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インフィニティ・ギア  作者: 雨乃時雨
第三部
62/122

第60話 騎士と共に

もう60話も書いていましたね…、正直驚きです。

あ、作者の雨乃時雨です。最近の投稿ペースが遅く申し訳ありません。

パソコンは治り、書けるようにはなったのですが…スランプ気味です。

しばらくは投稿ペースが遅いかもしれませんが。ご了承ください。

それからしばらくたち食堂に到着したと同時に椅子に縛られた状態で座らされた。


「よし」

「よしじゃねぇ!何で椅子にも縛り付けるんだよ!?」

「…抵抗されるかもしれない」

「絶対しないぞ!?いや、この状況ならするかもだけど!」

「現に春斗は私たちの襲撃に対して全て抵抗していたからな、ここまでされるのも無理はない」

「まず俺に襲撃すんな!」


とツッコミを入れていると。


「九条君!おかえりなさい!!」


と食堂中から声が響き渡った。


「えっと、これは?」

「春斗君のおかえり会よ」

「何故…?」

「はぁ…修学旅行の時にも言ったけど君がいなくなってから色々頑張ったって言ったでしょ?私たち生徒会が頑張らないとこの学園はある意味終わるくらい君という存在が大きいんだよ?」

「それは大袈裟すぎでは?」

「大袈裟じゃないよ?例として挙げるけどフレヤちゃんなんて春斗君が居なくなってから部屋に引きこもってたし」

「はいぃ!?」

「葵ちゃんも虚無に向かって竹刀を振り回してたし、レベッカちゃんは全体的に元気なくなってたし、アナスタシアちゃんはナイフを凝視してたし、水津ちゃんは部屋にあるコントローラーを握りしめて泣いてたし、アイヴィーちゃんも何処かへ祈ってたりとその他もろもろよ」


友人たちの豹変っぷりが怖いんだが?


