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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
プロローグ~第一部
7/122

第5話 クラスの雰囲気

俺と黒鉄を捕捉したタイタンは一気に俺との距離を詰めてきて拳を振り下ろした。


「その動きはもう読んだ!」


振り下ろしてきた拳を正面から受け止めるのではなく、ブレードの腹の部分で拳を外に滑らせて受け流す。こうすれば俺への衝撃やヘルスダメージは最小限に抑えられるし、タイタンの隙が出来る、そこを…!


「ふん!」


ブレードを振り下ろし攻撃を加える。

ガキンと音が片方の腕で鳴り弾かれたがヒビは入ってる、多分コイツも俺と同じようにシールドエネルギーを持ってない。だからこそ肉体が無い無人機のボディーにダメージは入っているのだろう。

今度は弾いた方の腕で俺を殴ろうと拳を振り上げた瞬間、その一瞬の隙をついて一騎に近づき外と同じように胴体へ一閃し、更に上へ斬り上げる!


(よし!胸部装甲が破損して内部が見えるようになった!でも…)


最小限に抑えているとはいえ少しずつヘルスは減ってる、残り63か…!これ耐えきれるか!?頼む黒鉄、無理をさせているようで悪いがもう少しだけ耐えてくれ!


『九条さん、準備が出来ましたわ』

「!」


フレヤさんからの通信、準備が出来たそうだ。


(セカンドラウンドは俺の勝ちのようだな…)


ファーストラウンドのアリーナの戦いは…まぁ俺が一方的に押し切られてたし負けたと思うけど、セカンドで胸部装甲が破損したし実質同じくらいだ。

次のファイナルラウンドでケリをつける。


「黒鉄行くぞ…最後の力をふり絞れッ!!」


スラスター、ブースターの出力を一気に上げて加速!!

残りのパワーエネルギーは113、ギリ足りる!一応タイタンが追ってきているのか確認するため後ろを振り向くと…俺より少し遅いスピードで追いかけているが、一つとんでもないことに気が付いた。


(押さえてる!?)


俺がさっき破損させた部位を片方の腕で抑え込み隠していた、コイツ自分自身で弱点を理解して戦ってたのかよ!流石無人機!


「フレヤさん聞こえる!?」


ここで思った、この豪腕諸共アクセラレータで撃ちぬくことは可能なのかと。


『どういたしました?』

「質問なんだけど、タイタンの腕諸共ギアって破壊できる!?」

『出力上は可能ですが…あの豪腕の装甲のせいでレーザーの威力が弱まり破壊が出来ない可能性もありますわ』

「…了解!」


そうなるとアイツの隠している片腕を動かさせないといけないのか…。

一気に懐に近づいてブレードで片腕を弾くか!?いや、それとも豪腕の装甲を破壊して威力を弱らせないようにするか!?クソ、どうする!?


(…光が近づいてきた!)


進んでいるうちに先の光が目に入ってきた。

やるしかねぇ…!!出力をさっきより上げてタイタンに差をつけながら避難エリアに入り、逆方向にブーストしスピードを下げてフレヤさんを見てからタイタンの方へ振り向く。


「フレヤさん、ずっと狙ってて」

『そのつもりですが…どうするおつもりで?』

「一瞬だけ隙を作る!」


ブレードを構えて俺に向かってきたタイタンの拳を正面から受け止める!


「ぐっ!?」


この際、衝撃とか俺に対するダメージなんてどうでもいい!勝てばいいんだ!!

フレヤさんが撃ちぬいてくれる!そのためにも!!


(絶対に隙を作るッ!!)


受け止めた拳を横に受け流して一気に懐まで近づき、ブレードで隠している豪腕に向かって上に振り上げるが受け止められる、というよりビクともしなかった。

だが…!


「うおぉぉぉぉぉ!!!」


全身に力を込める。


「これくらいの障害で…俺は止まらねぇぇぇぇ!!」


ジェットとブースターを使いながら上方向へ出力を一気に上げて…斬る!!

