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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
64/122

第62話 創られし獣

「…ここか」

『そうですね、警戒を』


コツコツと音を鳴らしながら地下2階の駐車場を歩く。

やや薄暗く車も大量に駐車されている。

ここに俺を呼んでいる人がいるらしいが…パッと見誰も居ない。

椿が辺りへ赫蝶を飛ばしているがなにも見つからないみたいだ。

やはりいたずら電話?でも椿が懐かしい声と言っていたし、何かしら関係がありそうな気がするんだが。


ーーぺたっぺたっぺたっ


「!!」


後ろから裸足で走るような音が聞こえ、駐車されている車の陰に隠れる。

少し、顔を出し音が鳴ったほうを見る。


(女子…?)


そこには女の子が座り込んでいた。見た目で判断するのもアレだが中学生か?

だが様子がおかしい。疲れているのか息切れしていて、あれは…患者服でいいのか?かなりボロボロの物を着ていて、俺が入ってきたエレベーターとは違う別の入口を見ている。


『あ、あおば…?』

「え?」


様子をうかがっていると椿が呟いた。


「あおば?」

『な、何故でしょう…急に文字が浮かび上がって…』

「椿、大丈夫か?」

『だ、大丈夫です…』


声色から分かるが明らかに大丈夫そうじゃない。

初めてだ、ここまで焦る椿は。


「助けるしかないか」


椿が焦っているのもわかるが、とりあえず助けよう。

車の陰から飛び出し、女子の元へ駆け寄る。


「大丈夫か?」

「あ…なたが九条春斗?」

「!!?」


俺はその子の顔を見た瞬間、後ずさる。

左目だけが『緑色』だ。

いやそれだけだったらよかった。身体中は傷だらけで引っ掛かれたような傷がちらほらと確認でき、何かに怯えているようだ。

そして…!!


(緑色の蝶!?)


俺とは違い、緑色の蝶々を纏っていた。

俺は…緑色の蝶を知っている。ルゥサを倒し、肉体のリミッターを外し、反動で倒れた時に見た景色。

あの時に見た緑色の蝶で間違いない。

…いや、今は驚いてる場合じゃない。


「立てるか?」


無言のまま足の方を見つめたので、俺のその方向を見ると皮膚は黒く変色している。

どうなってんだ…!?


「わ、分かった!」


とにかくこんな状態じゃまともに歩けないだろう。

緑色の蝶を纏った少女を担いで先程俺が隠れた場所まで戻る。

物陰に隠れ、少女を座らせる。

すると


ーーグルルル…


遠くの方からうなり声が聞こえてきた。

犬…っぽくない。唸り声の中に殺意が混ぜ込まれている。

俺も恐怖のあまり心臓がドキドキしてきた。

小型犬とか大型犬とかならよかったが、そういうレベルじゃないくらい大きい足音が響いている。


「き、君は何に追われてきたんだ?」

「私の蝶で出来た獣に…」

「君で出来た蝶…」


その言葉には心当たりしかなかった。

椿も…初めてみたときはゼフィルスの中に居たし、ルゥサのよく分からないAGにも搭載されていた。

この子の蝶も何かに搭載されているのか?


ーードシン…ドシン…


来てる。

今、足音とうなり声の主がこの地下駐車場を徘徊している。

足音と共に心臓が鳴る。

怖い。見つかった瞬間殺されると本能的に理解した。

ドンドン音が近くなっていき…丁度隠れているところを通り過ぎるくらいまで接近して来ている。

…このタイミングで好奇心のままチラッと音が鳴る方へ視線を向けると。


「!!?!?」


驚きの声を抑え、呼吸を整える。

車よりも大きい何かが地下駐車場を闊歩していた。

薄暗い明かりのお陰で俺たちが見えていないようで、ほんの少しだけ安心する。

一瞬見た光景を頭の中で整理する。

車より大きく四足の犬のような化け物。身体は黒い装甲に包まれ、緑色の閃光が走っていた。

恐らくアレも機械の類かもしれないが…あんなの見たことない。

AGはあり得ないだろう。ただ、ギアが搭載された何かだ。


「…行ったか」


息を殺しているうちに唸り声と足音は遠くなっていき消えていった。

どっと疲れが出てきた…こんなにドキドキしたの久々だぞ?