「そんなわけで君が帰って来たからこそ、お帰り会を開こうってなったの。食堂のおばさん達も本気になってたわ」

「そういうことだったんですね」

「そうね。それと春斗君はいい加減君は自分自身の価値をきちんと知ったほうがいいわよ?」

「…それはそうなんですけど、1ついいですか?」

「何かしら?」

「解いてくれません?美味しそうな料理やら何やら目の前に置かれてるのに食えないのも結構生殺し何ですが」

「やだ」

「何でですか!?」

「だって自分の手で食べようとするでしょ?」

「そりゃそうですけど」

「…」


すると、雪華さんがパンパンと両手をならすと葵がこちらに来た。

その右手には皿が添えられているが、何があるのか見えん。ただ美味そうな匂いが漂っている


「葵?」

「…」

「…葵?」

「は、春斗!」

「な、何!?」

「い、今から食わせてやる!」


そうして俺の返答間もなく口の中に何かを入れられる。


「もごっ!?」

「美味しいか…?」

「…あぁ、美味しいぞ?あとこれはハンバーグか?」

「そ、そうだ…その私が作った」

「へぇ葵のハンバーグか、懐かしいな。小学校の頃に一度一緒に作ったよな」

「お、覚えてたのか!」

「もちろん」

「そ、そうかそうか…ふふっ」


どうやら葵はご満悦のようでそのまま何処かへと歩いていった。

昔、葵と一緒にハンバーグを作ったことがあった。葵の両親と俺の家族は結構仲良くて、よくお互いの家にお邪魔したりもした。

…あ、アニメ見たいな一緒に風呂に入るとかは無いぞ。

てか、米が欲しい。


「次の人ー」

「私ですわ」


今度はフレヤが料理を持って歩いてきた。


「フレヤ?」

「春斗さん、私からはこちらを召し上がっていただきますわ」


フレヤが俺の前に皿に乗せられた料理を見せてくる。


「ローストビーフ?」

「はい、私も腕によりをかけてつくりましたの」

「フレヤの手作りか」


美味しそうな匂いが漂ってくるぞ…。


「では、春斗さん。あーん」

「…」

「どうしましたの?」

「思えば何で俺食べさせられているんだ?」


完全に忘れてたけど今俺は椅子に縛り付けられている。腕も足もピクリとも動かせない。

動かせられる部分は俺の首から上だけだ。


「まぁまぁいいではありませんか、冷めてしまいますわ。はい、あーん」

「えっと」

「あーん」

「…あー」


フレヤからこの事を詳しく聞くのはやめよう。何か、怖い。

言われるがまま口を開けてフレヤの作ったローストビーフを食べる。


「…うっま」

「本当ですの?」

「うん…正直、言葉を失うくらい美味い」


実際マジだ。俺が今まで食べてきた中でぶっちぎりで美味い。

肉単品も美味いし、かけられているソースもこれまた絶品だ。市販のソースとかじゃ出せないレベルの味とコク。

食い続けたら舌が肥えそうだ。


「良かったですわ」

「なぁフレヤ、このローストビーフの作り方を時間があるときでいいから教えてくれないか?」

「構いませんわ、それに」

「それに」

「…私は決めた相手にしか手料理は振舞いませんもの」

「何か言ったか?」

「いえ、何でもないですわ。うふふっ」


フレヤも上機嫌のまま何処かへ歩いていった。一瞬、何か見ちゃいけないものを見たような感覚に襲われたが気のせいだろ。

いーやマジで美味しかった。どうやったらあんな美味しい物が作れるんだよ。

流石お嬢様といったところか?