行けた…!黒鉄のブレードのお陰で隠していた腕が上へ弾かれ破損部分が丸見えになった。


『そのチャンス、無駄にはしませんわ』


通信からフレヤさんの声が聞こえたと同時にレーザーが放たれ、タイタンを貫通し…動かなくなった。

これで終わりか…あぁ疲れた、おっと通信通信。


「流石エリート、信じてよかった」

『当然ですわ!』


遠くに見えたけど、フレヤさんは腰と胸に手を充てながら誇らしげにそういった。

うん、今思えばお嬢様だけどあの戦闘の時の的確な判断や精密な射撃能力はこのフレヤ・アレクサンダーさんの努力の賜物なんだろう。

あ、待ってまだ言ってない言葉があった。


「遅れたけどありがとう、助かった」


元はフレヤさんが居なければ俺は負けてたし、死んでいたかもしれない。

その分と撃ちぬいてくれてありがとうということで感謝。


『お、お礼なんて…』

「ひとまずこれで終わり」


『警告!敵タイタン変形』

「はっ!?」


黒鉄が警告音を響かせる。

タイタンの方へ目線を動かすと、撃ち抜かれたはずのタイタンが変形し始めた。おかしい!マーカー部分は完全に撃ちぬかれてインフィニティギアも破壊されているはずなのに…!?

でもこの状況はマズイ!ここにはフレヤさんと俺以外にも生徒たちや教員たちがいる!そっちに危険が及んだら…!!


(ん?)


アレはガトリングじゃないぞ?タイタン内部からまた新しいバレルが現れてそれが…フレヤさんに向けられた。

するとあのバレルの周りに粒子が集まり始めた、まさかアレ、レーザー砲か!?


「往生際が悪いな!!」


ブレードを持ったと同時にフレヤさん目掛けてレーザーが放たれた。

その中間に入り込んだ俺は…ブレードを構えなおしてレーザーを受け止めた、フレヤさんに届かないように。


「ぐっ!?」


スターダストよりも威力が高いレーザーが正面から襲う、防御しているのに…俺が後ろに押されている。


『警告!警告!残りヘルスエネルギーが10をきりました!!』

「やばいぞ…!!」


フレヤさんとの戦闘でやったレーザーを弾き返すしかない!

ブレードに精一杯の力を込めて上へ弾く!!


「おらぁぁぁぁ!!」


なんとか上に弾き爆風と爆音が鳴り響き…タイタンは今度こそ停止した。


『敵タイタンの撃破を確認。残りヘルスエネルギー0、黒鉄および操縦者の戦闘続行不可能』


機体のありとあらゆる所からフシューっと音が鳴り煙が出てきた。

ありがとう黒鉄よく頑張った、お陰で助かったよ…。


「黒鉄解除」


粒子化してさっきと同じようにブレスレットになった。


「いって…」


戦闘での俺の損傷部位の右の横っ腹と左肩の火傷の痛みが身体に来る。

ちなみに火傷はさっきレーザーを完全に受け止めきれなかった結果、左肩が火傷しただけだった、まぁ死んでないし軽い軽い。

どっかの博士がいってたな『死ぬ以外はかすり傷』だって。

いやぁいい言葉だな、バカいてぇけど。


「だ、大丈夫ですか!?」


柊木先生と御影先生がこちらによってきた。


「大丈夫です」

「大丈夫なわけないだろバカ者、無茶をしすぎだ」

「すみません…」


反射で大丈夫何て言ったら御影先生に怒られた、解せぬ。

別にいいでしょ強がっても!