何だったんだアイツは…。


「って大丈夫か?」

「…はい」


少女の傷とかを考えるとアイツに襲われたと考えていいだろう。

良く逃げれたな、本当に。


「えっと、君が俺を呼んだのか?」

「はい…時間と場所的にここなら呼べると思ったので」

「時間と場所的に?」

「分かりますよね。九条春斗、貴方なら」

「まぁ…」


衣服や肉体の状態で予想が付く、というわけではない。

緑色の蝶で確信が付いたからな。

この子は『逃げ出してきた』のだろう。景色で見えた実験施設から。


「それと、いますよね。もう一人」

「やけにせかせて来るな?」

「時間が…無いんです。出来る限りの情報を伝えないと」

「そうだな…」


確かに。今ここでこの子の事とか変な事ばかり聞いてしまうと時間を無駄にしてしまうな。

この子にとって一分一秒が惜しいのだろう。


「椿、出てこれるか?」

「…はい」


身体中から赫蝶が飛び出し形を形成していく。


「椿お姉ちゃん」

「え?」

「…青葉」


二人の言葉にやや驚く。

いや、声を上げて驚かなかっただけ褒めてほしい。仮に今声を上げてみろ?

もしかしたらさっきの化け物がこっちまで駆けてくる可能性があるから。


「まさか、二人は姉妹なのか?」

「分かりません。でも…そんな名前な気がして」

「椿は記憶が欠如しているのは知ってるからいいが…えっと、青葉でいいのか?」

「はい、私は『桐生青葉(きりゅうあおば)』と言います。それでお姉ちゃんが『桐生椿(きりゅうつばき)』です」


緑色の蝶の女の子こと桐生青葉さん。この子曰く、俺の中にいる椿と姉妹のようだ。

…疑わないけどね。

いくらなんでも共通点がありすぎる。椿の欠如している記憶や俺が見た景色からもこの二人が姉妹、あるいは緊密な関係だったことを決定付ける物が多い。


「お姉ちゃんの記憶が欠如している事について聞いてもいいですか?」

「あ、あぁ…。俺と初めて接触した時から椿は自分の名前が分からず、その他も何一つ覚えていなかったんだ。ただ赫蝶を集めていく内に椿の記憶が見れたり、こうやって何かしらを思い出していっている」

「なるほど、九条春斗」

「なんだ?」

「貴方は『適合手術』を受けたのですか?」

「な、なにそれ?」

「…う、受けていないの!?」

「あ、あぁ。初めて聞いたぞ、その適合手術ってやつ」


やや口調がおかしくなっているが、気にしちゃ負けだな。


「んで、その適合手術ってなんなんだ?」

「…事細かには説明が難しいので詳しくはこれを」

「…?バッ!?」


今、俺は慌てて自身の両目を覆った。

何故か?簡単だ。

青葉という子は自分の…その…む、胸の谷間に手を差し込んで何かを取り出そうとしていた。

いや、せめて一言俺に言えよ!?流石に驚くぞ!?


「どうしました?」

「どうしたもこうしたもねぇ…青葉は女の子なんだろ?そういうことはやらないほうが」

「こうしないと持ってこれませんでした」

「…すまん」


負けた。

そしてUSBメモリーを手渡された。


「貴方に伝えるべき情報が全てそれにつまっています。外部への公開は貴方の好きにどうぞ」

「分かった」

「…記憶がないんですよね」

「ごめんなさい」

「いいんです、私のせいでお姉ちゃんはこうなってしまったので」

「君のせい?」

「…私は」


次の瞬間。


ーーバコォン!!