「久しぶり春斗」

「レベッカ」


次に来たのはレベッカだった。


「おぉ、ピザ…じゃなくてピッツァ?」

「別に言いなおさなくても大丈夫だよ?」


レベッカが持ってきた皿の上にはピッツァが乗せられていた。

しかもこれはマルゲリータじゃないか?これまた美味そう…。


「じゃあ春斗、あーん」

「あー…」


切り分けられたピッツァをパクッと食べる。

うめぇ。チーズとトマトそしてバジルの味が最高だ。


「どう?」

「ふぉひひい(おいしい)」

「良かった、実は…初めて作ったんだよ?」

「んぐっ…マジ?普通に店で出せるくらい美味かったぞ?」

「そ、そんなに?」

「あぁ。そういえばレベッカで思い出したんだけど…ラウラさんは元気?」

「うん、今は本国で普通に働いてるし元気だよ」

「そうか」

「…春斗のお陰でね」

「俺はそこまで大層なことはしてないぞ?」

「春斗がそう思っても僕とお母さんは春斗のお陰で今日も幸せに過ごせるんだから。でも」

「でも?」


するとレベッカの顔が少し曇った。


「春斗が僕たちに内緒で学園を出ていったときは本当にびっくりしたよ」

「それは…すまん」

「まぁ春斗が帰ってきたからいいや、また今度一緒におでかけしようね?」

「そうだな」

「もちろん二人っきりだよ?」

「お、おう…」


俺にずいっと顔を近づけてから二人っきりというところを強調して言われた。

そんなに二人っきりがいいのか…?あ、言い忘れた。ピザ…じゃなくてピッツァの作り方も後で聞こう。

パンとか作ったことないしね、レパートリーを増やしたい。


「次は私だな」

「アナスタシアか」

「私はビーフストロガノフを作ったぞ」


次はアナスタシアだ。ずいっと俺の目の前に料理を出してきた。

うん、いい匂いが漂ってくる。というより少し驚きだ。

ほら、アナスタシアって元軍人だろ?料理できたのかっていう。


「む?どうした?」

「あー…少し失礼かもしれないけど、アナスタシアって料理できたんだなって。元軍人だからさ」

「ふん。例え軍人でも料理や食堂の当番などで鍛えていたのだ。…お菓子は無理だが」

「なるほどね」

「それよりもだ、口を開けろ」


もう抵抗する気もないので黙って口を開ける。

そして伸ばされたスプーンに乗ったビーフストロガノフを口の中に入れる。


「どうだ?」

「美味いぞ」

「そうか…そ、それとな春斗」

「うん?」


皿を持ちつつもじもじとし始めたアナスタシア。


「何か言いずらいことか?」

「いやそういうわけではなく…その…今度、お前の料理を食べたい」

「そんなことか?別にいいぞ、作る時があればアナスタシアの食べたいものを作ってやる」

「ほ、本当か!?」

「あ、でも俺の腕にも限度はあるからね?」

「楽しみにしているぞ!」


皿の中にあったビーフストロガノフを全て胃の中に入れ、空になった皿をアナスタシアは嬉しそうにステップしながら何処かへ歩いて行った。

やっぱり元軍人とはいえ年相応の女の子だよな。みんなと笑って過ごして競い合って…。

…てか、そろそろ胃がパンパンになりそうだぞ。

今のところハンバーグ、ローストビーフ、ピッツァ、ビーフストロガノフ。

うーん脂っこい物ばっか。嬉しいけどね。


「は、春斗…」

「水津か」


次に現れたのは水津。皿が他のみんなよりも小さいがいったい何が?


「その…そろそろお腹がいっぱいになってきたと思ったから…これ」


そうして目の前に出されたのは…羊羹?


「羊羹?」

「えっと…水羊羹。春斗って甘い物が好きだから、これを」

「普通にうれしいぞ。てかこれは水津が作ったのか?」

「うん…!和菓子作りは結構してたから…」

「そうだったのか。あ、あとで教えてくれ、レパートリーを増やしたい」

「もちろん。は、春斗…あーん」


口を開けて水羊羹を食べる。

うーん…!しっとりしてなめらかな味わいだ。

お茶が飲みたくなってくるな。


「ど、どう…?」

「美味いぞ、茶が欲しくなるな」

「あ…お茶は」

「いいんだ。無い物ねだりしたところで意味ないし、また今度食べる機会があった時に頼む」

「う、うん…!あ、それと春斗?」

「?」

「…ありがとう」

「急にどうした?」

「春斗のお陰で…みんなと仲良く過ごせてる。春斗が助けてくれた日から拡張武装製作の手伝いもしてくれてたし…きちんと感謝を伝えたかったの」

「そ、そこまで大層な事をしたつもりはないんだが…」

「私にとって春斗が…ヒーローみたいだから」

「俺がか?」


水津の握る皿に少し力が入る。


「うん…私の憧れのヒーローみたい」

「そうか…そ、そんなこと言われたの初めてだからどうすればいいのか分からなくなるな」

「ご、ごめんね…急に変なこと言って」

「いいさ、俺も水津には感謝してるしな」

「え?」

「忘れてるかもしれないけど、水津だって俺の事守ってくれたじゃん。赫蝶からね、あの時はありがとう」

「で、でもアレは」

「俺が感謝してるのは守ろうとしてくれた意志にだ。結果がどうこうであれ守ろうとしてくれたからな」

「…ッ!」


すると急に水津は顔を真っ赤にして何処かへ早歩きで行ってしまった。


「み、水津!?」

「あーあ、流石春斗君ね。こうやって女の子をたぶらかすんだ~」

「え、えっ?」

「…しかも無自覚と来たか、大変ね」

「な、何か言いましたか?」

「何でもないわ、それと春斗君。此処にいない子、分かる?」

「此処にいない子…?」


此処にいない子って言われてもな…。

IGD学園には世界各国のエリートたちが集まる学園。在学している生徒の数もものすごく多い。これでピンポイントで当てろって言われても…。

うん?