「そうですわ!早く治療の方を」


今度はフレヤさんが近寄ってくる、が一つ聞きたいことがあった。


「なぁフレヤさん」

「はい?」

「…なんでこれから自主退学する人間に優しくするんだ?」


結局のところ負けたのは俺だ、これから自主退学する人間にわざわざ治療を進めるのもなんというかアレじゃないか?と思って聞いた、その返答は


「は?」


『は?』だった。


「もうそのことは良いんですわ!」

「でも負けたのは俺…」

「何でこう頑なに負けた事をずっと認め続けるんですの!?さっきの試合は引き分けで良いです!」

「じゃあ俺ってどうなるの?」

「はぁ…」


質問した瞬間フレヤさんはため息を突きながらこう答えた。


「負けではありませんしこの学園に居ればいいじゃありませんの、それに…助けてもらった借りを返さないと気が済みませんわ」

「借り?」

「さ、さっき守ってくれたでしょう!?それの借りですわ!」

「お、おう…」


声を荒げながら一気に近づいてきたな、ちょっとびっくりしたぞ…


「それじゃあ…これからよろしく、フレヤさん」

「フレヤでいいですわ」

「え?でも」

「その代わり私は春斗さんと呼びます、それで構わなくって?」

「…分かった、よろしくなフレヤ」

「えぇこちらこそ」


そうして握手を交わした。

何だかんだ合ってフレヤさん…いやフレヤと和解出来た、自主退学も無くなってこれからもこの学園に入れるという事実に少し安心したが


「フレヤさんばかりずるい!私も!」

「待って私も!!」


恐らくクラスメイトたちだろう、一気に詰め寄ってきて自己紹介をされ始めた。

もちろん俺は聖徳太子でも何でもないので全て聞き取ることは出来なかった、断片的なら多少くらい…。


「お待ちになって!春斗さんは怪我人ですわ!」

「あはは…」


結局、混沌を極めた自己紹介合戦は改めて自己紹介を後日行う事となり終息、その後黒鉄は整備に回され、俺は医療室に連れていかれ検査と治療を受けその日は静かに眠った。

なお保健室の先生が健康診断の心臓検診の時に居た先生だった。ちなみに『入学してからいきなりこんな怪我を負った生徒は初めて』と言われて何とも言えない気持ちになったのは秘密。


ーーー


決闘&襲撃者があった次の日、朝の一発目に自己紹介が始まり改めて全員の名前を聞き今度こそクラスの一員となれた、多分。


「ん”ー!」


座りながら背を伸ばす。

今は3時間目が終了した後の休み時間。

いやぁこの学校でも数学とかやるんだな~、やっぱり一応年齢的にも高校生だから学ぶのだろうか。でも柊木先生の教え方が上手すぎるせいで全く苦労しないぜ。


「流石に疲れるな…」


学ぶ事に関係する苦労は無いけど如何せん授業のスピードが早いせいでちょっと疲労がある、けど体力には自信があるしついていけそうだ。


「次は…歴史か?」


歴史か…得意科目ではあるな、結構歴史人物が関係するゲームとか色々やってたお陰で勉強してたし。てかどんな歴史やるんだろう?

この学園は多国籍だし歴史によっては論争が起きそうだけど…


「はーい皆さん席についてくださいね」


おっと気が付いたら休み時間が終わってた、休憩時間とか楽しい時間は過ぎるのは早くてめんどくさいのは時間を遅く感じるのは何でだろうね?今はめんどくさいとかそういうのは無いけど。


「さて本当はここは歴史の授業なんですが、ちょっと変えます」

(変える?)


ちょっと変えるとは?


「実はフレヤさんと九条君の決闘のことで忘れてたことが一つありまして…このクラスのクラス委員長を決めたいと思います」


…もしかして柊木先生って意外と忘れっぽい?

何というか完全な人間って居ないんだなって思えるし少し愛嬌がある。


「はーい!先生質問があります!」

「はい、秋川さん」


一人の女子生徒が元気よく手を上げて質問する。あの人は覚えていた通り秋川さんだった、よし合ってたぞ。


「これは立候補ですか?推薦ですか?」

「それはどちらでもいいですよ、やりたい人でもこの人なら良いとかでも」


立候補でも推薦でもいいのか…先に言っておくが俺は立候補しないぞ。

何というか怖いし。


「柊木先生、質問があります」

「はい、鷹野さん」

「クラス委員長はどんなことをするんですか?」

「そうですね、基本的にはクラスのまとめ役や各行事の委員会、そしてクラス会議に出てもらう…くらいです」

「わかりました、ありがとうございます」


この人は鷹野さんだ、ちなみに俺の隣。

結構優等生なイメージがあるんだよな、実は今朝の自己紹介が終わった後個人的に声をかけてくれた。


「…では質疑応答はこのあたりにして早速クラス委員長を決めたいと思います、どなたか推薦もしくは立候補などありますか?」


…俺には縁の遠い話だな、軽く歴史の教科書を読みながら時間を潰すか


「はい!九条君が良いと思います!」


前言撤回。滅茶苦茶縁があったわ。

びっくりしすぎて教科書を机から落としちゃった…


「私も賛成!」

「私もー!」

「唯一の男子生徒だもんね!」


とクラス中大盛り上がりで俺のことを立ててくる。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!正気か!?」


教科書を拾って机に置いたのち俺は立ち上がって推薦を全否定した。


「正気だよ?」

「い、いや…だって俺、みんなみたいなエリートじゃないしまとめ役何てとても」

「これからエリートになればいいんじゃん!」

「え、えっと…ほら!男がクラス委員長だから他クラスから浮くかもしれないし」

「襲撃者の時のお陰でみんな九条君のこと気になってるから大丈夫大丈夫!」


何だこの人たち、無敵か?

