

『九条!今すぐ飛べ!!』

「え?」

『いいから飛べ!!』


焔を展開し言われるがまま空中に飛び出したと同時に俺がさっきまで倒れていたところを中心に地面にヒビが入っていき、人一人軽々と丸のみできそうな大きな口が飛び出してきた。


「あっぶねぇ!!」


俺がさっき寝ころんでいた場所はアイツの口の中に入ってしまった。

てか、コイツか。地下区画第三階層を狙っていたハイエンドってやつは。

生物なのは分かるが…ワームっぽいな。口が花びらのように八方向に開いていて、鋭い牙もついている。

食われたら、ひとたまりもない。


「し、死ぬかと思った…」


空を飛びながら観察する。

映画とかアニメとかに出てくる巨大なワーム。人間どころかAGすら丸のみできそうだ。

目のようなものはない。ありきたりなやつだが耳がいいやつか?


『…こういう時、スキャン出来ないのがここまでもどかしいなんて』

「仕方ないさ、今は使えないものだし」

『でも』

「いいんだ。むしろ今まで俺が椿に頼りすぎたところもある、それの清算だと思う」


さて…問題はコイツをどうするかだな。

前に戦ったハイエンドは狼と鴉。あの二匹は人間社会でも結構わかりやすい肉体構造をしているからいいが、流石にワームは分からんぞ…。

しかもこんなバカでかいやつ。

それと、なんで俺の位置が分かったんだ?耳がいいかもしれないが…俺は倒れていただけだし音は立てていない。もしかしたら地面に居る物体の位置が分かるのかも、と思ったがそれもなさそうだ。

空を飛んでいてもなお、あのワームの口は俺に向けられている。

じゃあ目か…?


『九条聞こえるか?』

「はい、聞こえます」

『無事のようだな。学園中のスキャンを最大まで引き上げた結果、地中の中から何かが学園に向かって行っているのが確認できたからな』


御影先生から通信が入る。

なるほど、学園のスキャンであればハイエンドの位置がわかるのか。


『それと九条。今、学園の教師陣含めAG行動隊がそっちに向かっている』

「えっ!?それじゃ地下区画が…」

『…恐らくになるが地下区画を狙ったのはそのワームだ、現に地下を掘ってこちらに地下区画第三階層を向かっていたのも確認できたが、急に方向を変えてお前がいる第3アリーナを目指し始めた。地下区画はもう狙われないと踏んでいる』

「なるほど」


ってことは元々のコイツの狙いは地下区画第三階層。だが急に俺のことを狙い始めたと。

…何故だ?

考えれば考えるほど行動理念がよく分からなくなる。命令を受けての組織的動きなのか、野性的な動物のように本能的に動くのか。


「…」


そんなことを考えている場合じゃない。

分かったことは地下区画第三階層へ加勢しに行く必要はない、狙われなくなったからな。

ただし、狙われているのは俺だという事。


『九条、今は耐えてくれ。直ぐに向かう』

「了解です」


そうして通信は切られた。


『やりましょう、春斗』

「あぁ、元よりそのつもりだ」


狙われているのは俺だし、このまま逃げるのもマズイ。

何より此処は学園だ。みんなにも被害が出かねない。

篝火を抜刀し、ワームに向ける。それと同時にワームは雄たけびを上げた。

俺が食われるのが先か、それとも俺が切り刻むのが先か。


ーー来い。


「切り刻んでやる…!」

『オォォォォォォ!!』


誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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