「なっ!?」


地下駐車場の天井に穴が開き


「キシャァァァァァ!!!」


先程の化け物が俺たちを捕捉していた。


「な、何で…」

「バレてたのかよ!!椿、戻れ!!」

「は、はい!」


椿が俺の身体の中に戻ったと同時に俺は青葉を抱えて走る。

化け物は開いた天井の穴から飛び降りて俺たちを追いかけてきた。

ドシンドシンと後ろから響く、低い重音。


「な、何を!?」

「追われてるんだろ!?ならさっさと逃げるぞ!!」

「私を置いていけば」

「置いていけるわけねぇだろ!!」


非常階段の扉を蹴破り、階段を昇っていく。

ガッシァャン!と後ろから鳴り響いたが後ろを向けるほど距離を稼げていないので振り向かず、とにかく上へ上へ上がっていく。


『春斗!地下一階であれば直ぐに外に出れるトンネルがあります!』

「分かった、そこから脱出して…青葉はどうする?」

「このまま実験施設に戻ります」

「しょ、正気か!?そんなことしたら」

「いいんです、それにバレる前に戻ればまた同じ手法で脱出できますし」

「…」


正直、止めたい。

だがそのあとはどうする?俺が青葉を連れ出しても…何も変わらない。

学園に匿えるかどうかも分からない、それに青葉と一緒に逃げても今後ろから追ってきている化け物が俺たち以外に被害を加える可能性も十分にある。

…受け入れるしかないか。


「分かった、青葉のいう通りにする。ただし、危ないときも含めいつでも俺に電話をかけてきてもいいから」

「いいんですか?」

「俺が出来ることって言ったらこれくらいしかないからな!」

「ありがとうございます」


階段を昇り切り、トンネルを走る。


「ガァァァァ!!」


来てる!!

轟音が後ろから迫ってきている!!


「青葉、トンネルから抜けた瞬間そのまま走ってくれ!俺はアイツを止める!」

「…わかりました」


トンネルから飛び出し、青葉を降ろす。

そして走り出したことを確認した瞬間。


「え」


俺の目の前に化け物の爪が広がった。

マズイ、防げな


ーーザシュッ


「がはっ!?」


爪で切り裂かれながら吹き飛ばされ、壁に背中をたたきつける。


「ゴホッゴホッ!!?よ、良かった。致命傷は避けられた…」


肩から腰にかけて切り傷のような物が出来上がるが…大丈夫だ。

膝に手を添えて立ち上がる。


「…やるしかないか」


五十嵐さんからお礼として頂いた服の袋を近くの机の上に置いて、対AG用強化スーツに着替え、神去を抜刀。


「やるぞ」

『…そういえば何故AGを使わないんですか?』

「コイツがどんな奴かわからない、ましてはコイツの存在自体兵器みたいなものだ。AGを殺す為の兵器の可能性も十分にある。それならAGを使わない方がいいと考えた」

『なるほど、そういうことだったのですね。ではいつも通りサポートします』

「あぁ、期待してる」


神去を構える。


「来いよ、化け物!!」

「グルァァァ!!!」


強靭な爪の攻撃を躱し、尻尾の振り払いをジャンプで躱し右足に力を込めて…蹴り飛ばす!!