色々言ってるのに全部返されるし、言い返せない。ただのジャブに全力のカウンターボディーブローをやられている。


「い、いや!そうだ、このクラスには主席で入学してきたフレヤが居るしフレヤが委員長になったほうが俺は良いと思うぞ!」


せめての最後の希望にかけてこのタイミングでフレヤを推薦する、よし勝ったな…。


「私は遠慮しますわ」

「え?」


負けたわ。俺の唯一の勝算が叩き潰された…。


「というより私も春斗さんを推薦するつもりでしたの」

「な、何で…」

「昨日のタイタンの事で春斗さんの事をそれなりに信頼してますし、春斗さんがクラス委員長になれば春斗さん自身にも私たちにも新しい学びになるのでは無くて?」

「ぐっ!?」


確かに…クラス委員長とかは中学校でもなってたし今更どうということもないけど、この学園ならそれ以上のことが学べるかと言われたら肯定せざる負えない。


「もしかして、春斗さんはこんなにクラスの皆さんから推薦されているのにこの期待を無下にするのです?」

「そうだそうだー!」

「フレヤさんの言う通りだー!」

「私たちの推薦を無下にするなー!!」

「ぬぅ…!?」


フレヤの意見にクラスの女子生徒全員が賛同する。

これじゃ言い返せないし、何より無下にするっていうのが刺さる…!


「それでも認めたくないのであればまた私と決闘でも」

「だー!!もういいよ!俺の負けだ!他に立候補者が居ないならやるよ…」

「流石春斗さんですわ!」


何だかんだあって俺はフレヤ含めた全員の推薦を無下に出来ず、言い合いに負けて推薦を承諾した。

なお予想通り他には誰も立候補者が居なかった為自然と俺がクラス委員長になることが決定した、解せぬ。


「それでは九条君がクラス委員長ということでよろしいですね!」

「さんせーい!」

「異議なーし!」

「…マジか」


柊木先生が嬉しそうに話し、クラスメイトはめっちゃ盛り上がっているが、かという俺は暗い顔をしていた。

いやさ?クラス委員長はしてもいいのよ、ハードルが高いんだよ…!

ハードル走で高跳びのあの棒を越えるくらい高い、プレッシャー云々が俺にかかる。


「では九条君、クラス委員長になった意気込みと改めて自己紹介をお願いしますね」

「ま、マジですか!?」


いきなりとんでもないの来たな!?や、やばい…あのフレヤとの決闘よりも緊張してきたぞ、心臓の音がバックバクだ。

思えばあの時は黒鉄を装着して落ち着いていたんだよな、つまり黒鉄には人を落ち着かせる効果があるのか?じゃあ今ここで黒鉄を装備したら…


(やめよう…)


そもそもの専用AGの契約として緊急時以外の無断装着は禁止、無論危険だからだ。

AGは人間以上の力を出せる、そんな力を振りかざしてみろ?とんでもないことになるのは間違いなし。


(…しょうがないここは黙って教卓に向かおう)


机から立ち会がり教卓に向かって歩く、その道中もクラスメイトにめっちゃ見られるがな!


「…ふぅ」


教卓に立ちまずは深呼吸、何を話すか考えよう…。

趣味?出身地?特技?よし、話せることないな…でも意気込みは言うか。


「まずは意気込みですが…委員長になったからにはきちんとした行動、自覚をもって生活していきます。勿論凡人なりの努力はしますのでよろしくお願いします」


そうして一礼すると拍手が、ちょっと嬉しい。


「では改めて自己紹介を…」

「…」


柊木先生に自己紹介と言われた瞬間顔をしかめる。

話すことが無いんだって…


「あ、なら私たちから九条君に質問してもいい?」

「!!」


秋川さん…だよな!?それめっちゃありがたい!!