「そういえばアイヴィーは?」

「やっぱり気が付いたのね、実はアイヴィーちゃんから伝言を預かってるの」

「アイヴィーから?」

「このパーティーが終わったら屋上に来てほしいってね」

「屋上…わかりました」


アイヴィーからの呼び出しか…。

何というか初対面の時を思い出す。初めてアイヴィーに呼び出された時、剣を交えたしな。

喧嘩になるようなことが無ければいいが。


「…あと雪華さん」

「うん?何かな」

「解いてくれません?」

「やだ」

「何でぇ…」

「だって春斗君は何でもかんでも一人で解決しようとするでしょ?誰にも頼らずに。だから強制的に甘えさせようと思ってこういう事をしてるんだから」


それが列に並んで俺に料理を食わせるっていう事か…何処から突っ込めばいいんだか。

それからまた列ができて俺の口の中に料理が入っていった。割とお腹が膨れたし、時々死にかけたぞ。喉に料理が詰まって。


ーーー


「き、キツ…」

『モテモテでしたね』

「つ、椿?何で不機嫌そうなんだ?」

『自分の胸に手をあてて考えてみればいいのでは?』

「えぇ…?」


パーティー後、アイヴィーの呼び出しの通りに屋上に向かう。

何故か椿が不機嫌だったが…理由が分からん。

ガチャッと屋上への扉を開ける。


「来たか」


風が靡き、その先には屋上の手すりに手を置いたまま俺のことを見つめてくるアイヴィーが居た。


「それでいきなりだが何の用だ」

「…すまなかった」

「何故謝る?」

「私は自分の目的を叶える為だけにお前を…」

「別に気にしなくていいだろ、こうして帰ってきたしな」

「良くない!!」

「!?」

「私のせいでお前は…」

「はぁ…気にしすぎだ。さっきも言った通り俺は帰ってきた、それにあの時はしょうがないだろ?アイヴィーだって脅されてたしな」

「しかし…」


酷くしょんぼりした声を出すアイヴィー・モルドレッド。

何というか騎士っぽいが、責任を感じすぎている気がするな。

俺はきちんと話し合えるようにアイヴィーの隣に行き、顔を見る。


「もういいって。それと…あまり聞きたくないがアイヴィーの家はどうなったんだ?」

「母は生きていたが…モルドレッド家は滅んだ。とんでもないことをしでかしたからな」

「…」


やはりか。

あの時、学園の地下で剣を交えたとき。アイヴィーの叫びを聞いた俺だからこそわかる。

男に虐げられ、フレヤという希望を失くしかけた彼女の人生。生まれた時から腐っていた家庭環境。

まぁ…モルドレッド家とガリアルド家は人身売買に、人を人として扱わない劣悪かつ極悪な環境だったのだろう。俺は詳しいことも何も分からないが…しちゃいけないことをしつくしたんだろう。

当然の報いと言えば当然か。


「だが滅んだとしても私が生きている」

「!」

「私一人でもいい、もう一度モルドレッド家を再建させる。今まで以上のモノとして」


屋上から夕日を眺めるアイヴィーの言葉と瞳には光、そして決意があった。

騎士、いや『王』のようなカリスマ性や気迫、オーラが俺にも感じ取れる。

その決意に少し圧倒された。


「九条春斗、謝罪と共に感謝させてくれ。お前のお陰で私は呪縛から解き放たれ本当の意味で自由になれた。これからもまだ壁があるかもしれないが…私は諦めない」

「…それが本当のアイヴィーって奴なんだな」

「あぁ、これが私だ」

「そうか。まぁ…まだ男が嫌いかもしれないがよろしくな」

「男嫌いは後で何とかする…」

「む、無理にとは言わないぞ?流石にそこまで俺も外道じゃないし…」


アイヴィーと向き合い初めて握手をした。

…女の子っぽい手だなとは思ったけど正面から言ったら聖剣でぶった切られそうなので黙っておく。


「さてと、そろそろ冷えるし戻ろうぜ」

「そうだな」

「あとフルネームで呼ばなくていいぞ、九条か春斗でいい」

「わかった、では…春斗」

「何だ?」

「これからもよろしくな」

「もちろん」


そうしてアイヴィーと共に校舎に戻った。

なんだかんだ言ってアイヴィーとも打ち解けれたし、良かったぜ。

まだまだ問題は山積みかもしれないけど明日から頑張っていこう。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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