「グッ!?」


化け物は少し怯み、俺をにらむ。

今のうちにIGD学園へ緊急連絡をかける。

緊急連絡は任務とは関係なく、日常生活を送っている間に起きてしまった事件や襲ってきた敵勢力が脅威と判断したときに連絡する物。

…流石にこれは脅威だ。


『緊急連絡を受けた、御影だ。そちらは?』

「九条春斗です」

『九条か、どうした?』

「狼のような見た目の兵器と接敵しました。座標及び映像を送ります」

『…なんだこれは』

「AGではないことは分かるのですが、対AG用の兵器であると仮定し対AG用強化スーツで対応中です」

『分かった、増援と付近の避難勧告はこちらで行う。必要によっては撤退も考えろ』

「了解です」


御影先生との通信を終えて、化け物を見据える。

避難勧告等はあちらがやってくれるので、増援を待ちつつコイツを削ろう。

倒しきることは考えるな。


「…グルルル」

「…」


お互いに出方を伺いながら見合う。

まさに一触即発。


「ガァッ!!」

「ふっ!」


先に化け物が仕掛けてきた。強靭な爪が備わった手が俺に向かって振り下ろされる。

それを身を捻りつつ躱し、そのまま横に一閃。

火花が散る。

神去でも斬れることは分かったが、装甲がかなり分厚い。

大体、AGなら一刀両断は出来ているかもしれないが…コイツの場合、内部の骨格までの装甲がかなり分厚く骨格諸共斬るのは厳しい。

それに対AGの戦い方でもある関節部分を切断をしても関係ない可能性がある。

そもそもの関節部分の装甲もこれくらい分厚いのなら意味がないしな。


「…?」


そのまま薙ぎ払われ、少し距離を置かれる。

…何だろう。兵器的な感じではあるが戦い方が野性っぽいというか。

兵器のような敵を倒すためだけの術、みたいに思えない。

こう…『捕食』?弱肉強食の世界で生きるような野生の術っていうの?そういう動きに近い気がする。


「ガッ!!」


首を伸ばして俺に噛みついてくる。

こんな大きな口に噛まれればひとたまりもないので後ろに向かってステップし、納刀。

そして口を閉じたことを確認した瞬間、前に向かって飛びしたから上に抜刀。

化け物の左目を斬った。

…緑色の体液のようなものが吹き出す。


「な、何だコイツ…!?」


いや、AGじゃないことは分かっていたぞ?

ただ、何というか人造兵器っぽい気がしてきた。AGをぶった切ってもこんな感じに液体が飛び出ることはない。AGのエネルギーは殆ど粒子だしな。

でもコイツの目からは液体が吹き出た。

機械っぽくない、まるで生物だ。


「ギッ!!グルルルル…!!」


顔に付着した緑色の液体を右腕で拭う。


「アオオォォォォン…!!!」

「うっ!?」


左目の傷を機械の舌?で拭ったと同時にこの化け物…いや仮で『(オオカミ)』と名付けよう。

狼は遠吠えを上げ、そして再度襲い掛かってきた。

爪の強襲、牙の急襲、手の圧殺。狼は身体の全てを使って俺を殺そうとしてくる。

野性的な本能みたいに俺を害する者とみなし殺しに来た。

神去で弾き、蹴りでいなし、飛んで回避を繰り返す。

止まない攻撃の嵐。


「クッソ…!?」


爪が俺の頬を掠る。

それでも止まない嵐。

行動が…良くなっていっている!俺を、理解し始めているのか。


「ぐあっ…!?」

『春斗!!』

「…ゴホッゴホッ、大丈夫だ」


尻尾の薙ぎ払いを回避しきれず、横っ腹に直撃し地面を転がる。

神去を地面に突き刺して身体を無理やり起こす。


「ぐっ…クソ…!!」

『無理をしないでください!!』

「分かってる…!」


心配のあまり、声を荒げる椿。

…あんな俺の腕以上に太い尻尾の薙ぎ払いを横っ腹でもらったんだ。骨の一本は折れているかもしれない。


「俺の、外傷は?」

『…骨は大丈夫です。ですが』

「ですが?」

『内出血です、恐らく筋肉が』

「…分かった」

『分かったって…死ぬかもしれないんですよ!?』

「椿、俺は死なねぇよ」


横っ腹の激痛を気にせずに立ち上がり、神去を構える。


「まだ死ねねぇ…!」


まだ、救えていないんだ。青葉という少女も。

それに…俺の()も!

俺の家族を殺したと言われる犯人を!


「こんな…犬風情につまずいている訳には行かねぇんだよ!!」


口から感じる鉄の味を口の外へ吐き出す。

神去を片手で握りしめて構える。

納刀し足に力を込めて、一気に接近。

俺の動きを察知して爪で薙ぎ払う。

それを躱すように飛び上がりながら宙返りのように動き、首元を狙って横に抜刀。

例え機械でも、頭部パーツがなければどうしようもないはず!


ーーザシュッッ!!