「それなら大丈夫」

「わかった!じゃあ好物は?」

「好物か…一つあげるなら甘い物だな。甘味でも洋菓子でも甘い物ならなんでも好きだぞ」

「へぇ~意外」

「意外と思われるのか…」


まぁちょっと好物が女子っぽいよな、でも甘い物は良いぞ。

頭を動かすのに丁度いいエネルギーにもなるし何より甘い物を食べると少し幸せな気分にもなれる。


「私も良いですか?」

「構いませんが…」

「趣味は?」


次の質問が飛んでくるが質問の主が柊木先生なのは驚きだが、趣味か…


「ありきたりだと思うけど、ゲームとか料理ですかね」

「料理するんですか?」

「そうですね人並みには」


お婆さんとお爺さんと一緒に暮らしているときに親孝行の為に料理とか家事を習ったからな、今でも時より色々な料理のレシピを見ては作って学んでを繰り返している。

ちなみに俺の得意料理は唐揚げとカレーだ。


「よろしいですか?」

「はい、フレヤ」


次はフレヤか、どんな質問してくるんだろう?


「春斗さんってどんな事をしてきたんですの?」

「どんな事というと?」

「習い事などですわ」

「あー、了解」


そういえば保健室の先生にしか話してなかったか。


「部活で陸上部、バスケ部、合唱部、吹奏楽部、演劇部をやってて家で剣道と弓道やってた」

「す、凄い量…」

「まぁ楽しかったぞ」


これくらいは楽しいからやってたけどフレヤはこれ以上のことを学んだのだろう、なにせ貴族の娘さんだしな。


「なるほど…ありがとうございます」

「この情報が何かに役に立てば良いけどな」


と質疑応答している間にチャイムが鳴り4時間目が終了した。


「ではこれくらいにしましょうか、九条君に対する質問などは本人にお願いしますね」

(本人以外分からないと思いますが…)


その辺はまぁいいや、それより飯だ飯!食堂であのかつ丼が食いてぇ…!


「春斗さん」

「ん?どうした」


食堂に向かおうとしたところフレヤに声を掛けられた。


「よろしければ一緒にランチなんて如何ですか?」

「まぁいいけど…」

「では参りましょう!」

「うおっ!?」


肯定したと同時に腕を組んでくるフレヤ。

…なんか右腕に柔らかい感触を感じるが黙ろう、言った瞬間セクハラとか言われそうで怖い。


「あー!フレヤばっかりずるい!」

「私たちも混ぜろー!」

「おいおい…」


クラスメイトたちも一斉に集合し、この人数で食堂に行くのかと心配したが案外悪くないかもな、沢山の人と飯を食えばその分美味くなるなんて言うしね。


「むー…」


右側に視界を落とすとフレヤの頬が膨れていた、何故だ?


「この人数で行くなら早く行こうぜ、食堂が混む」

「そ、そうですわね」

「?」


とりあえず行こうと思い教室から出ると…


「…!」


一人の女子生徒が廊下の真ん中でこちらを見ていた、というか俺だけをじーっと見ている。


「…えっと?」


用事があるなら何かしら言って欲しいが…てか、そこまで凝視されると流石に怖いんだけど。


「ちょっと貴方、何か用ですの?」


俺よりも先にフレヤが反応し、目の前に居る女子生徒に対して問うのだが…何かこの子なんか見覚えあるんだよな。


「…春斗、か?」

「!?」


今、この女子生徒は俺の下の名前を呼んだよな…ってかちょっと待て!まさかこの子って!?


「ちょ、ちょっと貴方!いきなり会って呼び捨てなんて失礼では」

「葵!?お前、時雨葵(しぐれ あおい)か!?」

「…え?」


俺はこの子を知っている。

昔と変わらない黒髪ロングのポニーテールとこの雰囲気…間違いない!

幼馴染の時雨葵だ!


「お、覚えていたのか?」

「あ、当たり前だろ…俺たちは幼馴染同士じゃないか」

「そ、そうだな!幼馴染だな!」


「え」


「「「「えぇぇぇぇぇぇ!!!??」」」」

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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