うなじ辺りを切り裂きパカッと首の接合部位が露出する。

コイツ、装甲は分厚いが硬いわけじゃない。それに…これは斬鉄剣、ってヤツだ。

神去を抜刀したまま狼の背に着地しながらもう一度飛び上がり首の接合部分を目掛けて飛び込む。

逆手持ちし刀身の先を…突き刺す。

手ごたえを感じ、完全に突き刺さったと理解した。

よし、これで


「ウウゥッ!?」

「うおっ!?」


止まったと思っていたが急に暴れ始めた。

その勢いのまま突き刺さった神去と俺は空に投げ出される。


『本当、無茶しますね』

「これくらいしないと勝てないと思ったから。それと鎖で俺の衝撃を逃がしてくれてありがとな、椿」


椿が赫蝶達が鎖を形成していき俺の身体が地面に叩きつけられる前に受け止めてくれた。

鎖から降りて、狼を見る。


「ウゥッ!!ワウゥゥ…!!」


唸りながら地面に這いつくばっている。

…心が痛くなるな。


「これで終わりか」

『ですね』

「…いや、せめて引導は渡そう。例え機械みたいな生物だとしても、俺らと同じ苦しいという思いもするかもしれない。だからこそ、だ」


神去の刀身についた緑色の体液を拭い、両手で構えて首を狙う。

狙うは一刀。痛みを感じる間もなく眠らせる。


「ふぅ…」


殆ど動かなくなった狼の首もとに近づき、息を吐く。

すると


『春斗!!聞こえるか!!』

「葵?」


急に葵から通信が入る。


『今どこにいる!』

「ここの近くのショッピングモールの地下駐車場前だ、位置情報を転送する」

『それは助かるがそれどころではない!』

「何があった?」

『こちらも襲われているんだ!』

「何!?」


驚きつつ、葵から送られてきた写真を確認する。

今、俺の目の前にいる狼とは違い、葵と接敵している奴は蛇のようだ。


「だ、大丈夫なのか!?」

『大丈夫だ、そこまで脅威ではない。だが問題がある』

「問題?」

『今、専用機持ち全員で春斗の方に向かっているが各々足止めをくらっている。そしてコイツのような化け物が他の場所でも出現したようなんだ!』

「はぁ!?」


コイツが他の場所にも!?

考え込んでいたらまた葵から写真が送られ、現在の皆の戦闘している場所が記されたマップデータが送られてきた。

フレヤとアイヴィー、アナスタシアとレベッカ、水津と雪華さん、そして葵。

各々がこのよく分からない化け物と戦闘しているみたいだ。


「全部で何体居る!?」

『計六体だ!』


計六体…?

フレヤとアイヴィーで一体、アナスタシアとレベッカで一体、水津と雪華さんで一体、そして葵で一体…。


「待て、あと一体はどうなって…?」


ーーヒュゥゥゥッ…


そう言い切る前に


ーーバゴォン!!


「はっ!?」


俺の真後ろの建物の天井に掲げられていた看板が落下してきたと同時に黒い大きな影が襲いかかってくる。


「あっぶねぇ!!」


神去をしまい込み、安全な箇所に飛び込む。

砂埃が舞い広がった。


「くっ!?」


腕を前に構えて目に砂埃が入らないようにする。

そして砂埃が晴れていくと


「キィィィィ!!」


巨大な鳥が現れた。

鴉みたいだがここまで大きいと怪鳥だ。


「ここに来たのか…!!」


どういうわけか、その六体目が俺のところに来やがった。

一対一ならまだ勝てたかもしれないが…二対一はマズイ。


『も、もしかしてそういう特性が…?』

「どうした椿?」

『あの化け物たちに私の蝶のサーチは引っ掛からないみたいです。それと赫蝶の武装は効果なしかと』

「な、何でだ!?」

『先程から赫蝶を使ったサーチが効かないんです!』


だから急に鴉…鴉か?大鴉?

い、いや名称は『(カラス)』でいいや…。んでこの鴉が空から来たのは絶対として椿が反応しなかったのは確かにおかしい。

となれば赫蝶の武装じゃ効果が薄い、あるいは効かない可能性があるのか。


「マジかよ…!」


ふと気になった狼。

鴉の横にいた狼を見ると、頭が無いのに動いている。

いや…もっと詳しく言うと胴体から緑色の蝶が大量に飛び出し頭部と繋がり、胴体にくっつこうとしている。

頭部関係なしに動くのか、アレ。

もはや生物兵器どころかただの兵器じゃねぇか。正直言うとかなり怖い。

でも一つ分かったことがある。他のみんなが戦っているということはAGは通用するという事。


(なら此処からはこっちだな)


左手首に付けられた橙色のブレスレットに右手を添える。

行くぞ!


「焔!」

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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